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Carpal boss(カルパルボス)

カルパルボスと言われる病態について書いてみます。

これは手の痛みに関わる疾患になります。

治療家の先生方でもあまり御存知でないことが多い疾患です。

頻繁に遭遇しないということ
見逃しやすいこと


が原因にあげられます。

一方で経過が悪ければ手術を要する疾患でありまして、

放置しておけば治るというわけではないこともあり、

運動選手なら引退に関わる可能性があります。


ポイント

2,3中手骨の骨棘

使いすぎが原因

根本治療は手術


病態


画像1

手の甲が痛くなります。

手に負荷がかかるスポーツ、仕事をしている方に多く見られることが特徴です。

経験上は剣道されている方が多い印象です。

明らかな原因は不明となっておりますが、

短橈側手根伸筋の牽引によるストレスという説もありますが、

使いすぎに伴い炎症が続くことで骨の棘(骨棘)が形成されるとされています。

画像2

画像のように第2,3中骨基部に骨性の隆起が出現します。

それが刺激して疼痛が続くということです。


鑑別


ガングリオンというゼリーが入った袋ができるのが、

手首には多いのですが、

それと勘違いしてしまうことが多いです。

レントゲンも病態を狙って撮影しないと見逃しますし、

必要があればCTなどで確定するべきでしょう。

触診に慣れた方であれば、

骨か腫瘤かどうかの推測はできます。

他の医療機関でガングリオンと言われ、

治療希望で来られたらカルパルボスだった。。。

というのは珍しくありません。

テニス
剣道
ゴルフ
大工


などの手に負荷がかかる運動をする方は念頭に入れておいてください。


治療


消炎鎮痛剤などで炎症を抑えることは治療になります。

負荷を下げることもポイントです。

ただ、競技や仕事によってはそういうわけにもいかず、

痛みもシビアになってきた際には手術治療になります。

奥の手ですね。

高校生などの選手でも、

疼痛コントロールはできて運動復帰している選手も多く見てますので、

悲観的になる必要はないとは思っています。


まとめ


カルパルボスという稀な疾患について説明しました。

医療従事者は知っておくべき疾患ですが、

一般の方で知っていることはまずないでしょう。


第2,3中手骨の骨棘

使いすぎが原因

根本治療は手術


がとても大切です。

参考にしてください。


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