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2023年放送後記⑤「7月PLAYZONE特集月間を振り返る」

 第5回目の放送後記は、少年隊の夏の風物詩・ミュージカル「PLAYZONE」の楽曲を特集した7月放送回について振り返ります。
 今回は、馬場さん・ももさんに加え、他の実行委員の皆さんからもコメントをいただきました。

■放送曲リスト(2023年7月放送回)

―  PLAYZONE特集に当たり、選曲のコンセプトやこだわった部分についてお聞かせください

【第112回(7/6放送):黎明期編】
●オンエア曲
オープニング:『YOROSHIKU!  NEW YORK』
M-1:『Let's Go to Tokyo [New Vocal]』
M-2:『かがやきの日々』
M-3:『パーティーが終わっても』

もも:夏と言えば「PLAYZONE」。これは少年隊のファンの方であれば、皆さん感じている事だと思っていたので、早い段階から7月はPLAYZONE特集にしようと思っていました。
 ただ、23年間という長い歴史の中で発表された楽曲は膨大な数になるため、パートごとに分けることにしました。

 初回にお送りした黎明期は、当初テーマとして”新たな始まり”と考えていたので、初演の1986年「MYSTERY」から1991年の「SHOCK」までの5年間を取り上げました。
 オープニングは、初演の「MYSTERY」から。PLAYZONEとは一体どんな感じなのだろうと観客もドキドキしながら幕が上がるのを待ちわび、初めて舞台に三人が登場した時の一曲『YOROSHIKU! NEW YORK』を。この曲からすべてが始まりました。

 1990年の「MASK」は初めて、ご自身の名前が役名となった作品でした。その中の楽曲から『Let's Go to Tokyo』を。この作品では、ブロードウェイのミュージカル音楽を多く手掛ける重鎮チャールズ・ストラウス氏が、日本のミュージカルの為に初めて曲を書き下ろしてくださったとのことです。
今回は、2020年に発売されたNew Vocalバージョンでお送りしました。90年の上演時には錦織さんのソロ楽曲として収められていましたが、より華やかなアレンジが施され、ミュージカルナンバーとして聞きごたえある一曲です。

 そして1991年「SHOCK」からは、劇中に複数回アレンジを変え登場する楽曲『かがやきの日々』。この曲を含め「SHOCK」には名曲が揃っていますが、サントラ盤は発売されていません。「35th Anniversary BEST 限定盤」で初めて収められた楽曲として紹介させていただきました。

 最後にお届けしたのは1988年「PLAYZONE ’88カプリッチョ -天使と悪魔の狂想曲-」から、『パーティーが終わっても』。この作品は植草さんが主役の探偵見習いを演じ、天使を東山さん・悪魔を錦織さんという配役となった作品。華やかな舞台の最後を締めくくるのにピッタリな一曲です。

 1週目は少年隊のお三方が放つ、華やかさを意識した楽曲を中心にお届けしました。他にも候補はあったのですが、「PLAYZONE」らしい楽曲が並んだのではないかなと個人的には思っています。

左上から時計回りに、オープニング、M-1、M-3、M-2


【第113回(7/13放送):発展期・成熟期編】
●オンエア曲
オープニング:『bite the LOVE』
M-1:『WINDOW』
M-2:『Kirara キララ』
M-3:『Goodbye&Hello ~Reprise~ 』

もも:2週目は少し駆け足となってしまいましたが、1992年以降の楽曲をお届けしようと考えていました。本当は2000年以降で分けようかとも思ったのですが、ソロ特集も入れたい気持ちもあり、1992年以降の楽曲としてまとめさせていただきました。
20世紀中に発表された楽曲が中心となってしまいましたが、多くの方が印象に残っている作品、そして日頃からリクエストも多く寄せられていた楽曲を中心に構成しました

 オープニングは「PLAYZONE '98 5night's」から『bite the LOVE』。非常に人気の高い作品で、初めて青山劇場の宙を舞うという演出も印象的なものです。特にこの曲は楽曲単体としても左右から囁くようなコーラスを聴かせるなど、ファンにとっては嬉しい作りとなっているので、ぜひ手に取って聴いていただきたいナンバーです。

 そして「PLAYZONE ’93 WINDOW」。放送では、錦織さんが”初の恋愛担当が回ってきた”という形で紹介しましたが、それまでどちらかと言うと「悪役」(とはいっても非道の悪役ではないのですが)のカテゴリに入る役柄を時に鋭く、時にコミカルに演じてきた錦織さんに回ってきた「いい役」だった作品でした。残念ながらこの年もサントラ盤の発売がなく、劇場で購入できた『WINDOW』という楽曲のみ。たくさんのリクエストを頂戴していて再びこの機会に紹介させていただきました。美しいバラードで”窓を開けて歩いていこう”という歌詞には勇気づけられる方もいるのではないでしょうか。

 続いて「PLAYZONE ’94 MOON」から、常にリクエスト上位に入ってくる『Kirara キララ』を。東山さんはPLAYZONEの作品を振り返った中で”23作品の中にはいい作品もあればそうでない作品もあった。「MOON」はそうではない作品だった”と語っています。当初の構想から大きく変更されたのが要因のようで、最初の設定のままなら楽しい作品になったんじゃないかと未だに思っているそうですが、アルバムに収められた曲たちはどれも粒ぞろい。特にアルバムの一曲目に収められた『MOON ~MAIN THEME~』とエンディングに収められたこの『Kirara キララ』は同じメロディでアレンジと歌詞を変更したもの。趣を変えて同じ曲で他の楽曲を挟んだ構成は粋な感じさえ覚えました。

 放送では窓を開けて空を見上げながらお聞きくださいとしましたが、『WINDOW』『Kirara キララ』はともに美しい楽曲で、お休み前の夢のひと時にはピッタリなナンバーだと思います。

 そしてこの日のラストは「PLAYZONE 1999  Goodbye&Hello」からエンディングを飾った『Goodbye&Hello ~Reprise~』を。メインテーマの曲をアレンジしまったく違った印象にしてしまうのは、まるで衣装替えや舞台転換のようですよね。

 2週目は1992年以降の発表曲の中から、リクエストも多い名曲達の数々をお送りしました。欲を言えば2000年以降の作品からもピックアップしたかったなと思いましたが、それはまたの機会に。

左上から時計回りに、オープニング、M-1、M-3、M-2


【第114回(7/20放送):ソロナンバー特集】

●オンエア曲
オープニング:『Believe』(植草ソロ)
M-1:『Super Star』(植草ソロ)
M-2:『デビル イン ユア ハート』(錦織ソロ)
M-3:『狂いかけた歯車』(東山ソロ)

もも:3週目は2000年以降の楽曲とする予定でしたが、ここまで3人で歌う楽曲が中心だったため、ソロで歌われた曲をお送りしました。

 まず植草さんは、2002年発表の「PLAYZONE 2002 愛史」 から『Believe』を。そしてPLAYZONEで何度も歌ってきたという『Super Star』(「PLAYZONE '90 SHOW劇 MASK(仮面)」から)をお送りしました。
スーパースターの植草さんの甘い歌声に癒され、おおらかな笑顔にいつも元気をもらえます。ちなみにこの曲順、2008年のPLAYZONEファイナルの植草さんのソロコーナーと同じ順番にしてみました。気づかれた方はいらしたでしょうか。

 そして錦織さんは、なかなか放送することができなかった『デビル イン ユア ハート』を、「PLAYZONE '88 カプリッチョ -天使と悪魔の狂想曲-」からお送りしました。印象的な悪魔という役柄がそのまま飛び出してきたように、”人間の心の影(ダークサイド)を解き放とう”という悪魔の囁きが歌詞にふんだんに盛り込まれていますが、美声のおかげでうっとり聞いてしまった方も多いかもしれません。なかなかかかることが少ない一曲という事でお送りしました。

 東山さんのPLAYZONEでの代表的ソロナンバーといえば、『千年メドレー』がありますが、今回はあえて違う曲を選んでみました。「PLAYZONE 2000 “THEME PARK”」からご紹介した『狂いかけた歯車』は、圧巻のパフォーマンスを披露したダンスナンバー。場面が変わるように楽曲の雰囲気もガラリと変化し一つの楽曲なのにまるでメドレーのよう。個人的には、”千年メドレー再び!”というサブタイトルをつけたいくらいです。
 PLAYZONE23年間の中でたくさんのことにチャレンジし、鍛錬も重ねてきたことと想像できますが、中でも東山さんの歌声は年を重ねるにつれて、ふくよかさを増していきました。そんな東山さんのボーカルをもっともっとたくさんの方にも聞いてもらいたいという気持ちを込めて、30代の歌声を紹介させていただきました。

左上から時計回りに、オープニング、M-1、M-3、M-2


ー 制作時・収録時に感じたことを教えてください

もも:23年間の歴史をお送りするには正直時間が足りないと思いましたが、少しでも23年間という長い時間をかけてきた「PLAYZONE」の世界を知ってもらえたらと思いました。
 聴いていただいている皆さんはもちろんですが、制作スタッフの皆さんにも”こんな事があったんだよ”と伝えられたらと思い、曲や作品にまつわるエピソードを今回は多めに入れたつもりです。収録を通じて”この作品を見て見たいな~”と思うものがありましたら遠慮なく言ってくださればDVDをお持ちしたいと思います(笑)

ばば:台本制作の時、オープニングを曲先行にするか、タイトルコール先行にするか、全体の秒数を計り、バランスを考えながらオープニング曲のイントロを繰り返し聴いて考えます。このところ、楽曲の予想をされている方を意識してか、こちらの方がわくわくするなと感じて、曲先行にすることが多くなったように思います。 そうすると、タイトルコールを良いタイミングで入れるのが難しくなるのですが、1週目のオープニング「YOROSHIKU!  NEW YORK」も2週目のオープニング「bite the LOVE」もとってもよい按配に、カッコ良くできて嬉しかったです(ミキサーさんとコンマ○秒の細かなタイミングを綿密に打ち合わせて、むっちゃいい感じに仕上げてもらっています)。

ー 実際に放送を聴いてみていかがでしたか

もも:今月の放送の一曲目は絶対にこの曲と決めていたのが「YOROSHIKU! NEW YORK」だったので、ポスト(ツイート)でも反応していくれたのが嬉しかったです。
 あとこのところ、前日の告知ポスト(ツイート)の写真から当日どの曲がかかるかというチャレンジをされているリスナーさんがいらっしゃいます。収録風景から見えるCDジャケットと告知の内容から楽曲を予想してくださっているのですが、告知を作成している担当者が“全問正解にはさせないぞ“との意気込みで絶妙にジャケットチラ見せの写真を選んで文章を考えているので、ぜひ他の皆さんにも参加してもらえたら楽しいなと思います。


ばば:
PLAYZONE特集1週目は、初期の頃にリアルタイムで楽しんでいた私にとっては嬉しい選曲でしたね。ラストの『パーティが終わっても』は 15 分番組に入れ込むのは実はとても難しい曲だと思っているのですが、頑張りました! いかがでしたか?
 そして特集2週目のM-2『WINDOW 』をお送りするのは、番組が始まってから確か 2 回目。 ”そろそろどう?”と、ももさんに言い続けていたので、これも嬉しかった。『WINDOW』『Kirara』としっとりときたところへ、ラストに華やかな『Goodbye&Hello~Reprise~』で締めるのはももさんらしいな、とニ ンマリしましたね。


ー ここからは、他の実行委員の皆さんにも、制作時・収録時のエピソードや、放送を聴いてみての感想をお聞きします

◉Q&A担当:PLAYZONE特集ということで改めて聴き返してみると、本当に多種多様な曲があるのだなと感激しました。私自身は、PLAYZONEは一度も観劇したことはありませんが、みなさんの思い出の一曲はありましたでしょうか?思い出とともに放送を楽しんでいただけていたら良いなと思います。

◉校閲担当:
台本の校閲と前日告知のポスト(ツイート)を作成しています。23年間という長い歴史をギュッと凝縮した特集はどの回も聴きごたえがありました。個人的には、特集2週目の『WINDOW』と『Kirara』をフルコーラスで聴ける構成がとても贅沢に感じました!
 前日告知は、放送する楽曲を予想してくださるリスナーさんがいらっしゃるので、収録風景の写真を選びつつ予想を楽しめるようなお知らせになるように考えています。特集3週目のソロ特集の際は、楽曲のヒントになるような文章を散りばめた告知にしたところ、その意図を読み取って予想してくださった方もいらしたので嬉しかったです。

◉会計担当:リモートで収録に立ち会わせてもらっています。内容確認としていつも事前に台本を見ていますが、今回の特集に限らず、台本の文章が藤川アナウンサーの声で立体になる瞬間の鮮やかさはいつもながら見事としか言いようがありません。
 また、放送時間にX(旧Twitter)で曲紹介をするポスト(ツイート)の文章を作成しています。PLAYZONEはすべての曲に映像が伴っているので、できるだけ曲の前後の場面の映像を見直してから書くようにしていましたが、思わず長時間見入ってしまうことも多かったです(笑)

◉デザイン担当:ラジオ収録時にスタジオにいる実行委員に収録風景の撮影をお願いしているため、写真の確認も兼ねてリモートで収録に立ち会うようになりました。
 現場で藤川さんのナレーションの速度を確認し、イントロやジングル等で細かく調整していく様子や、古い音源で苦労している場面(初期のCDは音圧がイマイチだったり、古いレコードは音に歪みが生じることがあるので、どの曲も同じクオリティで電波に乗せられるようにアレやコレや苦労している様子)をイヤホンで聴きながら、現場から送られてくる写真をオンタイムでトリミングなどの調整をしています。
 4曲分のジャケットが並んだときの見え方を考慮して写真を選んでいますが、PLAYZONEのジャケットはデザイン的に少年隊のアルバムだと解らないものが多いのでいつも見せ方に悩みますね。

今回の放送後記から9月末まで毎週更新予定です!
⭐︎お楽しみに☆


※2023年のディスコグラフィーを公開しています。もう一度聴きたい曲がありましたら、ぜひリクエストをお願いします★
<リクエストメールアドレス>
show@obc1314.co.jp