無罪モラトリアム
はい、始まりました全曲レビュー。
では今日の授業は無罪モラトリアムでーす
1.正しい街
アルバム一曲目の名曲率な。
不愉快な笑みを向け 長い沈黙の後
態度を更に悪くしたら
冷たいアスファルトに額を擦らせて
期待外れのあたしを責めた
しょっぱなからこの快、長い、態の "ai"音を合わせてくるテクよ。一見意味不明の歌詞に見えて計算され尽くしてるんだよな〜
ここの部分にドラムのスネアとシンバルが合っていてすごく気持ちいい
というか正しい街のドラムは総じて気怠くもキメてくるので聞いててすごーく気持ちいい!
なんて大それた事を夢見てしまったんだろう
あんな傲慢な類の愛を押し付けたり
大サビに向かっていくここのCメロも切なくていいですね。後悔エモエモ
メロディに絡みついてくるベースもイイ!
これから故郷を離れる方は是非道すがら正しい街を聴いて浸って下さい。
2.歌舞伎町の女王
初めてバンドで演った林檎の曲。思い出深いね。ライブでも扇子で仰ぐパフォーマンスとか真似してやってたなぁ…
とにかく色々なアレンジでライブで演奏されてる曲なので聴き比べて楽しむのが乙です。
ストリングverとか格好いいので!
3.丸ノ内サディスティック
ライブでも大人気の曲。デモは英詞だったので日本語にした時も耳ざわりの良さを優先したとか。同じような手法なら「輪廻ハイライト」もかなり良曲なのだけど、それはまた今度。
4.幸福論-悦楽編-
これもコピーしてやってたな〜
家にあった謎のディズニーの変声器を使ってさ。林檎がよくやってた拡声器使って歌うのはもうお家芸ですね。めちゃくちゃカッコいいよね
そんなパンクなスタイルで歌われることが多いのに、歌詞はですます調でタイトルが幸福論、と文学的なのがまた 刺さるんだよな〜
あたしは君の メロディーや
その哲学や言葉全てを守るためなら
少しくらいする苦労も厭わないのです
5.茜さす帰路照らされど…
タイトル通り放課後の帰り道にぴったりの曲。秋だとなお良し。
今の2人には 確かなものなど何も無い
たまには怖がらず明日を迎えてみたいのに
やっぱCメロの歌詞がいい…
6.シドと白昼夢
サビが好き。
あなたの髪を切らなきゃ
真っ黒な其の眼が
あたしの目に光を射てば 呼吸が出来る
あなたには殺されてもいいわ
あなたはあたしじゃなくちゃ
真っ白なほっぺたに
透き通る小さな雨垂れを落としてしまう
あなたには全て許しちゃうわ
美しくない?歌詞
色が入ってる歌詞ってとても綺麗に感じる。
Aメロとサビのテンションの差がまた良いですね。
7.積木遊び
はい、好き〜
ライブでちょくちょく披露されてたサビの振り付けも可愛くて好きです。これバンドでやりたかったな〜
リフとか決めが分かりやすくて きっと バンドでやるととても楽しい曲。
8.ここでキスして。
一気に林檎を有名にした3rdシングル。この曲名だけは小学生の頃の私も知ってた。
現代のシド・ヴィシャスに
手錠掛けられるのは只 あたしだけ
行かないでね 何処に居たって
あたしの思想を見抜いてよ
あなたしか 見ていないのよ
今すぐに此処でキスして
青い〜〜なんか恥ずかしくなってくる〜
だかそれがいい〜
ヒットしたのも納得の 王道ラブソングという感じですね。
9.同じ夜
泣き喚く海に立ち止まることも
触れられない君を只想うことも同じ
空は明日を始めてしまう
例えあたしが息を止めても
アウトロの痛々しいバイオリンからの 警告のギターリフの繋ぎが痺れる!!
10.警告
好き好き。攻撃的なギターリフ。
これもバンドでやってみたかった曲。
朝の訪れを微塵も感じない夜
何がこれ程迄に虚しさを呼ぶのだ?
伸ばした髪も意味ないから
日の出を待ちきれぬまま 鋏を探し出す
あなたは全てを あたしが切っちゃっても効かない
これ聴きながら髪切ると気持ちいいんだよな(ずっとセルフカット派)(病んでるわけじゃないよ)
上手く前に進めずに 不器用に倒れるなら
起き上がる道具ひとつ 持たないで死んで行くわ
殺意だけ仕舞ったら あたしは最後のいま
「機械の様に余り馬鹿にしないで」
って云いたい
ラストサビの後のブレスで終わるのがまた良い。巻き舌唱法が有名だけど、息の使い方も上手いんだよね……
11.モルヒネ
穏やか かつ意味不明な曲(褒めてる)
家には一人で帰ります
あたしには鳥が四羽ついてるので
家には納豆があります
あたしにはグリコゲンもあるし
鳥が四羽?とか深読みをするのはナンセンス。
きっと適当に書いたんでしょう。
まぁ林檎の歌詞は深読みするのもまた楽し。
このアルバムは高校入ったばかりの時に買って聴いてたので
バンド始めたての頃の高揚感を思い出す。
世界が一気に広がったような気がしたあの頃。
本人が「椎名林檎はこういう感じです」と名刺代わりに作ったというだけあって
また「新人に予算はあまり貰えないから」と極力シンプルなバンド編成で挑んだ1stは シンプルだからこそ曲と詞の良さが引き立っている。
近頃の豪華なオーケストラ編成とかもいいんだけどさ、剥き出しのハードロック、パンクっぽい感じが 無罪は1番出ている気がする。かつ昭和歌謡っぽかったりもするから 唯一無二なんだよなぁ〜
子供に何か買ってあげます!