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これから弁理士を目指すあなたに

40代弁理士の石川です。今日は、久しぶりに投稿をします。若い方に、是非弁理士を目指して頂きたいということで、これから弁理士を目指すあなたにというテーマで書きたいと思います。でもその前に、一つQ&Aを。

Q.そもそも、弁理士を目指す価値がありますか?

A.あります。私達弁理士は、毎日その資格の恩恵を受けています。業務独占資格ですから、特許庁への出願の手続きは、弁護士を除き、代理業として弁理士以外がすることはできません。また、出願は、安定的に売り上げを立てることができる業務です。資格を持たずに大手特許事務所に所属し、特許明細書を作成(補助)するいわゆる特許技術者として生計を立てることもできますが、弁理士資格があれば、特許に限らず、意匠、商標についても幅広く業務として扱うことができます。また、弁理士が案件を担当することで、単価を高く設定することができます。さらに、冒頭に、弁護士を除きと書きましたが、弁護士で、特許の明細書を作成されている方というのは聞いたことがありませんので、特許であれば、事実上弁理士の独壇場となっています。したがって、ライバルが入ってこれないニッチな領域になりますから、高い単価でまずまずの収益を上げることができます。

ということで、弁理士は目指す価値があるということがご理解いただけましたね。

その前提を踏まえた上で、これから弁理士を目指す方に、是非、初心を忘れないで!という点をアドバイスしたいと思います。弁理士試験の受験勉強は、最短でも数年はかかるものですから、勉強を開始するに当たり、なぜ弁理士を志すのかという動機を明確にし、それをきちんとノートに書いておくべきです。そして、気持ちが落ち込んだりやる気が出なくなってしまった場合には、それを引っ張り出して、「ああ、私は、この目的のために弁理士を目指していたんだ」ということをその都度、再確認するべきです。

長い長い試験勉強期間ですから、時にはうまくいかない時期もあるでしょうし、気持ちが乗らないときもあるでしょう。そんなときでも、自分を奮い立たせるために、或いは、初心に戻るために、最初の動機付けというものが非常に大切になってきます。

かくいう私の場合には、もし資格を取らないで中途半端にあきらめてしまうとすれば、一生後悔するだろうということに尽きました。その思いをノートに書いておいて、節目ごとに眺めていました。

そして、弁理士という一生ものの資格を取るためには、相当な努力と覚悟、根性が必要です。何かを得るということは、それと引き換えに何かを失うということを忘れてはなりません。両手で同時に持てる量には限りがあるということを忘れてはなりません。

私の場合、弁理士の受験生をやっていたときには、一切テレビは見ませんでしたし、新聞を読む時間すら惜しいと思って新聞を斜め読みする程度にしていました。今の方でしたら、YouTubeは我慢するくらいの覚悟は必要でしょう。要するに、自分の自由な時間を犠牲にしない限り、合格は勝ち取れないということです。楽して受かろうというのは、相当に要領がいい方でない限り、難しいです。

また、答練は毎年受けたほうが良いでしょう。私が所属していた私ゼミの先輩は、答練を受けないと合格から遠ざかるとおっしゃっていました。それは、弁理士になって16年以上経った今でも、正しいと思っています。なぜなら、判例や裁判例は、毎年新しいものが出て、それによって微妙に法律の解釈も変動するからです。要するに、時代時代ごとにトレンドというものがあるのです。トレンドに乗れていない受験生は、残念ながら異端の方として落ちてしまいます。この試験は、多数派に乗れた方が勝つ試験なのです。

資料は、予備校のレジュメもいいですが、自分なりの資料を作成することが良いでしょう。分量としては、試験前一週間で見直せる量とするべきです。それ以上になると、そもそも試験当日までに覚えられないということになります。弁理士試験に合格された先輩の資料を見させていただいて、マネするのが合格までの近道となるでしょう。


最後に、弁理士は、発明者の方のそばで、発明者の伴走者となれる素晴らしい職業です。一生かけてやるのに相応しいお仕事です。

私は、特許の弁理士として活動をしていますが、最近では商標の依頼を受けたりすることも多く、50歳を前にして、今でも新鮮な気持ちでこの弁理士業に向き合っています。

この仕事には、お金では表せない楽しさと、人との出会いがあります。

世の中の多くの人が、弁理士となったあなたに出会うことを待っているのです。そのことを忘れないでください。

弁理士の石川真一のフェイスブック
facebook.com/benrishiishikawa

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