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【初めてのNICU】クベース越しの775gの毛深いベイビー

出産後の痛みは夜通し続いた。
お腹も胸も涙が出るくらい痛かった。
だが、我が子に会いたい一心で必死に痛みに耐えてなるべく
動くようにした。
朝ご飯を食べ、看護師さんに体調のチェックをされてたあと、
ついにこの時がきた。

「NICUに行きましょう!」

と、看護師さんが部屋にやってきた。

ついに我が子に会える。
775gと聞いた我が子は無事なのか...
本音をいうと会うのはとても怖かった。

命に別状はないのか?
小さいこと以外に障害とかはないか?
兎にも角にも大丈夫なのか?

そして、小さい我が子をちゃんと見れるのか...
触れるのか...
きちんと私たちが育てられるのか...
生きて退院できるのか...

いろんな感情がぐるぐると頭の中で渦巻いていた。

NICUに入る時はとても緊張した。

「こちらですよ!」

と、案内されたのは12番と書かれたブースの中。

クベース越しに初めてみる我が子。

「旦那の横顔そっくり。」

と、思わず声に出してしまった。

髪の毛がしっかり生えてて、小さくて、赤黒く、
そして毛深いかわいい我が子がそこにいた。
いろんなケーブルやチューブに繋がれていたが、隙間から見えた横顔は
旦那の寝顔にそっくりであった。

ケースの中で一生懸命生きている息子が愛おしくて涙が止まらなかった。

だが、同時に呼吸器やチューブに繋がれている息子を見てとても
不安になった。
小さい体にいっぱい針やチューブが刺さり、鼻からは食事用のチューブ、
胸と背中には心拍などをとるセンサーもついており、
本当に息子が見える部分は限られていた。

皮膚がまだ薄く、息子の心臓あたりがとても早く動いているのが見えた時、なんとも言えない感情が込み上がってきた。

そして、何度も何度も息子に謝った。

小さく産んでしまってごめん...
普通の子みたいにおっぱいをあげたり、
沐浴や授乳も全くしてあげられない。

とても情けないと思った。
母親なのに何もできない。
できることなら代わってあげたいと何度も思った。

だが、息子はとてもがんばっている。
そしてNICUの先生たちも明るく話しかけてくれた。

本当に今でもNICUの先生方、忙しい業務の間を縫って
いっぱい息子に面会させてくれたMFICUの助産師さんたちには
感謝しかない。


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