秋晴れなので
とりかえしのつかない後悔があって
それに取り付かれている。
今朝の歩行の間ずっとそのことを考えて
寒い空気のせいで左眼からの涙がとまらない。
泣いているのかも知れない。
還暦を過ぎて、そんなどうしようもない後悔のひとつやふたつ
あるでしょうよ。
タイミングもあるし、自分可愛さもある。
あの時はああするしかなかったんだ。
仕方がなかった。
はたしてそうだろうか。
もっとよく考えられたはずだ。
ほかの人にも話をできたはず。
なぜ自分だけの心に収めてしまおうとしたのか。
近くの人を信じられなかったのか。
そして自分の傲慢さに行きつく。
人を信用しきれない、
傷つくまいとする、自分可愛さ。
大切な人を守りたい?
それはほんとうにその人のためだったの?
突き詰めれば、それも自分可愛さからだ。
もうこうなると、堂々巡り。
何も考えたくなくなる。
だから今日は明るいいい天気、秋晴れなので
珈琲豆でも買いに出かけるとする。
軽快な音楽に心を委ね、しばしそのことは忘れよう。
そしてまた捕まえられるだろう。
生きている限り、この後悔に。
とりあえず、今日は明るいいい天気。
秋晴れなので。
秋の陽にぬくもって、少しは後悔の色も変わるかも知れない。