スワップポイントが毎日変動する要因。為替レートだけじゃない
この記事では、FX歴10年の私がスワップポイントが毎日変動する要因を解説します。
スワップポイントの変動要因は3つで、
・政策金利
・為替レート
・FX業者補正
です。
だいたいは政策金利で決まる
と知っていれば、スワップポイント投資はできますが、詳しく知るに越したことはありません。
そこで今回は、スワップポイントの変動要因や計算式をまとめていきます。
実際のスワップポイント推移と比べ、計算値がどのくらい正しいかの確認も行っています。
スワップポイントの変動要因
スワップポイントは、毎日変動します。
それはスワップポイントが
①通貨の政策金利
②為替レート
によって決まっているからです。
※FX業者補正については後述
政策金利はたまにしか変動しませんが、為替レートは毎日変動します。
なので、スワップポイントが毎日変動するのです。
スワップポイントの計算式は、
スワップポイント=10,000通貨×政策金利÷365日×為替レート
①政策金利、②為替レートが変数になっています。
たとえば政策金利が2%、為替レートが100円の通貨なら、
スワップポイント=10,000通貨×2%÷365日×100
1万通貨持っていると、1日あたり約54.8円のスワップポイントです。
①政策金利による変動
スワップポイント=10,000通貨×政策金利÷365日×為替レート
政策金利は、国の中央銀行が一般の銀行にお金を貸し出すときの金利。
その通貨につく金利は、これを元に決められます。
スワップポイントも、買った通貨の国の政策金利によって変動。
政策金利が上がる=スワップポイントも上がる
政策金利が下がる=スワップポイントも下がる
という関係があります。
通貨の政策金利が1%から2%になれば、スワップポイントは2倍。
通貨の政策金利が1%から0.5%になれば、スワップポイントは半分になります。
政策金利は丸1年変わらないときもありますし、毎月変わる時期もあります。
各国の政策金利については、外為どっとこむの一覧をブックマークしておくと便利です。
②為替レートによる変動
スワップポイント=10,000通貨×政策金利÷365日×為替レート
為替レートによっても、スワップポイントは変動します。
為替レートが100円から125円になれば、スワップポイントは25%増えます。
100円から75円になれば、スワップポイントは25%減ります。
スワップポイントの推移
これまで書いてきた変動要因・計算式でスワップポイント推移がどれくらい説明できるか、確認します。
スワップポイント推移(ドル円)
ドル円1万通貨、1日あたりのスワップポイントとレートとの推移を、グラフにしました。
オレンジ線はスワップポイントの推移、青線は為替レートの推移。
期間は、2017年8月~2019年7月までの24ヶ月です。
最初と最後を比べると、
となります。
(※1万通貨の1日あたりスワップポイント=10,000×政策金利÷365×為替レート にて計算)
少しのズレはあるものの、スワップポイントが政策金利を要因として変動したのが分かります。
スワップポイント推移(NZ円)
ニュージーランドドル円1万通貨、1日あたりのスワップポイントと為替レートの推移です。
オレンジ線はスワップポイントの推移、青線は為替レートの推移。
期間は、2017年8月~2019年7月までの24ヶ月です。
最初と最後を比べると、
となります。
これは、2019年7月のスワップポイント実績が計算値より5円以上低いためです。
このズレは、スワップポイントのもう一つの変動要因によるものです。
もう1つの変動要因
計算値と実績値のズレの正体は、FX業者による補正です。
スワップポイントは計算できますが、FX業者はスワップポイントを自由に決められます。
これまで政策金利と為替レートから計算してきたスワップポイントは、あくまで参考値なのです。
FX業者がスワップポイントを計算値より高くすると、利益が減りますがユーザが増えます。
スワップポイントを計算値より低くすると、利益が増えますがユーザが減ります。
FX業者は、他の業者との競争などを考えながらスワップポイントに補正を加えています。
すべての変動要因を踏まえて、あらためてスワップポイントの計算式を書くと、
スワップポイント=10,000通貨×政策金利÷365日×為替レート±FX業者補正
(1万通貨、1日あたりの値)
となります。
変動要因は3つで、
・政策金利
・為替レート
・FX業者補正
3番目の値は、ユーザーにとって不明の値です。
つまり、FX業者の提示スワップポイントは、計算のみでは正確に説明できないのです。
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