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【滑稽/Aマッソ】感想
【滑稽/Aマッソ】感想
2023.3.13
一言で表すと、なんとも後味の悪い作品。
何かの作品を見に行くこと自体が久しぶりで、開演前にふかふかの椅子で感じてた期待感とか、暗転したときに上がる心拍数とか。
そういう高揚感を全身で噛み締めてたのに、終演後に残ってたのは気味の悪さだけ。
もちろん上演中ずっと気味が悪かったわけでもなくて、冒頭の一社提供の漫才も、交通事故のコントも最高に好きなネタで、めちゃめちゃ笑った。
クスクスじゃなくてアハハって声出して笑ってしまうので、隣の人が静かに笑うタイプやと邪魔になってないか気になるのは永遠の課題。
鳥風呂のくだりとか最高すぎて、このままブラッシュアップして賞レースに持っていったらいいのに、って素人目線で思ってしまうくらい。
真剣に鳥の構えをしてる愛子の表情も忘れられませんな…下手サイドからしか見れない表情でとてもよかった。
コントでよかったのはまずあいぴーのキャラ。住吉のポテンシャルを感じざるを得ないハマり役。ほんまにおるもんな、ああいう人。アホ全開のキャラをあいぴーにあてたら外れるわけがないのよ。
個人的には多免許もツボだった。多免許ってワード、おもろ。
このネタ2本とその後の映像までは、Affirmationとネタに何の関係があるのかさっぱりで。
団体生活とか、謎の首飾りとか、誓いを唱えたりとか、THE宗教~!!って思って見てたし、街中で勧誘してるAffirmationの信者たちがほほえみマスクを着けてるのも、配られて今私が着けてるマスクと同じや~くらいの認識。
ネタと映像を切り離して考えてたから、その後の合格発表のコントで市子の顔を印刷した紙が出てきたときに、何かで繋がってるんやろうなとは思ったけど鈍い人間なのでこの時点で分かるわけもなく。
ニコニコさんになるための儀式?で死んだ弟のことを詰められたり、きっつー!っていう部分はありつつも、話はどんどん進んでいってコント抽象。
下手のホワイトボードに貼られてる『ルマットおばさんの襲来』のフライヤーは明らかに市子の顔で、またおるやんってなったりした。あとセリフの間が怖いときあるなって思ったり。
この後くらいから雲行きが怪しくなってきた気がする。
多分一番初めにゾッとしたのは、コントと映像のセリフが被ってた部分。
それも普通のセリフじゃなくて、間が怖かったセリフ。
それでもネタと映像がどう関係してるのかはわからず、ただただ不気味な時間が流れていって。
この映像パートはシンプルに心臓に悪かった。
ともみが自分の手にペン刺してるのに笑ってたり、コオロギが轢かれたり。
特にコオロギのシーンは衝撃的すぎて、座席からちょっと飛び上がってしまった。
ビクッ!!!!!くらいの勢いで跳ねてしまったので、周りの人ごめんなさいという気持ちにもなったりした。
書くためにちょっと思い出しただけで気分悪くなってきた…
このパートで気持ちを持っていかれすぎて、その後の映像はあんまりしっかり覚えてない…
市子の夢でコオロギがリアルコオロギになってるのとか、足折られたりとか。
グロシーンもあったけど、私自身が放心状態に近くてただ見てるだけという状態。
それでもまだこの作品の本質を理解してなかった私は、コント『教育ママ』でギャグ連発する愛子に笑ってた。
冒頭のネタほどの笑いじゃないけど、やっぱりネタと映像を切り離して考えてたんやと思う。
それか、切り離して考えたかったのか。
最後のおかんの漫才も始まったときは、おかんやー!って思ってたし、Aマッソのふたりもケラケラ笑いながら漫才してて。
私はすぐ釣られ笑いしてしまうから、ふたりに釣られて初めのうちは笑ってたけど、アルカルクやったりルマットやったりその他もいっぱい分からん単語が出てきて、ふたりのテンションがどんどん上がっていってるのを見て、これ笑うの違う気がする…ってやっとそこで。
我に返ってからはネタも理解できなくなって、ご協力ありがとうございましたで終了。
先述の通り鈍い私は、このときのご協力ありがとうございましたでAffirmationに利用されてたことに気づきましたとさ。
で、でっかい祭壇と、キリストみたいに磔にされてる市子。
そこで起きる笑いと、響き渡る誓いの言葉。
Aマッソの声でも唱えられてて、もうやめてくれ…となって暗転、終幕。
会場出るときにお土産的に完全メシ貰ったけど、正直この後味の悪さはカレーメシとグラノーラじゃ拭い切れん。(美味しく頂きました)
駅に近い出口から帰ったから、白いバンには遭遇せんかったけど、見てたらもうええて…てなってたやろうな…
帰り道は音楽もラジオも聴く気になれんくて、家に帰ってからもテレビつける気が起きんくて、2~3日はすべてにおいて気が重いと感じるようになってしまっていました。
配信を買うかどうかでも悩んで、おかわりしたいところ(特に冒頭のネタ)はあるけど、話が繋がっているとわかった以上はそこだけ見るのも気持ち悪い気がする…でもまたあの気味悪さを味わう勇気もない…みたいな感じで感情迷子になったりもした。
流れを理解した上でもう一回見ることに興味はあるんやけど、感想書いてるだけで気分悪くなるので…見たらまた少しの間親子丼食べられへんくなりそうやし。
今改めて、AIのハピネスの歌詞を見てみた。
君が笑えば この世界中に
もっと もっと 幸せが広がる
君が笑えば すべてが良くなる
この手で その手で つながる
もちろんめっちゃいい歌詞。
けど、滑稽の世界を理解して、転換の時には毎回ハピネスが流れてたことを考えるとゾッとする。
Aマッソ滑稽、最悪で最高の作品だった。
“見た”で終わらせたらダメな気がした作品。
形容しがたいけど、すごいものを見たことには変わりないと思う。
笑顔とは私 楽しいとは私
ああなんて滑稽なんだろう!
らひずみー ふぁにずみー
おーは ぃでぃきあす!