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17.アメリカ生活① **小説「先」**


ハンバーガーを食べる時、
紙を全部外して食べるのがアメリカ
紙に包んだまま食べるのが日本

音楽ライブで
2、4、6、8のヒップホップカウントで裏どりでノるのがアメリカ
1、3、5、7の盆踊りカウントで表どりで手拍子するのが日本

駐車スペースに
頭から突っ込むのがアメリカ
ケツから突っ込むのが日本

スーパーの
セルフレジのほうが並んでるアメリカ
対面レジのほうが並んでる日本

挙手する時に
指一本あげるのがアメリカ
指五本あげるのが日本

考え事するときに
口にしわを作るのがアメリカ
眉間にしわを作るのが日本

わからないときに
首を振るのがアメリカ
首をかしげるのが日本

雨の日に
傘を持たないのがアメリカ
傘を持つのが日本

デートを重ねて「アイラブユー」と告白して関係が始まるのがアメリカ
「付き合ってください」と告白してデートで関係が始まるのが日本

いくら親しくても年齢を聞かないアメリカ
出会ってソッコー年齢を聞くのが日本

初対面で女性のファッションをほめるアメリカ
初対面で女性の美しさをほめる日本

重い荷物を女性に持たせないアメリカ
重い荷物を女性に持たせる日本

いくら混んでても、松葉杖の私の席を全員で協力して確保するアメリカ
いくらすいてても、松葉杖の私の席をだれも譲らない日本

入院時、ハンバーガーとラザニアばかり出るアメリカ
入院時、栄養バランスの整った食事が出る日本

ジェットコースターに「もぉええわ!」とツッコミたくなるほどイイ感じに長いアメリカ
ジェットコースターに「もう終わり?!」とツッコミたくなるほどイイ感じに短い日本


などなどなどなどなど、、、
挙げたらきりがない。思い出したら足します。
(あくまで個人の主観です)


私のアメリカ生活は、ボストンに始まり、ロードアイランド、カリフォルニア、テキサス、アリゾナ、ユタ、オレゴン(ポートランド)、ミシガン(デトロイト)、ジョージア(アトランタ)、ネバダ(ラスベガス)、フロリダ(オーランド)、イリノイ(シカゴ)、ニューヨーク(マンハッタン)をまわった。

アメリカに行ってよかった。「女性・アジア人・外国籍・非母国語・どもり」という五重マイノリティにどっぷり身を沈めたことで、より一層いろんな経験ができたし、世界から見た日本を知れた。

友達作りや人間関係やコネは、相変わらずうすーくムラなく伸ばしたけれど、自立できるところが性に合った。

「みんな違う」が根底にあるからだと思う。人種も出身も、育ちも貧富も、家族やカップルの在り方も、働き方も宗教も。
だからこそ、同じを求めないし、違うことを笑わない。

間違えたときに笑うのは日本人だ。「みんな同じ」の文化があるから。
だから、主語や所有格を抜いた言語表現で、自分の視界から見た話をし、
相手の気持ちになる時も、相手の目の裏側まで回って相手の視界を想像する。

アメリカでミスしても笑えない。普通だからだ。
とんでもなく予想外なことが起これば笑う。でも「教えてあげよう」の気持ちが先に来る。そして「違ったらごめん」なんてものはなく、己の経験や考えを堂々と言う。背景が違う人間たちで1つの国を作るために個々で戦ってきたのがアメリカだからだと思う。

だから、常に自分自身を、社会というフィールドに置いて話をする。だから、スポーツ実況のような「さぁ自分選手!自分選手の上司が自分選手に出した指示によって自分選手は緊張させられたようです」みたいな言語になる。

だからこそ、アメリカでは皮肉がめちゃくちゃ面白いお笑いになるのかなと。
皮肉は、自分をフィールドに置かないと面白くないから。

日本では皮肉は悪いことになる。なぜなら自分の視野から語る文化なので、ただの悪口になってしまうから。

皮肉は「みんな違う」が前提のお笑いであり、丁寧に扱えば、自分も当事者も第三者も爆発的に笑いながら、価値観の違いを分かり合うことのできる平和の魔法だ!私はアメリカでそのお笑いのセンスにハマってしまった!アッツくなってごめんやけど、これはほんとにそうなんよ!!!!



アメリカは、自分で動けばホント何でもできる。みんなが己のアイデンティティを主張し、己が生きやすいように自分で動いていく。
逆に自分から動かないと何も変わらないし何もしてくれない。役所も住民主動、学校も生徒主動。


特にこれを感じたのが、交通事故にあって寝たきり状態になったとき。やっと上半身起こせるようになったぐらいで「退院ですね」って言われたからびっくりした。後で聞いたら、アメリカは日本の逆で、早く病院から出したがるそうな。
アメリカに身寄りのない私は「せめてあと1週間くれ!歩けるくらいまで回復するから!」と言い、居座って、医者もびっくりの超ハイスピードで回復した。


まぁ、そもそも、無免許で運転していたのがまずかった。

まぁ、この辺は濁しておきたい。


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18.アメリカ生活②


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