2023年放送後記⑫「38周年おめでとうスペシャルを振り返る」
第12回目の放送後記は、先日12/8(金)に放送した「38周年だよ少年隊!おめでとうスペシャル」について振り返ります。
今回も、ももさん・馬場さんに加え、他の実行委員の皆さんからもコメントをいただきました。
■放送曲リスト(2023年12月特番)
◉選曲構成・もも
ー選曲のコンセプトやこだわったところはありますか
今回は、『今だから聴きたい少年隊』というテーマでリクエストを募集させていただき、450件を超えるリクエストの中で上位に入っていたものを中心に構成しました。
個人的な裏テーマは『絆とその先に続く未来へ』。
お三方の絆はもちろん、少年隊とファンの確かな絆を感じながら続く未来へ希望を持てるように。そんな思いを持って選曲しました。
特番ではいつも『華やかなSHOWTIME』を意識して、コンサートのように少し意外性のある編集をしています。今回もそこは同様にして、3つのメドレーを作りました。
まず、オープニングメドレーは賑やかに。常にリクエスト上位に来る曲で気分が上がるよう意識しました。
「1998-星の彼方へー」はこれから始まる夢の世界への扉を開けるような気分を。
「Oh!!」と「Baby Baby Baby」はお三方が華やかに踊っている姿を思い浮かべて頂けたらいいなぁという思いを込めて。
そしてそのあとに続いたメドレーは、少年隊の冬ソングメドレー。
少年隊にはたくさんの冬ソングがあります。定番曲のほか、懐かしい曲などを織り交ぜ、キラキラで寒い夜でも温かい気持ちになれるようなウインターソングで構成しました。
まずは、せっかくの金曜の夜に放送ということで、錦織さんのソロナンバーである「FRIDAY NIGHT」を。この曲はラブソングですが、自分自身のままでいいんだよという、そっと背中を押してくれる曲でもあります。
そしてクリスマスももうすぐということで、植草さんのソロナンバーは「どんなにいいかもネ!」を。この上なくハッピーな気分を味わえる一曲です。
冬の定番ソングであるシングル2曲は「ABC」と「湾岸スキーヤー」を。
そして他の番組でなかなかかかる機会の少ない「いちばん小さなプラネタリウム」と「Especially Day」も、冬ソングメドレーに入れました。
この2曲はひそかに設定したテーマを意識した選曲です。
「いちばん小さなプラネタリウム」に込められた ”夢をかなえて・夢を捨てないで” というメッセージ、「Especially Day」の歌詞にある ”これからもずっと 離れずに もっとたくさんの 同じ景色を 想い出を 2人で作ろう…"。時に長い空白時間もあった38年の道のりを経て聴くと、今後も離れず寄り添っていたら同じ景色が見れるのではないかなという希望を込めました。
メドレーとメドレーの間にはしっとりとした曲を。ここに持ってきた楽曲は、東山さんのソロナンバーで一番リクエストの多かった「HEARTS」。リスナーさんの思い出の武道館コンサートのエピソードは、当時のコンサートでこの曲の間奏部分に入れていた錦織さんの語りを意識して、同じ場所に藤川さんに紹介してもらいました。
そのあとにお送りしたのは「君がいたから」と「Because」を。
色んなことがあった2023年。気持ちも落ち込むことが多かったと思いますが 、”時が来たら迎えにゆくから” という「君がいたから」から、"5年後の約束"と歌う「Because」がまるでアンサーソングのように感じて、少し時間がかかるかもしれないけれど希望だけは持っていたいなという思いを込めて並べました。
しっとりした曲の後は、後半戦にむけて気分をあげて頂きたかったのでダンサンブルなナンバーに。皆さんのリクエストの中から、『前へ進もう』というメッセージ性の高い楽曲を中心に構成したメドレーにしました。
今回のリクエストは、過去の特番リクエストと比べても特に強いメッセージを放つ曲が多かったように感じました。
メドレーの中に「誘われてEX」のイントロ・アウトロを入れていますが、もともとはこの曲も含めた構成でした。しかし、作り上げた時に時間がかなりオーバーしてしまい、泣く泣くカットしたものの、どうしてもあきらめきれずせめてイントロ部分だけでもと思い、残したものです。
他にもダンサブルなナンバーがたくさんあるので、いつかまたメドレーを作る機会があればいいなと思います。
「ONE STEP BEYOND」の一歩ずつ前進する気持ち、「サクセス・ストリート」の ”見てろいつかは” と上を目指す気持ち、”諦めたら夢はthe end”と歌う「Never give it up!」のあきらめない思い。それぞれの曲に寄せられたリスナーさんからのメッセージはどれも前向きで、先へ進もうという思いがあふれていました。
また、デビュー記念日で聴きたい曲といえばやはり「仮面舞踏会」。今回は放送の尺の都合上短く編集したのですが、そうすると東山さんのソロ歌唱部分を削ってしまうため、実はこっそり入れ替えています。気が付かれましたでしょうか?
エンディングに向けてラストは3曲。
まず最初に選んだのは、「こわがらないで、天使(エンジェル)」。リスナーの皆さんからは大きな決断をされた東山さんへのメッセージが多かったのですが、今は私たちの描いていた夢の形とは違っていてもこわがらないでいいんだよというメッセージとして、『TIME-19』に収録されている東山さんのソロバージョンを選ばせていただきました。
そして今回一番リクエストが多かった「想-SOH-」は、シングルバージョンではなく、『PLAYZONE2006 Change』に収録されているオリジナル・サウンドトラックバージョンからお送りしました。
まさに今回の番組テーマのような曲です。痛みも涙も 優しさの糧になること。時間がかかってもいつか分かり合える・・。発売当時はセールス的にもそこまで脚光を浴びた曲ではなかったかもしれませんが、時を経てたくさんの人が素敵な楽曲と言ってくれることは本当にうれしいですし、まさに時間が経って分かってもらえることってあるのだなと感じます。今起こっている様々なことも糧となって、いつか分かり合える時が来る・・そう信じたいと思います。
最後の楽曲は「See You Again…!」を選びました。あの名曲「星屑のスパンコール」や「グッバイ・カウント・ダウン」などエンディングにふさわしい曲は他にもたくさんありますが、今回のエンディングはこの曲にしようと選曲で一番最初に決めた曲です。
”来年もまたここで” という前向きなフレーズはもちろんですが、”今度最初の幕が上がる その時まで それぞれに 磨きかけて” このフレーズはお三方だけではなく、いつかその日が来た時に、『やっぱり少年隊すごいな!少年隊ファンも素敵だな!』って思ってもらえるように、私達ファンも磨きをかけていきましょうという気持ちも込めました。
この番組では、『夢の世界を一緒に過ごす』を大事にしてきたつもりなので、今までも大きな出来事に対しては番組内であえて触れてこなかったのですが、今年最後の放送となる今回だけは伝えたいなと思うことを台本に入れました。
形は変わろうともお三方の絆も、私たちの絆も変わらないということ。そして声高に叫ぶわけではないですが、またいつか会える日を待っている仲間がたくさんいるということが伝わればいいなと思い、藤川さんに託しました。
書いた台本は実行委員全員がチェックをして、その後ラジオ大阪さんにお送りして収録するのですが、今回の台本に誰一人『このことには触れない方がいい』と止める人はいなかったこと。むしろ『今誰も言わないことを発信できるのはこの番組だけ!』と背中を押していただいたことは感謝しかないです。
今回は本当にメッセージ性の高い曲が多くリクエストされていたのは、きっとたくさんの皆さんが同じようにこの状況を前向きにとらえようと頑張っていらっしゃるということの表れなのかなと感じました。耳を塞ぎたくなるような、目を覆いたくなるようなニュースの中、これだけ少年隊が大好きで3人を応援しているファンが大勢いることを伝えたいという私を含めたファンの強い気持ちをきちんと反映できていればうれしいです。
ー制作時・収録時に感じたことを教えてください
今回は、産みの苦しみとでもいうのか、なかなか選曲にも構成にも手が付けられず、自分の中では過去一番に苦しい制作でした。
大切なデビュー記念、そして大きな環境の変化もある。そして色んな番組で少年隊を特集してくださる中で、この番組でできること、この番組でしかできないこと・・・。
色んなことを考えていたら時間ばかりが過ぎてしまい、正直公式のXで毎日特番のお知らせのポストが流れるたびに胃が痛くなる日々(笑)
台本を作る前に、一度選んだ楽曲を全部つなげてイメージ音源を作成し、その後イメージ音源を流しながら台本を音読しながら調整する。頭の中で藤川さんならどんな感じで読んでくれるかなと考えながら。
何度も何度もイメージ音源を作っては消してを繰り返してようやくできたのは収録の2日前でした。
ようやくできた構成と台本を読みながら頭の中ではかなりいい感じにイメージしながら収録に臨んだつもりでしたが、レギュラー放送が終わってから本当に久しぶりだったので、最初は緊張してしまいました。
でも藤川さんのいつもの穏やかで真摯な語り口は、やっぱりイメージ通りで、スタッフの皆様とも久しぶりだったのですがいい時間を過ごせたと思います。
最後に改めて。
少年隊の皆さん、デビュー38周年本当におめでとうございます!
◉発起人・馬場
レギュラー放送が終わってから少し経つので、いつものリズムがなかなか戻らず、選曲構成のももさんは苦労されたのではないか・・・と思いきや、最初に提出いただいたオープニングミックスを聴くと、2か月の空白を全く感じさせないものでした。これから始まる60分のわくわく感を高める秀逸の幕開けになったのではないでしょうか。
前回の特番ではずいぶん勝手なお願いをし、私の意向を反映していただいたので、今回は思う存分やりたかったことをやってもらえるようにと思っていたら、オープニングから中盤にかけても、時間の過ぎるのも忘れてしまうような流れ!収録をしながらその躍動感を味わっていました。
この番組を始めるに当たって、藤川さんにはタキシードを着てエスコートをするつもりで話してほしいとお願いした話は以前にもしました。
実は、前回9月のフィナーレ特番のラスト、藤川さんのフリーのコメントの時に、タキシードを脱いでお話になっていいですよと伝えたのです。最初はラフな感じで話し始めた藤川さんでしたが、途中からいつもの藤川さんに戻った様子でした。後から聞くと、やっぱりちょっと違うなと思ってタキシードを着直しましたと。
今回も藤川さんはビシッとタキシード姿で最後まで決めてくれました。
皆さんからのメッセージの一つ一つ、”今度、最初の幕が上がる” その日が来ることを祈って・・・と言うラストコメント、全てに共感する今回のおめでとう特番。みんなと一緒なら、希望を胸に抱くことができると信じられる時間でした。
制作時・収録時に感じたことではなく、放送後のただの感想になってしまいますが、みんな一緒に聞けることの幸せを改めて感じました。お聴きくださり、ありがとうございました。
-ここからは、他の実行委員の皆さんにも、制作時・収録時のエピソードや、放送を聴いてみての感想をお聞きします
◉Q&A担当:9月末で通常放送が終わってから、約3か月ぶりの番組制作となりましたが、実際は10月の上旬からミーティングを開いて準備を始めていました。
12月12日のデビュー記念日をお祝いする特番なので、皆さんにとって楽しくお祝いする気持ちになってもらいたいとの思いで作りました。
収録当日は久しぶりの収録だったこともあり、少し手間取る場面もありましたが、藤川アナウンサーの変わらぬ優しい声をお聞きしてほっとしました。
色々なニュースが飛び交う昨今、このひと時が、皆さんにとって温かい時間になっているといいなと思います。
◉校閲担当:久しぶりの特番。リクエスト募集・お知らせのnoteやXのポストを作成しながら、まだ数か月しか経っていないはずなのにとても懐かしい気持ちでいっぱいになりました。特番の一報にリスナーの皆さんが喜びの反応をたくさんしてくださり、改めて気持ちが引き締まりました。
今回は構成も台本も、今まで以上に熱い想いにあふれていたように感じます。特にメドレーの曲繋ぎや編集が圧巻で、心のギアがグッと加速してワクワクが止まらなかったです。個人的には「Oh!!」のサビからAメロへの転換、「FRIDAY NIGHT」から「ABC」に変わる瞬間、「サクセス・ストリート」から「ダイヤモンド・アイズ」への流れは、お気に入りすぎて何度も聴いてしまいます。
秋から様々な出来事が続いて、正直少年隊の曲を一人で聴くことが辛くなったこともありました。でもラジオを通して少年隊ファンの皆さんの熱い想いに触れ、ひとりじゃないんだと勇気づけられました。
希望を持って前に進む力を共有できたひとときを、本当にありがとうございました。
◉会計担当:今回の主な仕事はリクエストフォームの作成と集計。
レギュラー放送終了後2か月ぶりの特番ということもあって、いつにも増して想いの詰まった熱いメッセージをたくさんお寄せいただきました。
少年隊の音楽にときめいた思い出や、癒されたり力づけられた経験、そして何より今現在も励まされているということなどが熱く綴られていて、集計作業中にもそうしたメッセージが添えられたリクエスト曲を頭に浮かべて涙腺がゆるむ場面もありました。
それはもちろん、放送をお聞きいただいたみなさんにも伝わったかと思います。
『ファンが作る』は、ファンの出資でできていることやスタッフがファンであるということだけでなく、こうしたメッセージやリクエストを寄せてくれる皆さんはもちろん、SNSなどで盛り上げてくれるすべてのリスナーさんと共に作っているという意味なんですよね。
以前から分かっていたことですが、改めて身に染みた今回の特番でした。
◉デザイン担当:収録の日が近づいた頃、選曲構成のももさんから提案されたセトリを見た瞬間、まだ台本が出来上がってもいないのに少年隊ファンの熱いメッセージが聞こえてくるような感覚を覚え、今までで一番放送が待ち遠しかったです。デザイン面では、夜の特番は久しぶりなので星空にライトアップされたクリスマスをイメージして、3人のメンバーカラーで作成しました。実は東山さんの引退宣言が悲しすぎて初期案(画像左)はかなり黒寄りでしたが、3人の明るい未来を信じて華やかに仕上げました(画像右)。
1か月間に4回変わった動画バナーは、少しずつ飾りのパーツを増やして3本目の動画で飾りつけを完成させたのですが、たぶん誰も気づいてないはずです(事後報告)。
いろいろあった2023年。
それでも『好き』で『応援したい』という気持ちを丁寧な言葉で伝え続け、心に炎を灯し続ける少年隊ファンのリクエストとメッセージにこめられた想い。まっすぐな愛を全身に浴びて、直前まで沈んでいた気持ちが一気にアガる放送回でした。
※収録のときは、2ヶ月ブランクがあったせいかいつもよりもピリっとした空気でしたが、最初から最後まで完璧な仕上がり。プロの技を堪能しました。
お読みいただきありがとうございました!
※2023年のディスコグラフィーを公開しています。