消去禁止を求める意味

さて、前回は発信者情報開示のルートを2パターンご紹介しました。
今回は消去禁止を求める意味についての投稿です。

…今トラブルを抱えていて弁護士に相談していらっしゃる方は、そもそも"何の消去禁止を求めるの?"という疑問をもつのではないでしょうか。

前回アクセスプロバイダのログ保存期間は短いとご説明しましたが、まさに一つ目はログ保存期間切れを防ぐために"アクセスプロバイダ(AP)に対してログを消さないで!"と求めるものです。どれだけ誹謗中傷されたとしても消えてしまったデータは原則出てきませんからね。

二つ目はX Corp.等のコンテンツプロバイダ(CP)に対して、"保有してる会員情報を消さないで!"と求めるものです。ログのように期間で消えてしまうものではないですが何かのはずみで消えてしまうことを事前に防ぐ方法です。

折角発信者情報開示の手続を行っていても、うっかり消去禁止を求めることを忘れてしまいデータが消えてしまっては取り返しがつかないのでここは気をつける必要があります(ただし、実際には仮処分・訴訟なり非訟手続なりで争いになっているデータはプロバイダも任意で消去しない対応をとるので消去禁止については取下げになることも多いですが)。

次回はCPに開示請求を行いIPアドレスから調査した結果何故かCPが経由プロバイダとして出てきた件について解説する予定です!

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