見出し画像

HARUという男

画像1

とにかくよく喋る。台本無しなのによくここまで思い付くもんだ。


構成もない状態でいまある現状と素材でベストを尽くす。何よりも職場に行くのが楽しくてしかたなかった日々。

ここからはじまり、山手線の広告にまでなった男をどれだけの人が覚えているだろうか?今日は尾崎豊さんの命日だ。年に何回か楽曲を聞くし、誕生日も毎年思い出す。
これを読んでくださっているということは、HARUくんを好きでいてくれたり、デビューや周年記念を祝ってくれていた方かな。我々の生業は叩かれるよりも忘れられるのが怖い。少々過激だが思い出してもらえなくなったら死んだも同然だ。

少し自分の話をさせてもらう。
この業界は若手の入れ替わりが早く、採用しては研修、退職そして採用の繰り返し。四六時中アルバイトや新入社員の講義をしているのがフィットネスクラブ従業員だ。

若い頃にアルバイトからはじめたボクシングエクササイズのインストラクターは沢山勉強になった。昔のフィットネスクラブに入会することは安価ではない。若手にとっては大きな出費となる。インストラクターとして働けば施設も使い放題(もちろんお客様に留意しながら空いてる時間ね)。さらにバイト代まで入り楽しいことが溢れている。何より俺のレッスンを受講してくださったお客さまが、身体を動かすだけでなく、「集中力が上がって仕事が上手くいった」と感謝してくださったり、「レッスン中の声かけから勇気もらいました」とのお話を多くいただいた。更にプラーベートでの悩み解消や、一歩踏み出し転職までした方が何人もいる。

数年してフィットネスクラブで研修する立場になって、生徒を受け持つことになるのだが、大半の人間は元気よく挨拶をしてくれても、必ずと言っていいほどひとりふたりはふてくされる。20店舗以上の施設をまわって来たがどこに行っても同じ。「ボクシング?なにそれ」「ダンスが趣味なんで」「筋トレのことしか興味ないし」「音楽に合わせてなんてどうでもいいし~」そんなヤル気の感じることのできない受講者がいる。悪目立ちしている分、沢山指摘もするしぶつかることもある。それゆえに距離も近くなっていく。店舗の建て直しを任されることの多い俺は、異動のスパンが短くいざその時が来ると「別れたくない!上層部にかけあいます。」「一生ものの教えとなりました。今後どんな仕事に就いても活かしていきます。」と泣いてくれるのは、はじめの頃に苦手だなとか面倒がかかった受講者達。

画像2

b-monsterでだったら、NANAなんかはまともに挨拶もできないし、ふざけた態度に我慢ならず、お客さまのいるフロアで叱ってしまったことがある。その場で言わないとわからないだろうとの考えはあったとしても、これについては反省しています。バックヤードで話すべきでした。その後はしっかりと時間を取って対話。

画像3

そこからはデビューに向けてまっしぐら。ボクシングジムにも連れて行き、20年来の兄弟分にも協力してもらって特訓。

画像4

兄弟分いわくそれだけではダメだとのことで、同級生の勤める有名店で食事させてフォロー、次の行き先のお台場まで車で送ってもらおうとしたらそれもダメだとのことで、浅草からTOKYOCUISE(遊覧船)にて移動したのはいいコミュニケーションになった。

画像5

「HARUともこの船に乗りたい!関西出身のHARUを東京観光に連れ出して撮影しよう。」なんてNANAと話た願いはまだ叶っていない。


まだお客さまの付いていない新人のレッスンに関しては、デビュー前で粗削りであっても今しか受けれない貴重なクラスだと打ち出したり、我々のレッスンで挟んで、常連のお客さまがバーターでご参加いただける仕組みにしていた。

俺等が粗っぽい演出をすることによって、「守ってあげたい!」と思わせ、可愛がってもらえる環境を整えていた。

この後に俺が嬉しくて泣いていたシーン覚えている人はどれくらいいるのだろう。本当にこのメンバーが好きでこのプロジェクトを愛していました。
俺とは全く違うコンセプトのふたりだが、俺は大好きだったんだよ。各々が個性的だからお客さまの好き嫌いが別れるんでないかな。全員違う趣向のメリットもあって、体験の方が自分のレッスンに合わないと察知したら、次は誰々のレッスンにとすかさず仲間のレッスンに誘導できたんだよ。身体を動かそう、生活習慣変えたいと、せっかく来てくださった方を取りこぼさない、そんな最強チームだったな。

コンセプトをしっかりと持ったレッスンを継続していると、好意的な人も増えるが、同時に否定的な人も出てくる。堀江孝文さんは極端かもしれないがわかりやすい。オンラインサロンでの支持者がいる一方で、信じられない誹謗中傷にもさらされる。経営の数値のみならず、格好、表情、立ち振舞い、言葉遣いが酷いと、一挙一動を監視されている。
しかし、ネガティブな情報で絡んで来るのは気になってしょうがないからだろう。そういった人は、Twitterにへばりついたり、YouTubeを欠かさずチェックしている。

我々が恐いのは、毛嫌いされることよりも、興味を持たれないこと。なにかをする、どこかに行っても見向きもされない。HARUくんで例えるならばファンから忘れ去られること。

研修講師をしていて「あの先生のウェア似合ってなくない?」「この教え方なんなの!」なんて言っているのは気になっている証拠で、どこかのタイミングで噛み合えば仲良くなる。
一方で俺のことを毛嫌いしていたのは素直に受講していた面子の中にいた。俺のことなんて興味もないしどうでもいい存在だったのかもしれない。

コンセプトが定まり突き進んだ先には存在感が生まれ、その後悪口を言われ嫌がらせをされることがある。日本は出る杭は打たれる風習がまだ抜けていない。チャリティ活動をしていたとしても、難癖を付けてきたり毛嫌いする人は少なからずいる。それは力が付いてきた証拠で、嫉妬されたりするくらい市場価値が出てきたってこと。そんなタイミングはファンを増やすチャンスだからな。

そんな存在感が生まれた人達、そのような状況にあったとしても、折れずに突き進んで欲しい。忘れさられることのほうが怖いのだから。
みんなも時おりHARUを思い出して欲しいんだ。あんだけ持ち上げてもてはやした人間をあっさりキッパリ忘れるなんて、俺等ってば無責任過ぎないか?もちろん新しいステージで違う名前で活躍してるかもしれない。それでもHARUという男がいたことを覚えていて欲しいんだ。


HARUがノーマルクラスをリリースする前にもメンバーで協力して宣伝したっけか。

全員が素で似合いすぎていて特に台本なし。


画像6

その後はHARUが更なる成長の為、単身NYへ。成田空港に見送りに押し掛けたくだり覚えてる?

※向き修正しておきました笑

それだけでは終わらないのがHARU&JOE。


行く前にスマホアプリで英語の勉強していたり、海外がはじめてだというから心配で追いかけたは。行ってよかった…飲み物もひとりで買えない感じだったから。

宿で彼の気遣いに感動した話。
朝起きたら『シャワーお先にいただきました』とのこと。何先輩より先に浴びてんだ?(そもそもHARUくんのホテルでしょ笑)洗面所に入ると石鹸は綺麗に並んでいるし、何ならバスタブの外に水滴も飛んでいない。本当に入った?綺麗に拭き取ったのか。そういえば俺が寝ている間に入ったのにうるさい音しなかったぞ。どんだけ気を遣って入浴したんだ。『先輩がいつ外出すると言っても平気なように支度しておきました』俺がシャワー浴びたらすぐに外出可能なようにか…おそるべし。お嫁さんになってください笑。

そのフォロー分ふまえて、先輩なのでもちろん全てごちそうしますよ。


みなさんご存じのように、何杯も山盛りご飯をお代わりするエンゲル係数の鬼な我々ですが、それにしてもふたり分で80$超えって…


先輩後輩であり、オフには友人で、時には親子。そこにはHARUがいつもいた。



疲労があろうが打ち合わせなかろうが、さっとお互い察して話せちゃうあたりスゴいよね。



銀座のお客さまが好きすぎて、帰国してすぐにレッスンへ向かったっけな。



『打ち合わせどうりやん』って言っているが、全く打ち合わせ無しで生まれたラップ♪


瞬間接着剤。これもアドリブ。


なあHARUよ。焼き肉の約束、まだ果たしてもらってないぞ。稼げるようになったらお前の番だ。



頑張るみんなの汗と笑顔が大好きです。



一緒に汗かいて笑って、俺の退陣を泣いてくれた男。この絆はなくならないぜ。


最後に…ずっとHARUくんに伝えたかったことがあって…
この業界にいて、去って行く人を沢山見てきた。俺が生き残っているのは才能があるわけでもなんでもなくて、ただ長く続けていただけ。“ブレイク”はやめなかった人が手にするご褒美。b-monsterの時に入会ストップやキャンセル待ちで予約が取れなくなる状況にまでなったけど、開業当時は数人のお客さまの中でもレッスンをしてきただろ。
もし今、前みたいにチヤホヤされてても浮かれるな。そしてキツイ状況だったとしても決してあきらめるな。

現在はマルチタスクの時代だ。他のことやっていようが、HARUくん、あなたの持っている才能を消すことはないさ。

また同じステージに上がることを諦めきれないんだよ。
俺もパワーたくわえて準備しておくからな。
けど…早くして!おじいちゃんになっちゃう笑。

画像7


いいなと思ったら応援しよう!

フィットネス研究家/パフォーマーJOE
ここへのサポートは必要ありません!いいねやSNSにて共有してくださったら跳び跳ねて喜びます♪ボクシングだけでは食べて行けない若手や選手を盛り上げ、業界の発展に努めます!