プーヤン【僕たちの勘違い】
1982年にコナミから発表されたビデオゲームです。
それほど有名な作品ではないと思うのですが、アイディア性に秀でたコミカルな固定画面シューティング物の佳作となっています。
先ず特筆すべきなのはポップなグラフィックから作られた世界観でしょうね。
色彩自体は当時のゲームとして見ても平凡の域を出ていないのですが、キャラクターが愛らしくて憎めません。その造形自体もまた並程度のもので大した事はないのでしょうけれど、没個性的な部分に不思議な魅力が隠されているようにも思えます。ヘタウマ絵の安心感とでも云えましょうか。
固定画面の中に絵としての情報が詰め込まれているのも特徴の一つです。
自機であるママが乗るゴンドラ、それを操作する男の子ブータン、小屋や牢屋の中で暢気に構えているのはタイトルに冠された女の子プーヤンとなっています。
敵であるオオカミは風船発生装置を操りプーヤンを捕まえに来ます。或る時は梯子からママを噛み殺そうとしたり(ミスする毎に自機の移動が制限される)、また或る時は崖の上から岩を突き落としてママを殺そうと躍起になります(小さなミスを繰り返す事で大きなミスとなる)。
バルーンボンバーの移動制限とインベーダーの侵略が上手くシステムに組み込まれていると見ても良いかと思います。
当時としては比較的ゲーム性が高く出来上がっていました。
自機ショットである矢が2連射出来る事と、貫通弾である肉の存在が秀逸ですね。
敵の弾が放物線を描くように飛んで来る事や、防御された自機ショットがその真下の敵に当たる融通性も面白い部分です。
ただ詰め込まれたアイディアの為なのかシューティングとしての面白さが希薄となっています。これは現在にプレイしても同様の感を提供していると云えるでしょう。しかしアクションゲームとして捉えるとプーヤンは俄然面白いゲームに変化します。
以前記事を書いたラビオレプスも同様の作品ですね。プレイヤーの受け取り方でゲーム性が変化するのです。この部分には未だ話題にもならず解明されていない謎が含まれているのではないでしょうか。
ゲームデザインとキャラクターは藤原得郎氏となっており、「ロックンロープ」を制作後カプコンに移籍し「戦場の狼」「魔界村」など超ヒット作を連発して行く事になります。
2006.01.27