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弁理士業の魅力 外国関連業務(外内出願)
弁理士の石川です。今日は、外内業務について書きます。正直、私はこれまで、国内案件を中心に扱ってきた弁理士なので、外内出願はそこまで力を入れてきたわけではありません。ですが、私が知りうる範囲でお書きしようと思います。
外内出願は、外国企業が、我が国に対して、特許、意匠、商標、等を出願するものです。これらのお仕事も、弁理士が扱う主要なものになっています。この外内出願を扱えるという弁理士業の魅力についてお書きします。
1.広い視野でお仕事を俯瞰できるようになること
外内出願を扱って思うのは、特許出願の明細書や特許請求の範囲の書き方というのが、国ごとに全く違うということです。欧州の特許出願で見られるuseクレーム(~の使用)などが、その最たる例です。
このため、外内出願を扱うと、国内出願案件では知り得なかった、新しい明細書の書き方を学ぶことができます。
2.手数料もまずまずであること
現在、自動車会社など、輸出関連企業の業績が、円安の影響で回復しております。外国での商品の価格は、外国の通貨でいくらと決められていますから、円安になれば、その分沢山の円を対価としてもらうことができます。
我々弁理士の外内業務も、輸出関連企業と同じになります。外内出願は、いわゆる特許出願等の輸入にあたるわけですが、我々からみれば、知財サービスの輸出に該当します。ドル建てで手数料を定めていれば、円安の影響で、その分沢山の円を弁理士報酬として頂戴することができます。
このため、これから弁理士になって一儲けしたいと考えている若者は、外内の出願を無視すべきではありません。
3.クライアント数が桁違いに多いこと
当たり前ですが、クライアントの数が、国内企業の数とはけた違いです。外内出願は、グローバルな訳ですから、まだまだ、開拓の余地があります。地球の裏側にも、お客さんはいます。
また、大手特許事務所は、クライアントの外国企業同士の間、あるいは、クライアントの外国企業とクライアントの国内企業との間で、コンフリクトの問題を常に孕んでいますから、簡単にクライアントを増やす訳にもいきません。
このため、新たに起業した若い弁理士、あるいは、小規模事務所の弁理士が参入できる余地は沢山あるのではないでしょうか。
なお、コンフリクトについては、下記拙稿をご覧ください。
4.まとめ
以上、簡単ですが、外国関連業務(外内出願)の魅力を記載してみました。とはいえ、外内出願を扱える前提条件として、英語力は必須な訳です。
私は、これから弁理士として残りの人生を英語力の獲得にささげたいと思っております。(事務所移籍などの影響で、5年以上さぼっておりましたが…)
弁理士として起業されることを考えておられる方、一緒に英語の勉強を頑張ってまいりましょう。
本人のガッツさえあれば、チャンスはいくらでもあると思います。
弁理士の石川真一のフェイスブック
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