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レモンの雨雪と顔デカおにぎり



人生の最期にはレモンのかき氷が食べたい。
何度考えてもそうなるのはどうしてかな。

高村光太郎の「レモン哀歌」と
宮沢賢治の「永訣の朝」が一緒になってるなあ。
と気がついた。
最期の情景が、そういうイメージになっているようだ。


そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
                  (高村光太郎「レモン哀歌」から)


けふのうちに
とほくへ いってしまふ わたくしの いもうとよ
みぞれがふって おもては へんに あかるいのだ
(あめゆじゅ とてちて けんじゃ)

                    (宮沢賢治「永訣の朝」から)


最期の時にはレモンシロップのかき氷を食べたい。
のびのびと。はればれと。
レモン色の光の中で。



先日、ドラマの『日本沈没』が終わった。
日本の国土が海中に沈んでしまうお話。

ドラマの中で、主人公たちが食事をする場面では
それぞれがアジフライ、刺身、あとなんだっけ?その定食を注文する。
沈没を主張する学者は、劇中でいつも、和食のごちそうの出前や、名店の和菓子などを食べている。

日本が営々と築いてきた文化が、一瞬にして海中に消えて行く無念さ、何とか残せないものかという切実な願い。
残すことが叶わないなら、せめて最後に味わいたい。

何かのカタストロフに襲われるとき、人は何を守ろうとするんだろう。

もうすぐ何らかの事情でこの世界が消えてしまうとして
まだしばらくの時間が許されたとき、
最後の晩餐、何がいいだろう。

まず、赤ワインをグラスに1杯用意。
赤ワインというと肉料理となるが・・・
私は魚介類が好きなので
そこはあえてお寿司で行きたい。
甘エビイカカニ貝。
魚は青魚を。さば、さんま、あじ。
シャリなしのだし巻玉子もあってほしいな。
海藻もほしいし、澄んだだしの吸い物も。
あと、あつい番茶。

な~んとまあ、欲張りだな。
書き始めたら出てくる出てくる(笑)
お腹いっぱい、生きる未練タラタラの最後の晩餐。


実際、覚悟の上で、最後の晩餐が食べられるとしたら。
そんなことはなかなかないのかも知れないけれど。

炊き立てご飯で、塩のおにぎりかなぁ。
顔くらいでっかいやつ(やっぱりよくばり)。


娘作 自画像



くまさんの初企画、「さいごに何食べたい?」
絶好調ですね!!
それで私、もうひとつ、参加したいと思いました。
今度は自分のことについて考えてみました。

考えるの、楽しかったです。
そして大事なことですよね。
くまさん、考えるチャンスをありがとうございました(^^)


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