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掌編「しゃべる画像」@毎週ショートショートnote

ピコン。

「挿し絵って、嫌いなんです。あれらは、豊かに膨らんだ想像に穴を空け、萎ませてしまう。心地好く空想に耽っているのに、現実に引き戻す。まるで冷や水です。そこまで、あちらから語って欲しくない」

はあ。 そういうものかねえ。

ピコン。

「そういうものと、私は思います。読み手の想像力を、もっと信頼すべきです。読み手に同一のイメージを与えたいなら、絵本にでも漫画にでも、アニメにでも映画にでもすればいいんです。挿し絵なんて入れたら、それはもう挿し絵作家のイメージの押し付けじゃないですか」

まあ、要するに、挿し絵に引っ張られたくないと。

ピコン。

「はい。挿し絵を入れてしまうと、語りすぎになってしまう気がします。噺の良さは、文字のみで十分に引き立ちます。挿し絵を入れない、その“余白”にこそ、本当の魅力が生まれると考えます」

なるほど。うーん。

ピコン。

(5分前)

Hey Siry.小説について議論しよう。因みに僕は、イラストレーターだ。



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