思案のしどころ
どういうわけか、指がスムーズに動かない。機能じゃなくて、気持ちの問題だろうと思う。
読んでコメントが出てこなくなった。感想が出てこなくなった。何かつかえているんだろうなぁと思った。
心当たりとしては、長男のことだ。
いや、それに付随したマル太郎のことだ。
長男の気管切開部分に肉芽ができている。それが近年、成長しているので、切除することになりそうだ。その手術に先がけてCTを撮ることになった。
大きな肉芽になっていて、たとえばひょいっと指などが喉元のカニューレにひっかかって抜けてしまうと、肉芽がそこの穴を塞いでしまうから呼吸ができない状態になる。
カニューレはバンドで固定されているが、それが緩んだり外れたりすることもゼロではない。障害がある場合はなおさら、手や指がひっかかるとますますそこに力を加えていく不随意な行動をしがちである。カニューレバンドの隙間に指が入り、反射的に引っ張る、ということは簡単に想像できる。
手術をすることに関してはまったく賛成で、一日も早く、安全な状態にしたい。
その前に、来月初めにCT撮影がある。抵抗や不随意運動に備え鎮静をかけて行う。麻酔を使うとなると、一泊しなくてはならないので、付き添いが必要になる。
これは1泊なので、マル太郎はかかりつけの動物病院が預かってくれることになった。
ここはクリア。問題はその後の手術本番のときである。
その病院は、8月まで手術はいっぱい、と聞いている。
秋口以降に手術になるのかなと思っている。
肉芽の切除だけなら、1週間から10日の入院になりそうだ。そしてこの機会に、「喉頭気管分離術」を勧められると予想している。肉芽が見つかった頃に、主治医ともそんな会話をした。
この手術をすれば、誤嚥による肺炎や、嘔吐物による窒息が防げるのだ。長男と在宅生活していたころ、いつも頭を離れない不安はそれだった。もちろん入所した今も、その心配は常にある。
だからこの手術をすることにも、まったく異論はない。
しかし。これによる入院は2週間ほどはかかるだろうし、付き添いが必須になる。その間の、マル太郎の介護はどうしたらいいんだろう。
それがここしばらくの思案になっている。きっとそれで、いろんな思考の流れが停滞しがちなのだと思う。
動物病院が2週間も預かってくれるかどうか、あまり期待できないが。
入院扱いでもいいからお願いできたらと思う。
長男の入院する病院の近くには、高齢犬介護のペットホテルがあるが、慣れない環境はなるべく避けたい。
いろんな手を打ってみようと思っているけど、そのたびに、マル太郎がそこまで生きていてくれるかどうかという思いに絡みつかれる。それが辛いところだ。生きていてくれたとしても、マル太郎には試練の期間になるのだろう。
頭と気持ちを整理するために書いておこうと思う。
要は、考えつくかぎりのことをできる限りやる、ということだから。
モヤモヤはそのままだけど。
考えてみたら、7年前に長男が重篤になり2ヶ月の入院期間があったが、マルの世話は毎日やった。入院先は車で15分足らずだったので、一日2回、家に帰って散歩や食事をさせた。ついでに家事や自分の入浴などもできた。
しかしその頃とは、マル太郎の状況も激変しているし、入院先も車で1時間かかる。まったく一人じゃ回せない。
こちらの病院で手術を受けるとすると、いまかかっている病院とはスッパリ切れて、検査も最初からやり直しになる可能性が大きいそうだ。
何じゃそれ、と思う。
今回のCT検査の結果も引き継いでくれないかも知れない、なんて言われる。病院が連携していないとか、先生によって方針が違うかもしれないとか。どちらも地域の基幹病院的存在なのに。一方は公立、一方は私立。その壁でもあるのだろうか。
患者には関係ないんだよ~。
いずれにしても、必要なことをやるしかない。
モヤモヤしながらも割り切って行かなきゃならないというところだ。