#0:マレーシア行きプロローグ
こんにちは、ババかずおです。
マレーシアで働く妻、現地インター校に通う子を家族に持ち、居残り一人家長として日本で働きながら暮らしています。妻と子がマレーシアで生活を始めるまでの当時様子を綴っていくシリーズ、スタートです。
さて、まずここでは妻が一人出国ゲートをくぐったあの日に時計の針を戻し、当時の情景、感情、そして子どもと二人で過ごした日々を少し振り返りたいと思います。
どんどんと後頭部と共に薄れて行ってしまう記憶、少しでもその毛がかりが残っているうちに。いつしか子どもが「お父さんと2人きりで生活したことなんてあったっけ?」と忘れ去ってしまっても、しっかりここで帳簿をつけて置こうではないかとの魂胆です。
今になって振り返ると、それは私たち家族にとって、象徴的な日となったのは間違いありません。その日は、何かが終わるようで始まるような、希望や反省が交じり合うような、まるで大晦日に感じるフワフワとした高揚感。「きっと、これがいつも通りではなくなるんだろうな」という思いから生じる、日常との距離感の微妙なずれ。努めていつも通りに朝食をとり、いつもの通りを行き、いつもの曲を流す。何だかいつも通りをなぞりすぎることで感じるぎこちなない日常。けど、それは非日常ではない。
今夜自宅に戻るときには、妻はいない。明日の朝のベットには、一人分の温もりしか残らない。そんなおセンチなことを無駄に考え、感情に浸りながら、送りの車を走らせる。
もしかして、あの時私は自分のことを孤独だなぁ、なんてことを思っていたのだろうか。もしくは健気な夫で父親だなぁと自分を慰めていたのだろうか。正直なところあまり覚えてもいないし、今となってはそんなことはどうでもいいことだと思う。
とにかく「妻のDeperture」から始まる私たち家族のストーリー。これを何回かに分けてご紹介していこうと思います。いざ書き始めると、感傷的な文章になってしまうのだろうか。ありもしないかさぶたが、うずくような心持にでもなるのだろうか。まあ、どんな過去の感情や情景だって、時間と共に少しは浸る甲斐ある、気持ちの良いものにはなっているはずだ。
そんなこんなで、ここまでをプロローグとして、ストーリーを進めていきます。
それでは、次のNOTEで
ーババ かずおー