15分で探索者をつくらなきゃ!
お!気になる「新クトゥルフ神話TRPG」突発卓!面白そうだし参加しよう!
・・・何ー!キャラシ提出、あと15分しかないだとー!?
そんな時に役に立つかもしれない記事をお届けします。
◆ 本記事の目的
本記事ですが、「新クトゥルフ神話TRPGのセッションで使用する探索者を短時間で、フルスクラッチに新規作成したい」という要望に応えるべく、執筆されたものです。時間をかけて作成していいときは、しっかり時間をかけて探索者を作成してください。
◆最初にすべきは報連相!
キーパー(探索者シート(以降、キャラシ)をチェックする人)に、キャラシ提出が遅れそうなことを報告、必要であれば謝罪、対応を相談することです。まず連絡です。連絡なしでの遅刻、コレ重罪。
ここで『いいよ!1時間とか全然待つよ!』という返事が参加者全員の総意としてとれたなら、本記事は参考にしなくてよいです。いつも通りにキャラシを作りましょう。
『いいけど、早めに出してね・・・』という時。ここで本記事は役に立つと思います。15分、いやもっと早くキャラシを出しましょう。・・・もちろん、作成済みのキャラシを使うのなら、それはそれでヨシ!取りあえず、『30分・・・いや20分ください!X時X分には出します!』と伝えましょう。
◆ シナリオのトーンを確認しよう!
キーパーから、シナリオのトーンや概要、推奨技能などの事前情報が配布されているはずです。まずはそれを読みましょう。ここで抑えておくべきは、『時代』『地理的場所』『有用な技能(推奨技能)』の3つです。
◆ 基礎能力を決めよう!
探索者を作るのであれば、探索者のざっくりイメージを決める必要があります。というわけで、まず能力値を決めましょう。『新クトゥルフ神話TRPG ルールブック(以降、ルルブ)』p28~30に従い、ダイスを振って能力値を決めます。ルルブ p46 選択5「早撃ち」法を使用する場合は、ダイスで決まった能力値の高い順に、能力値を当てはめていきましょう。
大事なのは、ここはダイス一回で決めることです。悩まないこと。気に入らないから振りなおすのは、時間があるときにやりましょう。
もし、能力値が一定以上であることが条件であるならば、ルルブ p46の選択4に従い、460ポイントの割り振りを用いましょう。ダイスで振った能力値をベースに、必要な能力値に達するようにつぎ足すのです。460ポイントより多い?そういう場合は、平均値(50前後)の能力値からポイントを減らすと後々楽です。能力値が平均から外れている部分は、探索者の個性に直結しやすいですので。早撃ち法を使う場合は、そこらへんはクリアできるはずです。
◆ 見た目を決めよう!
次に、探索者のイメージを固めるため、見た目を決めましょう。ここではpicrew様から、メーカーを利用してイメージ画像を作成する方法を推奨します。立ち絵として使用可能なフリー画像のダウンロードでもいいですが、今回は探索者を0ベースで作成することを想定しているため、完全にランダムで作れる方法を提示します。
picrewにアクセスしたら、「HOTなメーカー」にある、「もっと見る」を選択します。画面が表示されたら、URLに「&page=XXX」(XXXは1~400くらいの中から適当な数字を決める)を入力します。
ページをざっと見て、『人間が作れて』『最低でも「○個人」』のものを選びます。ここは絵の好みで選びましょう。規約を読んで、TRPG立ち絵に使用できそうなら、「あそぶ」をクリック。
初期で表示される絵が好みであれば、そのまま使用しましょう。ちょっといじるのはアリですが、いじるのは30秒以内で。それ以上は時間をかけてはいけません。ピンとこなければ、ランダムで選び、人間でないパーツなどを修正して立ち絵を完成させます。ここでも、一度決めたら退かない!
◆ 職業と年齢、性別を決めよう!
この時点で立ち絵と能力値が決まりました。シナリオのトーンと立ち絵から、この探索者のなんとなくの年齢、性別は決められるはずです。20代、30代などざっくり判断したら、年齢1ケタ目なんて適当でいいです。キーパーや、参加者が見てすぐにわかるような年齢、性別にしましょう。ここはひねるところではないです。決定したら、ルルブ p30を参照して、年齢による能力値の修正をします。
能力値を確認し、一番職業ポイントが取れそうな職業をピックアップします。シナリオの雰囲気に合いそうな職業を選びましょう。困ったら探偵や学者など、人から頼られることが多い職業を選ぶといいです。「職業で該当する能力値が高い」から、その職業をこの探索者は選んだ。非常に自然でしょう?
早撃ち法を採用しているなら、有用な技能と推奨技能から職業を逆算しましょう。次の項にすすみ、取るべき技能が職業技能で取得できるかどうかから、職業を逆算するのです。それが難しいなら私立探偵か教授、ミュージシャンにしておけばいいでしょう。
◆ 技能を決定しよう!-①-
有用な技能(推奨技能)があれば、そこから7割取りに行きましょう。戦闘技能(回避含む)や跳躍など、個人の能力に直結する技能なら、そこは確実に取っておくとよいです。そういったものがなければ、時代と地理に合わせて技能を選んでおきましょう。1920sアメリカなら戦闘技能(銃火器)は取っておくといいですし、2020年日本なら言いくるめあたりを取っておけばいいでしょう。あとは目星、聞き耳、図書館を適当に押さえます。50%前後を目標に、とりあえず取得しましょう。早撃ち法なら個人的な興味の技能ポイントで振ればいいです。何、あとで調整する前提です。
取るべき技能の選定が終わったら、技能(できれば職業技能ポイントを使用して取得できる技能)から1つ適当に選択しましょう。先に選定した、取るべき技能の中から選ぶのもかまいません。その技能を探索者の芯とします。最も高い数値を割り振っておきましょう。なぜこれをするかというと、この後のバックストーリー決めの指針とするためです。
残りの技能ポイントは、いったん置いておきます。
◆ キー・コネクションを決定しよう!
バックストーリーを決めます。ここで入力すべきは、「信念/イデオロギー」「重要な人物」「秘蔵の品」です。この3つは、狂気表に密接にかかわってきます。それ以外も入れられるなら入れるべきですが、時間がないので今回は割愛。
上記3つのエントリーから、キー・コネクションにしたいものを適当に決めます。ダイスでもいいです。そのエントリーが、今回の探索者の軸になります。キー・コネクションを決めたら、最も高いあるいは最も低い能力値と、先に決めた探索者の芯となる技能を再確認します。その2つと職業を組み合わせて、適当なエントリーをねん出しましょう。探索者のイメージの補助とするため、googleで検索をかけるのもありです。
例えば。APPが低く言いくるめが高い弁護士なら、「コワモテだが口は達者な、理論で戦う人間」というイメージを連想できます。「コワモテ」は容姿の描写に回せばいいですが、残りをちょっといじることで「口先でどんな相手でもいい負かして引かせられるから、暴力にはぎりぎりまで頼らない」というエントリーを作成できるでしょう。
◆ 技能を決定しよう!-②-
キー・コネクションが決定しました。であれば、上記コネクションから「取るべきでない技能」「取るべき技能」を決められるはずです。先の例であれば、戦闘技能はあまり高く取るべきではないでしょう。逆に、相手の心理を推し量るための心理学や、人種による行動パターンを知るための人類学を持っているのは自然ともいえます。ここで、技能ポイントをすべて使い切ってしまいましょう。
技能ポイントを使い切れないなら、30ポイントくらいの単位で適当に振り分けましょう。個人的な興味ポイントが余ったのであれば、探索者の芯となる技能をサポートできそうな技能に振り分けるといいです。先の弁護士の例なら、言いくるめをサポートするための芸術/製作(文書偽造)とか。
◆ バックストーリーを決定しよう!
先ほど決めたキー・コネクション以外のバックストーリー2つを決定します。ルルブ p40~42からダイスで決めて、探索者の芯となる技能の話をちょっと噛ませてやればいいです。先の例で言いくるめを芯とするならば、重要な人はダイスで決定した相手が口がうまくて、そこから学んだことにするというのはすぐに連想できるでしょう。秘蔵の品も、口がうまい偉人の本などにしておけばいいです。
◆ 持ち物、武器を決定しよう!
ここは、正直適当でいいです。キャラシを提出後、セッション開始前なら「これ持ち込めますか?」は割と通ります。現代ならスマホと財布、1920sなら銃火器を1つ書いておけばいいでしょう。車があった方が便利なセッションなら、車をに入れることに難色を示すキーパーはそういません。
◆ 探索者をチェックしよう!
ここまで駆け足でキャラシを作ってきました。3分使って、間違いはないか見直しましょう。気に入るかどうかより、職業技能ポイントの計算や年齢による能力値の修正など、間違いがないか、です。人に見てもらうのですから、できる限りちゃんとしたものにはしたいですね。
これで探索者は最低限作成できました。キャラシ確認をしてもらって、問題がなさそうであれば。そこから先は自由です。キーパーの許可があるなら、設定やバックストーリーをより詰め込むのもいいでしょう。セッションを最大限楽しみに行きましょう!
◆ 最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回はサクッと探索者を作りたいときの方法を記載しましたが、じっくり探索者を作れるなら、それに越したことはないです。
・・・もし、最初に決めた時刻に間に合いそうにないなら。謝罪しかありません。最初に伝えた時刻の3分前には状況と進捗を伝えて、遅れを連絡しましょう。連絡・相談なしに約束をたがえるのは、人間関係を悪化させる一番手っ取り早い方法です。今回のセッションは断られたとしても、連絡・相談を事前にできていれば、最悪の事態は防げます。
大事なのは、一緒に遊ぶ相手を不快にさせないことです。