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カタログ雑感

私は昔からの生協愛用者である。
長男が保育園に行くようになってからだから、32年目。
生活のあらゆる場面でお世話になっている。

カタログを眺めていると、思わず吹き出すようなものもある。
その筆頭が「叫びの壺」。
樹脂製だと思うが、見た目いかにも壺然とした色形で、価格も4,000円くらいする。たっか!!
この壺口に吹き込むように、人に言えない溜まった思いを叫んでください、という商品である・・・コンセプトはいい←
買う人いるのかなぁ。いまだに6カ月に一度くらいは載ってくるので
「おお、げんきかー!」と、旧知の間柄のように嬉しくなる。

そしてこの頃とくに気になっているのが、衣料品カタログの商品説明である。
こう言うと、時代錯誤のヤカマシオバサンふうで、少し気が引けるのだが、でも素通りできないんだもん。

布の質感や、デザインについての「きれい見え」。
「つや髪」などは、まだスルーできるんだけども、「きれい見え」は。
どうも、ひっかかる。
ちょっと前までは「きれい見え」で目だつ程度だったのに、今週来たカタログはもう、こういう言い方のオンパレード、見本市、みたいだった。

きれいみえ(きれいに見える)
美ハリ編み地(美しいハリのある編み地)
すっきり見せ(すっきりと見せる)
すっきり映え(すっきりと着映えがする)
ほの甘顔(ほんのり甘い顔)
こなれ見え(洗練されて見える)
上品ばき(上品にはく、はける)
ちゃんと見え(ちゃんとして見える)
外出映え(外出時にも見映えがする)
デニム見え(デニム生地のように見える)
きれいめ服(ちょっときれいな感じに見える服)
きれい生地(きれいな感じに見える生地)
美ラク(美しく見えて着心地はラク))
大人見せ(大人っぽく見せる)
ラク美脚(ラクちんで美脚に見える)
素敵見えのゆるラク服(素敵に見えるゆるく楽ちんな服)
旬見え(旬のモードに見える)
パールで華添えした(パールで華やかさを添えた)

※カッコ内に、普通に言うとこんなかな、とういのを書きました


今回は割と統一感があったが?、この頃あまりに自由で
なんじゃこりゃあああ!!状態になっていたのだった。

とくに女性用衣料品に多い気がする。
男性衣料に「外出映え」とか「旬見え」はそぐわないのか
たんに、担当者の好みなのか。

カタログで、グラビア写真とともにパッと視覚に訴えるには
ひとまとめの言葉にしたほうが、インパクトはありそうだ。
コンパクトはインパクト、なのだ←

気持ちはわかるので、ちょっとここで言ってみてるだけです(弱気)。


そしてそして、今回きわめつけのセンテンス発見!(嬉しそう)
この頃、ワンピースを着てみたくなって、カタログも結構真面目にめくっている。ストンとしていてウエストがない、ひざ下もあまり長すぎない、サラッとしたの(ザックリ)がいいなー、と探していると、ちょっと大人っぽい(もうお釣りがくるくらい大人だけど)シンプルなのがあった。
その説明に曰く

「表面感にニュアンスのあるしっかりポンチのワンピース」。


う、う~~~~ん・・・

えーと、布の表面の感じが味わいのあるニュアンス(ニュアンス!)で、

で、で、しっかりとした、、、ポンチ。

ポンチ?

しっかりポンチ?


わがらねぇ~~~~~!!!


と、言いながら笑いこけた。

「しっかりポンチ」につかまってしまった。
今朝もまだ思い出しては、お腹がひくひくしてしまった。

ああ、担当の方、まったく失礼千万ですよね、ほんとうにごめんなさい。
語感にハマってしまったのです、お許しください<(_ _)>

きっとnoteには、この「ポンチ」がわかる、ファッションに詳しい方がいらっしゃると思います。
このオバサンをお許しください。60年間、ファッションとは無縁に生きさらばえてしまったのです。



春が来て、マル太郎の狂犬病予防接種の時期が近くなった。
予診票が郵送され、記入して、接種の日まで冷蔵庫のドアに貼っておく。
毎年の眺めだ。

次男が来て何となくそれを読んでいるな―と思っていたら
「この、特徴のところにさ、人懐こくあまり吠えない、って書いてあるけど」と。
マル太郎の特徴を書く欄があって、毛色とか性格を記入してある。
「遠目で見たら、人懐こくあまり映えないって読んでしまった」と笑って言った。

たしかに!たしかになーー!
年取って、毛色も白っぽくなり、つぶらな瞳も細く小さくなって
あまり映えなくなったよなーーー!!(笑泣)

カタログでもそうだけど、「映える」という言葉ひとつとっても
ここ数年の間に、かなり変化、進化、したのだろうな。
言葉の変化も人と同じで、一つ所にはとどまらないんだろう。
ヤカマシオバサンにならないで、楽しんでいきたいと思う。




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