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【祝】腎臓を患いつつ、リキ本日14才!

2010年12月2日生まれ、そして生後約1か月半でうちにきた愛犬・リキが本日14歳になりました。

リキは今年4月に狂犬病注射に行った際に、追加でやってもらった健康診断の血液検査にて腎臓の数値が悪くなっていることが判明。
加齢によるものとみられ、医師は
「年齢が若い犬の腎臓病なら投薬なども効果が期待できるが、加齢によるものは正直に言って投薬してもほとんど意味無いです。それよりも、日頃の食事を腎臓専用の療養食に切り替えた方がずっと効果が期待できる」
と説明した。

医師のその説明は、私にとって納得できるものだった。
そして正直、心の中で

「とうとう来たか」

と思った。

私が2,3年前には傷めていなかった膝や肘を傷めてから今は充分に走れなくなったり、これまでと同じように重い物を持てなくなったように、生き物だから日々体を使っていればそういう日はやがて「来る」。
それは悲しく切ないことであるけれど、生きている証でもあるのだ。

リキの腎臓の悪化具合は検査結果からみてステージ2は越えており、ステージ3に入りかかっている、と最初に診断されたのが4月だった。
春先からリキのおしっこの色がやけに薄くなり、これはもしや腎臓では……と危ぶんで4月の狂犬病注射の際に健康診断・血液検査を行ってもらった結果、予想が的中してしまったのである。

リキがおやつとしてたまに貰っていた好物の馬肉や鹿肉なども、タンパク質は腎臓に悪いので今後リキは一切口に出来なくなった。
獣医師指定の腎臓療養食に切り替え、それを主食として食べていく。
たったそれだけのことが、リキにとってはとても難しい事だった。
何故ならリキは、仔犬の頃から「食物アレルギー」だったからだ。

食物アレルギーなので、専用の腎臓療養食でも成分が合わないとすぐ体に反応が出る。
皮膚が真っ赤になりブツブツが出て、見ていても可哀想なほどにその箇所を痒がる。自分で掻いたりしつこく舐めてしまって、部分的に毛が抜け、まるで皮膚病の犬のように皮膚がドロドロになってしまう。
これまではアレルギーが出た時は、獣医師に処方されたアレルギー頓服薬を飲ませていた。そうすると痒みが落ち着き、本人もやっとホッとした様子を見せていた。

しかし腎臓を悪くした今、アレルギーが出てもその頓服を飲ませることが出来なくなった。アレルギー反応を抑える薬ですら、今のリキの腎臓には悪影響だからだ。

それゆえに、「腎臓専用の療養食でありながら、且つリキがアレルギー反応を起こさないフード」を担当の獣医師や看護士さん達と、これならどうだろう、いやこっちの方がと散々相談して選び抜いた。

が、それでもやはりリキの体はアレルギー反応を起こした。

しかし腎臓専用の療養食はどうしても主食としなければならない。
リキの腎臓の悪化を抑えてくれるかもしれない希望なのだ。
そこで、「アレルギー反応が出ないよう先手でブロックする注射」を毎月打つことになった。
注射はひと月に1回だが、とても高額だ。
腎臓専用の療養食も、これまでのアレルギー専用療養食よりずっと高い。
それでも、これでやっとリキは
「これ以上腎臓が悪化しませんように。願わくば数値が下がってくれますように」
という微かだが大きな希望の日々に繋がることが出来たのだ。


リキの後ろ足も若い頃から比べると、面影がなくなった。
若い頃は臀部がキュッと上がり、後ろ足の腿に筋肉が蓄えられて、腿も張っていた。立ち姿の後ろ足が、ピシッと伸びていた。
今のリキの後ろ姿は、なんとも寂しい。
筋力が衰え腿の肉が削げ落ち、ピンと伸びていた足はいつも縮こまっている。
細く、縮こまり、丸く曲げられたその後ろ足。
その姿を後ろから見ると、まるで冬の木枯らしの中震えている痩せこけた老人のそれのようで、切ない。
これまでは平気で上がっていた段差や飛び越えていた高さを目の前にしたとき、リキは一瞬ためらうようになった。
自分の脚力に自信がなくなったのだろう。
だが私は、リキの前では決して悲観しない。

「リキ、大丈夫。いけるよ。それ~、ぽん!」

ぽん、とはリキに仔犬の頃から教えていたコマンドで、「飛び越えろ」のコマンドだ。
声かけしてやるとやはり違うのか、「よし」と集中して飛び越える。
そんな時は私も大袈裟なくらいに、
「リキ、ぽん、good boy!!」
と一緒に喜んでやる。
ほんの些細なやり取りでも、犬に自信を与えてやれる。
自信が保てれば、自らの行動を縮小方向に持って行くことを防げるし、それは「気持ちと体の機能を老化させない」上で効果があると思うからだ。

ヒトもそうだが、動物は後ろ足がやられるとあとは転げ落ちるようにあっという間に衰弱していく。
医療や介護に繋がる事の出来る人間や飼われている動物はその期間を延長こそできるが、自然界にフィールドを移してみたとき、それは至極当然なことだ。
生きるためには「食物を獲る」「敵から逃げる・戦う」「安全な場所を確保する」など様々な条件と状況をクリアせねばならず、それらを可能ならしめる重要な要素は「移動」である。
即ち移動が不可能または困難となった時、それは命の終焉が近いことを自然界では意味する。

私がこれまで看取った子の中で最終的に寝たきりの介護生活になった子は犬の花と幸太だったが、彼らは立つことが出来ず寝たきりになってからはあっという間だった。犬の風太だけ、亡くなる前日の夜まで自分の足で散歩に行った。
それを経験として知っているからこそ、リキの腎臓だけでなく足の衰えにもとても気を配っている。
獣医師が推奨する犬用の足サプリメントを、1日1回、リキに食べさせている。


私の近所に、今年18歳という中型のおばあちゃん犬がいる。
中型犬の寿命を考えれば、長生きしている犬だ。
そのおばあちゃん犬の飼い主もおばあちゃんだ。
おばあちゃん同士ゆっくり歩きつつ、野原などを散歩している。
犬の足並みは、しっかりした足並みとはとても言えない。
後ろ足は当然、老いのため痩せこけて弱弱しい。
一歩一歩も遅く、「よぼよぼ」という表現がぴったりだ。
けれども、よぼよぼと歩きながら嬉しそうに草の匂いを嗅いだり、同じくよぼよぼと歩く飼い主のおばあちゃんをたまに見上げては、嬉しそうに目を細めている。


リキにも、そうなってほしい。
若い頃のように、力強く走れなくたっていい。
驚くほどの高さを軽々と飛び越えられなくたって、いい。

出来るだけたくさんの日を、君と歩きたいんだ。
ただただゆっくりとでも、その時間はどんな宝にも劣らないだろう。

リキ、14歳の誕生日おめでとう!

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