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ゴミは誰のもの

この1ヶ月くらい、うちの町内班のゴミステーションが荒れた。
それまでは、ごくたまに収集車に持って行ってもらえない袋がある、という程度だった。(分別の要項を守っていない袋は持って行かない。ちゃんと分別してからまた出してね、というココロだ)

それが1ヶ月前くらいから急に、残っている袋が増えたのだ。
理由が書いてある黄色い紙が貼ったまま、ずっと残されている。
「燃やせないゴミ」でビン・缶類なのだが、臭っていて、出すたびに不快だった。
だからといって、誰が出したかもわからないゴミをちゃんと分別し直すようなボランティア精神は私にはなかった。班のだれにもなかった。
やがてそこに、裸のままのたばこの吸い殻がポイ捨てされる。
これはおかしい。絶対、住人ではない。
ここにゴミステーションが設置されて以来初めての状況だ。

タバコの吸い殻。空き缶の大袋。しかもその缶にも吸い殻が詰まっている。
思い浮かんだのは、すぐ近くにできた工事事務所だ。
家が建つようだが、ここしばらくは敷地の整備をしていてつい先日それが終わった所だった。
うーーーん。
工事関係者を連想するのは、あまりに短絡的だと思ったが、住人としてはほかに考えられなかった。
でも証拠があるわけじゃなく、なんとなくモヤモヤしながら過ぎた。

すると、お隣さんも同じように思っていたようで、夫とお隣のご主人がこれについて話をしたようだった。
そして市の関係者に連絡をとってくれた。お隣は市役所を定年退職したご夫婦でもあり、話の通りは良かったようだ。

その日のうちにゴミ収集車が来た。
しかも、職員さんが5人くらい、見えた。
1時間ほどして、帰って行ったが、そのビン・缶のゴミ袋はそのまま残っていた。
「結局あのゴミはあのまま?こっちで処理しろとか?」と立ち会いから帰って来た夫に聞いてみた。
「いやいや、ゴミ収集の人5人がかりで、あの缶を1個1個あけて、中の吸い殻を出して、収集できる状態にして置いて行ってくれたんだ。5人で1時間かかってた。吸い殻が一輪車一杯になったよ!」

蒸し暑い小雨の中、ほんとに、ご苦労様です!
頭が下がるとはこのことだ。
それから、無責任に捨てた人たちにメラメラ怒りが湧く。
誰が捨てたのかははっきりとはわからない。でも限りなく工事事務所が疑わしい。なぜなら、その地ならし工事が終了して事務所が撤収した後はまったくそういうゴミが出ないからだ。吸い殻も捨てられていない。
本来なら、そんなゴミは事務所が処理するべきものだ。

いや、まだ事務所と決まったわけじゃない。じゃないとすれば・・・
このゴミステーションは、村落外からの車が往来する道路に面している。
ひょっとしたら、そういう外部の人が出勤途中でポイッと捨てているのかも知れない。区の話では、ほかにもそれで困っているステーションがあるらしい。

町内以外の人は捨てないで。捨てると違法投棄の対象になり罰せられることがあります
そう書いたプラカードを設置することになった。
お隣のおじさんが、ささっと作ってくれた。さすがもと公務員さん、仕事が早くて的確。

ゴミの捨て方には「その人」が出るなぁと思う。
ゴミはもうだれも興味がない、価値もない。
そういう対象をどう扱うのか。

娘の職場がある町では、ゴミの袋に記名が義務付けられている。
ゴミにも責任をとる。
私はこれはいいことだと思う。そうすれば出し方にも責任をもつだろう。
ゴミとはいえ、引き取ってもらうまでは、自分の所有物なのだ。

ゴミの問題は繊細な部分もあって、都会と田舎などなど、環境の違いも考えたら、一筋縄ではないけれど。

今回のような事案が増えれば、ゴミにも記名を!になるかも知れない。


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