珍しく除雪に精を出す
家の前に凍り付いて残っている雪を片付けた。
降って積もり続けているでもないし、道路も乾いている散歩日和なのに。
マル太郎の散歩から戻ると、家の前に消えずに残る雪が気になって仕方なくなった。これはもうずっと前から、消雪パイプの水が外れる箇所にあって、凍り付いて消えないのだ。
毎朝、車を出す時にボコンボコンと上下する。
散歩から帰ると無性にこれを除去したくなった。
マルを中に入れ、オヤツをあげてから、取り掛かる。
上層部は湿った重い雪なので、プラスチックのスコップでも崩せたが
どうしても、アスファルトやコンクリートに接している底面は、凍り付いていてびくともしない。
これは、やっぱり無理かな。スコップが壊れるかも。
それでも崩せるところを探しては、ザクザクと崩していく。
よく見ると、接地面は少し隙間ができている。氷の温度よりも、コンクリートなどのほうが、外気温のおかげで温度が微妙に高いのかも知れない。
そのわずかな隙間にスコップを食い込ませては、はぎ取るようにして崩していく。
氷の島のぐるりをそうやってザクザクと崩すと、おせんべいの周囲をぐるぐると齧っている気分。
しかし、だんだんと歯が立たなくなってきた。中心部へいくとまだ凍り付いているらしい。
おせんべいよりも固くて大きくて広いから、さすがに疲れてきた。
気分を変えて別の島に取り付く。同じようにザクザクと回りを掘り進む。
また進まなくなり、さっき諦めた島に戻ると、今度はあっけなく崩れた。ほんの5分くらいでも、外気温と振動によって、氷が緩んだのかも知れない。氷も刻刻と変化しているんだ、これは必ず突破できる!と、俄然その気になって、ザクザクとおせんべい齧りを繰り返した。
奮闘すること20分。やーめた!(早っ)にして、今ここに居る(笑)
まだ崩せていない島が1か所ある。
ここから眺めると無性にあれをやっつけたくなる。
暗くなる前に、もう一度がんばってみよう。
こうして、家の周りを除雪する人になっていくのか。
雪国あるあるかもしれないが、とにかくご近所さんたち、除雪する人なのだ。やる必要とりあえずないんじゃない?ってくらいでも、突っついている。広い前庭なのに、雪のカケラ一つもないくらいに、きっれ~~いに片付けておくお宅もある。
うん、たしかに気持ちのいいものだ。
なんてことを、生まれて半世紀以上とっくに過ぎてから思う。
これはきっと、気持ちがひるがえったからなのだ。
自分が主体的にやらないと、だれもやらない、という状況になったから。
去年までは義母がやっていて、私は「やだなー」「さむいなー」
「腰痛くなるなー」と、やらない理由しか頭に浮かばなかった。
義母が始めると、引っ込んでいる自分が憂鬱になった。
「なんでそんなに必要以上に除雪したいんだろう」と、よそ様のことまでナナメに見ていた。
でも今年はひるがえった。
気持ちがいいから。気が済むから。
除雪に限らず、さまざまなことがひるがえる。
家の事、親のこと、ご町内の事。
自分から関わっていくほうが気が済むようになってきたかな。
ひとつ大人になった気がする(笑)
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