【銘柄分析】クミアイ化学工業株式会社(4996)
企業概要
静岡県清水市柑橘同業組合が農薬製造をしたことが発祥で、1949年に庵原農薬株式会社として設立された。
何度かの社名変更を経て1968年に現在の社名となった。
社名の由来はJA(農業協同組合)からとのこと。
JAは筆頭株主だが保有割合は21%程。他には農林中金も大株主に名を連ねる。
農薬の殺虫剤・殺菌剤、除草剤、などを主力製品としており、他に化成品も手掛けている。
農薬業界内のシェアは住友化学に次いで2位。
農薬専業メーカーとしては国内トップに位置する。
事業・商品の概要
農薬としては、殺虫剤・殺菌剤・除草剤・植物成長調整剤、などが主力製品として存在する。(商品名は一般にはあまり知られていないため割愛)
他にも、業務用消毒剤原料、樹脂原料、樹脂の硬化剤、発泡スチロールなどの化成品を手掛けている。
セグメント別の売上・利益を見ると、割合は圧倒的に「農薬及び農業関連」が大きい。
利益率についても「化成品」よりも「農薬および農業関連」の方が高くなっている。
海外売上比率は45%以上もある。米国とアジアの割合が大きいが、他の地域も一定の売上がありバランスがよい。
業績
売上高・営業利益ともに、グロース株のような美しい右肩上がりをしている。
2022年10月期の業績も会社予想に対して3Qの進捗率が98.5%になっており、通期で会社予想を上振れる見込み。
収益性
2022年10月期のROEは10%超えると思われ、収益性の高さはまずまず良好に見える。
営業利益率も化学銘柄の中では平均以上の良好な水準にある。
割安指標
PER、PBRはやや割安水準に見えるが化学銘柄としては平均的なところ。
予想配当利回りはそれほど高くないが配当性向は低いため、配当の余力は大きい。毎年増配基調にあるので今後の株主還元方針がどうなるか気になる。
個人的主観による投資判断
「右肩上がりの業績グラフが美しい」この一言に尽きる。まるでキラキラグロース銘柄のよう。
食糧危機に立ち向かう農業関連銘柄としても着目したい。
売上高の海外割合が大きいところも将来性の高さとして評価できる。
ただ配当利回りはそれほどでもないため、高配当銘柄としては見るには難がある。
チャート的にちょうど押し目にあるように見えるので、少し拾いたくなった。
※注意事項
上記の数字や文章は、2022.11.27時点の情報です。
この記事は、公表されているデータを元に個人的な主観で評価・感想を記述したものです。実際に投資される場合は自己判断でお願いします。
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