止まらない何か VOL.2
日時:2024年3月10日(日)
場所:十三 RAINCOAT
登場人物:The Memphis Bell、楠木達郎&平野竣(THE HillAndon)、ゲン(THE PERRY)
写真:ミノメイ
おもしろい昼だった!こぢんまりしたバーなので限定25名と告知していたら前日までに24名のご予約があり、なんと全員ご来場された。そして、最後に50/50'sの礒﨑くんが来てくれてソールドアウト!嬉しい!
いい演者様、いいお店、いいお客さんと三拍子揃ったいいイベントになりました。
今回の『止まらない何か』はRAINCOATでThe Memphis Bellがみたい!あの小さいけれど最高の音が鳴る場所で爆音ブルースを浴びたい!という妄想から出発した。
また、去年のいつごろだったか、THE PERRYのギタリスト・ゲンちゃんがたまにとるボーカル曲で歌がめっちゃいいなあと思い始め「ゲンちゃん弾き語りはやらないの?」と聞いたら「やりたいっすね」とのお答え。それならはーいはーい、私が企画するー!と手を挙げた。
さて、突如浮上したこの2組をうまく繋げるとなると…そう、身近にいますやん。達郎先生が。ということで声をかけたのだが、バンドで出てもらうとゲンちゃんだけがソロになりオープニングアクトみたいに見えたら嫌だなあと思ってTHE HillAndonではない形で出てください、あとは任せるぜというラフなオファーをした。結果、竣ちゃんとのデュオでの出演となったのだが、後から考えると最高の組み合わせだったのではないかと思う。
当日は寒さが残る中、お天気には恵まれ、昼間っから呑んだくれの溢れる町・十三でお酒に合いそうなライブがスタートした。
トップはゲンちゃん。ソロ出演も初めてならアコギもたぶん初めて。普段バンドではひとこともしゃべらず黙々とエレキギターを弾いている。自分からオファーしときながら40分も独りでどうやるんやろ?とは思っていた。
ペリー関係者でさえゲンちゃんソロを聴いたことがないわけやから、お客さんみんな若干固唾を飲んで見守る雰囲気。
ゲンちゃんらしく静かな滑り出し。わーやっぱり歌ええなあ。ほんでアコギもリハより断然いい。一曲目終わったところで「ありがとう」ではなく「はい」って言ったんだが、それが絶妙な間合いで場の空気がほぐれた。私はここであ、この人いけるなと安心してお酒買いに行った(笑)
曲はTHE PERRYの曲とカバー曲半々くらいやったかな?THE PERRYは全員曲を書くのでゲンちゃんの曲ももちろんあり、その中からの選曲だった。バンドアレンジとはガラリと変わってフォーキー路線。普段はボーカル正継くんが歌う曲をゲンちゃんが歌うのも新鮮だった。
カバー曲もすごく自分に合う曲を用意してきていた。ほんまに2000年代生まれか?と疑うような古き良き時代のロックやフォークの名曲をちょっとざらついた声でいきいきと現代に甦らせてくれた。特に「500マイル」は余計なものが何もない感じですごく沁みたなあ…。
最後にやったオリジナル曲がまた秀逸で、私はリハーサルで聴いたとき有名曲のカバーなんかな?と思って歌詞を検索したくらいだ(出なかった、出るわけない笑)。ゲンちゃん、すごくいい形で初めてのソロライブを締めくくった。
二番手は楠木達郎&平野竣。珍しく「THE HillAndonです!」との名乗り。その自己紹介どおりバンドの曲中心のセットリストは気合いを感じた。
達郎がガッツリ歌うのを初めて聴く人も多かったようだ。ギターが超絶なのは有名でも、歌が素晴らしいのは一部マニア(笑)だけが知る特権だったが、今後また聴きたいなあと足を運ぶ人が増えそうな予感。
達郎と竣ちゃんのコンビはある程度セットリストは決めているようだけど、いざ曲が始まると平気で違う方向へ行くというか、達郎が気持ちよくなってギターソロが延びたりすることがしょっちゅうあり、同じ曲でも毎回ツボるポイントが変わる。だから全然飽きがこない。これはTHE HillAndonというバンド全体に言えることだが、自由度が桁違い。
その自由な人たちをある意味横で締めているのが竣ちゃんのベース。急に振られても揺るがない(顔見たらニヤニヤしていたりはする笑)。達郎ギターとのコンビネーションは音と音との絡みがほんとうに心地よく、目をつぶって聴き惚れてしまう時間もあった。
達郎が2本ギターを持ってきてくれたのも嬉しく、普通のアコギはもちろん、リゾネーターギターでスライドをフィーチュアした「Love in Vain」が絶品だった。
トリはThe Memphis Bell。早朝から重い機材全部持ち込んで入念なセッティングを行なっているところを目撃したが、私はそこからもう感激だった。コレコレコレだよ!というワクワク感。
いきなりトップギアで始まったライブ。古賀ギターが空気を切り裂くように鳴る鳴る。このころにはお客さんも私もすっかりできあがっており、歓声が沸き起こる。
RAINCOATに来たことのある方はわかると思うのだが立って見る位置を確保するのがなかなかに難しい。私は入口ドアのあるあたり、壁沿いに半身でステージを見ながら踊っていた。やっぱりじっとしてはいられまへん。
あの超個性派ドラムは、脱退した橋本さんが作り上げた音でもあるが、The Memphis Bellのバンドの音として古賀さんが大事にしているのがよくわかる。ドラムセットがドラマー個人の持ち物ではなくバンド所有だったのを今回初めて知ってめちゃくちゃ驚いたもんです。
今回のサポートドラム・チューヤンこと三井さんも下北沢で見たTakuroさんと同じく白Tシャツ姿で、The Memphis Bellのドラマーとしての伝統?はそんなところにもしっかりと受け継がれているのだった。
そして、RAINCOATのあの数メートル四方しかないステージに誰よりもフィットする男・ベース松本!とにかく動かない。すごいグルーヴなんすよ?なのに動かない。だからねー、まっちゃん見てると逆に酔いが回るねん(笑)まっちゃんがバンドに正式加入してくれてよかったよ。
THE PERRYの正継くんが最前列に陣取って食い入るように聴いていたのも嬉しかったなあ。後から古賀さんと何やら交流してた。主催者冥利に尽きる場面でした。
アンコールはセッション。実はリハのとき古賀さんと達郎には「もしアンコールかかったらセッションやってください」と伝えていた。達郎はそういうのお手のものだし。
ところが本番、古賀さんがゲンちゃんまで呼んでもうて(笑)さすがに慌てたけど、本人しれっとステージに向かっているではないか。何の打ち合わせもなく「ジェニジェニ」が始まる。ゲンちゃんええ感じに弾いてる…いや、センターで歌ってる…ソロも弾きよる…何だかもう唖然とした。
MCでも暴露されていたが、ゲンちゃんを呼ぶにあたり「私の企画でゲンちゃんソロデビュー!って一生残るからそれまでにオファーあっても断って〜」て言うてたんはほんまです。そのときも「わかりました、全部断りますわ!」と力強く答えていたゲンちゃん(笑)いやいや、どこぞの異世界で何度もステージに立ったことあるのではないのか?くそ度胸ありすぎ!
無茶振りに颯爽と応えたゲンちゃんを交えて楽しいロックンロールセッション。いい余韻を残して終わった。
マスター小林さんにも喜んでいただけたし、The Memphis Bell 古賀さんはまたここでやりたいとも。終演後のゲンちゃんはまた始終しれっとしていたが、耳の肥えているであろうTHE HillAndonのお客さんからも絶賛の嵐で、その証拠にTHE PERRYの CDを購入された方もいたようだ。
私はライブのハシゴ予定があり精算後帰ったが、THE PERRYの面々がRAINCOATを遊び場のように居座っていて、達郎は礒﨑くんと何やら密談(どうせギターの話!笑)。いい光景を見ながらお店を後にした。
最後になりましたが、来ていただいた方のみならずドーナツやウコンの差し入れをくれた友だち、告知に反応してくれて拡散してくれた皆さんに心から感謝します。
RAINCOATと小林さん、The Memphis Bell、達郎、竣ちゃん、ゲンちゃん、ほんまにありがとうございました!
ここはやっぱりゲンちゃんが始めた謎の乾杯音頭で締めたいと思います。次の企画へ向けて…
恭子!止まらない何か!かんぱ〜い🍻(やっぱり謎笑)
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