Chernobyliteまとめ考察
以下Chernobyliteのネタバレ・憶測を含む内容となっております。
閲覧は自己責任でお願いします。
序章
かつてチェルノブイリ原子力発電所の職員だった科学者、イーゴル・ヒミヌク教授の元に一枚の写真が届く。
そこに写っていたのは、チェルノブイリの原発事故直前に消息を経ったイーゴルの婚約者、タチアナ・アマリエヴァだった。
その日以来、自身に呼びかけるタチアナの夢を見るようになったイーゴルは、彼女の痕跡を探るため、今や禁止区域となっているチェルノブイリ原子力発電所に再び足を踏み入れる。
写真と共に届いた幾ばくかの素材で、ワームホールを作り出すことができる、ポータルジェネレーターを作成したイーゴル。
自身が雇った二人の傭兵と共に、タチアナを求めて発電所への侵入を試みる。
ポータルジェネレーターのエネルギー源であるチェルノブライトを無事入手したイーゴルだったが、突如現れた黒衣のストーカーの襲撃により、傭兵の内一人・アントンを失ったイーゴル。
命からがら逃げ出すことに成功したイーゴルは、残った傭兵、オリヴィエと共にタチアナ探しを続行する。
タチアナは何故姿を消したのか
イーゴルとタチアナがチェルノブイリ原子力発電所に勤めていた頃、ボリス・グルーホフという同僚がいた。
彼はイーゴル達の親友であったが、タチアナに横恋慕しており、タチアナがイーゴルと婚約したあとも彼女へのアプローチを続けていた。
しかし、タチアナが自身の元へ来ないと悟った彼は態度を一変、元々野心が強くKGBに恩を売ることも兼ねて、タチアナをスパイに仕立てあげ、KGBへ売り渡す。
そうしてKGBの目に留まったタチアナは、KGBの調査員であるスプリンターの監視(コードネーム:ドロシー)を受けた後、両親やイーゴルを盾に取られ、同組織に捕らえられることとなった。
NAR(KGB)の実態
チェルノブイリの原発事故以来発生した未知の物質チェルノブライト。
KGBは多大な可能性を秘めたその物質の研究に没頭し、ソ連の延命を試みた。
ソ連の延命かなわずKGBが解体した後は、研究部門のトップにセミョーノフ、セキュリティ部門のトップにカズロフを置いたNARへと引き継がれ、チェルノブライトの秘めた力を餌に資産家の出資を受けながら、禁止区域一体を借り上げて研究は続けられた。
また、黒衣のストーカーもカズロフの指導を受け、セキュリティ部隊の部隊に所属している。
チェルノブライトを使用した人体実験は、主にKGBに元々捕らわれていた人・現地で捕らえたストーカーやサマショール等を対象に見境なく行われていた。
その最初の被験者となった0号患者がタチアナ・アマリエヴァである。
彼女はチェルノブライトに曝されても正気でいられた数少ない成功例であり、また妊娠できない身体であるにも関わらず、チェルノブライトの力によって妊娠・男児を出産する。
当然、この子供も実験の鍵を握るとして研究対象であったが、子の身を案じたタチアナと内通者によって外へ逃されている。
黒衣のストーカーの正体
自らをチェルノブライトに曝して時空を超える力を入手し、その結果顔を失いつつも、NARに身を置く人物。
イーゴルはボリスだと勘違いしていたが、彼こそが本物のイーゴル・ヒミヌクである。
タチアナの願いを聞き入れ、その子供を外へ逃がしたのもこの人。
タチアナがセミョーノフの研究対象になってしまった以上、彼女が解放されるにはセミョーノフが望む結果をもたらすしかないという考えの元、セミョーノフに手を貸す形でNARへ所属していた。
主人公の正体
イーゴルの記憶と姿形を持ち、タチアナを求めた主人公の正体はイーゴルではなく、タチアナから産まれ、本物のイーゴルによって外へ逃されたタチアナの子供である。
イーゴルによれば、外へ逃がした際にイーゴルの服を着せたことから記憶や姿が構成されたという。
逃がされた後はイーゴルとしてイギリスで生活していた様だが、チェルノブライトの子供として貴重な研究対象である主人公を探していたセミョーノフに見つかり、彼が送った写真によってタチアナの記憶を蘇らせ(新たに構築された)、タチアナを求めて禁止区域に再び足を踏み入れることになった。
チェルノブライトとは
チェルノブイリの原発事故以来、禁止区域に発生した物質。
タラカンによれば、あくまで原発事故のエネルギーで表に出てきただけで、古くより存在し、顕現する日を待ち望んでいたともされる。
その実態は膨大なエネルギーを秘め、あらゆる特異点を結ぶことが可能な、意志を持った有機化合物である。
チェルノブライトはその力で争いによる自己破壊を繰り返す人の歴史を見て、自身の手により創世記の様な再構築を行うべきだと考えた。
そしてそれを行うためには、マリアとも言うべきタチアナから産まれた、イエスの様な存在である主人公が必要であった。
夢や幻に出てきたタチアナはタチアナではなくチェルノブライトであり、全ては主人公を自身の元へ誘き寄せるための計略であった。
チェルノブライトにおける時間軸
チェルノブライトの世界は選択により無数に次元が別れている。
イーゴルがタイムラインにアクセスし、修正したことによって変わるのはあくまで「その次元のイーゴルの未来」であり、修正する前の時間軸が無くなる訳ではない。
そして、その全ての時間軸はチェルノブライトの体内に内包(セミョーノフの言うところの導管)されているため、チェルノブライトを使用することでトンネルを繋ぎ、別の時間軸へアクセスすることが可能となる。
その他の人々について
オリヴィエ・ニューマン
カナダの軍人の父の元で厳しく育てられたオリヴィエは、父に認められるべく自身も軍に身を起き、日々奮闘していた。
しかし、自身の部隊を持つ程に成長したものの、ある時自身を残して部隊が全滅するという悲劇に見舞われる。
それ以来、一人逃げ帰ったという汚名を着るよりはと、自身も死んだことにして傭兵として生きる道を選択する。
同じ傭兵仲間のアントンとは友人と呼べる関係を気付いており、彼に何かあったらアントンの娘のダーシャの面倒を見るつもりでいた。
また、オリヴィエ自身に何かあった場合も困らないよう、イーゴルに「ダーシャを頼む」と伝えている。
イーゴルに雇われ、共にタチアナ探しに尽力していたかのように見えたが、その実セミョーノフのスパイとしてイーゴルの監視を行っていた。
先の部隊の全滅というトラウマを抱えていたオリヴィエは、チェルノブライトの力による「過去の改変」は喉から手が出るほどのものだったのだろう。
兼ねてよりイーゴルの監視役を欲していたセミョーノフに唆され、彼の手駒となったのである。
発電所でイーゴルの前に立ちはだかったオリヴィエは、イーゴル(あくまでプレイヤーが操作する時間軸だと思われる)がタイムラインで行った修正前の記憶を有していた。
イーゴルが修正を行った際にオリヴィエ自身がどの様な状況にあったか定かでは無いが、彼の口ぶりからすると時には窮地の最中だった事もあったのだろう。
それでも自分のことには目もくれず、タチアナのためだけに選択の修正を行うイーゴルに不満を抱くのも無理はない。
また、彼には選択を修正を行う選択肢があったのにも関わらず、アントンの死亡前に戻って彼を救う事は無かった。
当時のオリヴィエには知る由も無かった訳だが、イーゴルが選択の修正を行っていることを知ったのであれば、この一件もイーゴルに対する不信感を強めた出来事のひとつだろう。
最後に手を貸してくれたオリヴィエは、プレイヤーが操作するイーゴルではない、別の時間軸のイーゴルと共に過ごしてきたオリヴィエだと思われる。
タラカン
NARへの残虐非道な仕打ちや普段の発言から奇人扱いを受けているが、その正体はセルゲイ・ワシリエフであり、諜報員スプリンターである。
レニングラード工科学校に通っていた頃、KGBのウォロニノワ諜報員に才能を見出され、KGBの諜報員となる。
ドゥーガ・プロジェクトを行っていたタチアナがCIAのスパイ嫌疑をかけられた際に、彼女の監視を行っていた。
しかし、その際に異議を申し立てた事から精神鑑定に回され、諜報員不適合の烙印を押された後、あらゆる人体実験を施され、廃人になったところで遺棄された。
セミョーノフの発言から人体実験の中にはチェルノブライト実験も含まれると思われる。
そうしてすべての記憶を失ったが、小さい頃母が読んでくれた話で聞いた恐怖の鼠王の記憶が僅かながら残っていたのだろう、感覚的ではあるがチェルノブライト=鼠王と認識し、タラカンとして一人戦う覚悟を決める。
回りくどい言い回しで分かり難いが、正体を知った後に話を聞くと、元々優秀な科学者&諜報員だっただけあって、知識は豊富で的を得た話をしていることがわかる。
サシュコ・ホロベッツ
父からは虐待を受け、家を出てからはストリート・ギャングに属していたモスクワ出身の青年。
両親を殺害した嫌疑をかけられ、逃走中の兄ルスランを探すために禁止区域を訪れた。
NARによれば、いい逃げ場として禁止区域に訪れる犯罪者は多いという。
また、そういった輩の中には、自身がどれだけ使える人材か示すためにわざと監視員の目を掻い潜り、中へ侵入した上で雇ってくれと言い出す者もいるという。
そして、人出不足に悩むNARの部隊の中には、上層部に黙ってそういった人物を雇うこともしばしばあったそうだ。
兄のルスランもそうしてNARの兵士になったのだろう。
しかし、これが上層部に明るみに出そうなったところで、口封じのために事態を知る兵士と共に抹殺されたのだと思われる。
ミハイル・ボイコ
ダークツーリズムの途中で禁止区域に魅了され、以降ストーカーとして生きる道を選んだミハイル。
幸い仲間にも恵まれ、厳しい環境でありながらも共に基地を作成したりと楽しく生活していた。
しかし、禁止区域がNARに占領された際に、仲間共々NARに捕らえられ拷問を受ける。
自身は何とか逃げおおせたものの、仲間は全員亡くなってしまったため、NARのトップであるカズロフを憎み、彼を殺そうと日々格闘している。
オリガ・アスタペニャ
母と共に禁止区域を訪れ、母なき後もサマショールの人々と共に小さな村を維持するため、NARと戦い続ける女性。
母はNARの人体実験を目撃してしまったため、口封じの目的で殺害された。
以上、Chernobyliteまとめ考察でした。
意外とホラー要素少なめのSFヒューマンミステリー寄りでしたね。
マップが少ない&広くないので単調になりがちなんですが、選択肢によっては意外な一面が見えたり、1周では聞くことのできない会話やミニイベントがあったりするので、気が向いたら何周かすることをオススメします。
プリピャチ・セントラルでスクワット強要パワハラ受けるNAR兵士とか、ミートボールが盗まれて絶望してるNAR兵士とか、NARに捕まってる鍵師とか、人殺しを働く放浪者…とかw
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
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