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初めてのマイカーはマレーシア国産車④【完】

カーシェアではなく、リースでもなく、中古車でもない。そして新車へと選択肢を絞り込み、何だかんだと言い訳がましくマレーシア国産車を選択するところまでを前回書き綴った。


マレーシア国産車

マレーシア国産車の「Perodua」「Proton」と聞いた日本人で憧れを抱く人は、よほどの「物好き」に違いない。「あぁ、マレーシアの車でしょ」と答えることが出来る人は「車好き」の類ではなく、「マレーシア」「東南アジア」と何かしら縁をもっていたり、それこそ自動車関係のお仕事をしている方くらいではないだろうか。

さて、日本人は知らないとはいえ、どれほどマレーシアでは認知されているものなのか、少し統計とその特徴を紹介したい。一部は以下のJETROの記事から。

Perodua(プロドュア)

  • 1993年に設立されたマレーシア第2の国民車メーカー

  • 2023年の販売台数は40万台以上で、市場シェアの約4割を占める。

  • ダイハツ工業との合弁会社(現地企業との共同出資)

ダイハツとの合弁による品質への信頼、そして価格も手頃感があり、マレーシアでの販売シェアはトップ。特に強みとしている小型車では圧倒的。確かにGrabでもPedoduaが多いし、街中で走る車を見ても、シェアトップというのは間違いない。

Proton(プロトン)

  • 1983年に設立されたマレーシア初の国民車メーカー

  • 2023年の販売台数は33万325台で、市場シェアは18.9%

  • 2017年、中国メーカーの「ジーリー(中国・吉利汽車)」傘下

かつては品質イメージが悪かったようだが、ジーリーとの提携によって品質やデザインが改善してきているらしい。ジーリーと聞いても全くピンとこなかったが、あの「ボルボ」も2010年から傘下だ。一昔前はボルボと聞くと、おじさん臭いというかなんというか・・・古臭いイメージを持っていたが、ここのところデザインも洗練され、かっこいい。なかなかジーリーはやり手なのかもしれない。

なお、Pedodua、Protonと共に「国民車」と表現される。あまり聞き馴染みのない言葉だが、要するに「国が直接または間接的に関与して生産される大衆車」のことらしい。

相棒は「Proton」になる

上述した2大メーカーの情報は、こうして私がnoteを書くために調べたモノで、その購入当時の妻も私も、何なら妻は購入からしばらく経った今でもそのほとんどを知らないと思う。妻はそういうことには無頓着だが、結果的に「我がProton」を溺愛している。

当初、妻は街中で一番目にし、そして低価格で購入できると聞くPeroduaの販売店に行ってみたそうだ。そこには中華系の女性販売員が手際よく、納車まで時間がかからない車種ラインナップを紹介してくれたという。ただ、そのカラーがグレーで「まるで営業車のようだった」とのことで、どうしてもそれを選択する気にはならなかったという。

妻の希望納期は1か月。他の方のブログなどを見ると、新車の場合は半年待ちとかもあるといった情報もあり、無茶な要望なんじゃなかろうか、と傍から見て思っていたのだが。

そこで妻は徒歩圏にあったProtonの販売店に行った。なぜ最初に近くにあるProtonに行かなかったのかというと、それはかつてのイメージ、品質や燃費があまりよくないといったことを同僚から聞いていたからだという。ただ、販売店で並ぶ車を見ていい意味で当初のイメージを覆される。そこには想像以上に洗練されたデザインのモデルが並んでいたのだった。

予算内の価格に収まるモデルで、デザイン、色とも悪くない。
そして、納車まで2週間だという。即決だった。

納車日は家族で徒歩で

納車式に立ち会うために私もその2週間後にマレーシアに飛んだ(ちょうど子どもの学校の大きなイベントに合わせていく予定だっただけだが)。

納車日、野生ワンコに注意を払いながら、徒歩でProton販売店へ家族で向かった。こじんまりとした販売店ではあるが、アットホームな雰囲気があり、心地のいい店内である。これから妻の相棒となる車には、大きなリボンで装飾され、これからの妻と子のマレーシア生活の前途を明るく演出してくれていた。

「お、かわいい車だね。」

これが初めてその車を見た時の私の言葉である。

その後の妻と子のカーライフ

車を持ってから、妻のマレーシアでの生活は激変した。もともと外に出るのも億劫な生活環境だったが、運転が好きな妻としては「出かけるために車を出す」のではなく「車を運転するために出かける」ことにより、とにかくフットワークが軽くなった。

現地の交通ルールに慣れるまでは交通量の激しいところは避けていたが、今ではKL中心部だろうが、ごちゃごちゃしたローカルシティだろうが、ド田舎だろうが、どこにでも車を走らせる。妻が車を持ったおかげで、私もクアラルンプール国際空港でgrabを呼ばなくて済んでいるし、そのままの足で朝食にDimsum(点心)を食べに行くことも出来るわけで。

妻を見ていると思う。人はいつからでも変われる、慣れる、逞しくなれるのだと。

マレーシアで出会ったdimsum(点心)たち

それでは、次のNOTEで
ーババかずおー

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