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掌編「裸のうんこ」@爪毛の挑戦状

ほろ酔い気分で山道をのぼり、家についた。街で飲んだのはいつぶりだろう。
街でこんなに金を使ったのも久しぶりだ。今週は売る分の牛乳と、玉子も増やすか。

家族は、ばあちゃんの本家に泊まるとかで、今夜は家に僕ひとりだ。縁側で飲み直すか。

玄関を開けようとして違和感。

鶏小屋のほうだ。なんだ、どうした。

家の横を通り鶏小屋へ向かったが、縁側の前で、ギラと光るものが目に入り立ち止まる。

縁側の戸が開いている。

近づくと床の間がいつもと違う。逆さまの金魚鉢がない。被せていた金魚鉢が取り除かれ露わになった金色の塊は、月の光をこれでもかと反射させていた。

誰があれを触る?家族の誰か?いや、思い当たらない。戸も開けっぱなしで…。

何か踏んだ。ガラスの破片だ。金魚鉢のフチらしき波々の形をしていた。

縁側を離れ鶏小屋へ向かうと、抜けた羽が散乱していた。1羽も息をしていない。
鶏小屋の中に、見慣れないものを見つけた。キーホルダーと鍵。緑色のうんこ。

瞬間、走り去る影。

僕は反射的に追いかけた。絶対に、●●。


(435文字)



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