自己犠牲は、要らない!
私たちは、お困りの企業、組織に必要とされてコーチングをしています。
つまり、課題の多いところへ行くことばかりになります。
世間一般では、ブラックという言い方をされているところもあります。
そこでよく聞くのが、『会社のために、、、』です。
この『会社のために、、、』を、誰かから言われた、
もしくは、自分の中で、そう思っている。
そう思わないとやっていられないから、、、
みなさんは、聞いたこと、言ったこと、言われたこと、ってありますか?
成果は出ていないし、どうやればいいかわからないし、
そのやり方って、いいんだっけ?って思うし、、、
で、自分を納得させるために使うのが、『会社のために』ですよね。
この言葉をよく使っている上司の場合は、どうでしょうか?
ちゃんと説明することができないし、よくわからないから、
で、『会社のために、、、』ですよね。
売り上げアップ、利益確保、シェア拡大、、、、
どう戦略を立てればいいか、全然わからない。
だから、余計なことを考えないで(思考停止させて)、
会社のために(だから俺のいう通りに)にやれ!
っていうことで、『会社のために!』って言います。
色々と説明できないからです。
で、
『会社のために』ということはどういうことか?
ですが、
これって、『自己犠牲しろ!』っていうのがセットで付いてくることが多いです。
意味わからない作業だけど、。、、、、、、、、、、『会社のために』
なんか違うんじゃ無いの?でも社長が言うから、、、『会社のために』
これって、本当にお客様のため?、、、、、、、、、『会社のために』
これって、自分の成長や将来見えないけど、、、、、『会社のために』
ここで思い出さないといけないことは、会社って何? ですよね。
会社は、なんのために存在しているの? 存在を許されているの?
なんのために会社ってあるの?
それを考えるには、その上位概念の『ビジネスって何?』です。
ビジネスって、何かを必要とされている人や組織に対して、
その何かを提供することです。
つまり、必要とされていることって、その人や組織が、価値と定義していることです。ここでいう価値とは、商品やサービスのことです。
(直接的には、それを構成する一部をいうこともあります。)
だから、価値の提供をすることが、ビジネスの基本です。
(正確にいうと、お金との交換なので、価値の交換という人もいます)
そのビジネスを行う組織、団体が会社です。
同じ目的や目標のために活動する組織が会社です。
ここで大事なのが、会社はなんのためにあるのか?です。
だから、お客様が求めている価値の提供に反している活動をするのは、会社ではありません。矛盾が生じているからです。
つまり、その行為は、お客様への価値の提供につながっているか?です。
だとすると、、、その行為が『会社のため』というのならば、
その先に、お客様の求めている価値につながっているのか?
に、答えられなければいけません。
それに、会社の存在意義は、お客様が決めるものですから、
正しくは、『会社のために』ではなく、『お客様のために』とならなければいけません。
世の中で、多く出てきている『会社のため』って、法律や道徳的なルールに関していることが多いです。ニュースになる場合も多いです。
ということは、この言葉が出てきた時って、とっても危険な状態です。
『会社のために』を使っている人は、このビジネスの基本を理解していません。忘れているのかもしれません。
そして、この言葉が出てくる会社では、『自己犠牲』という言葉がセットで存在しています。
『自己犠牲』ってちょっと調べてみてください。
自分の欲望や欲求、自分の望んでいる状態を、あることを優先して、諦めることです。これってちょっとおかしくないですか?
仕事をしている時、仕事の時間において、お客様への価値の提供のために、行動しているわけだから、それを諦めるってことはありません。
だから、そこに自己犠牲は存在していません。
自分が実現させたいこと(つまりお客様が喜ぶ価値の創造をする)のために行動、作業をすることが『仕事』なので、自己犠牲って矛盾しています。
価値の創造・提供に、今以上に必要なスキルがあるのならば、努力して、それをマスターするしかありません。それは仕事だからです。
その行為は、自己犠牲とはなりません。
ここまでは、ちゃんと説明するとご理解いただけるのですが、よくある質問が二つ出てきます。
一つ目は、
お客様のためには、体調が悪くても我慢してやらなければいけませんよね?
二つ目は、
お客様に直接関係していない仕事って、会社のためにしか存在しないですよね?
一つ目の体調(他にも外せない用事などもあります)が悪い時でも自己犠牲してやらなければならないか? ですが、
確かにその程度は、判断基準の中に入るかもしれませんが、結論をいうと、当然、体調優先です。
前半で説明した、これまでの自己犠牲は、意味のない自己犠牲のことでした。
この一つ目のご質問は、お客様のためにやらなければいけない仕事に対して、担当の自分(もしくは他のだれか、でも同じです)が体調悪い時のことです。
この場合でも、自己犠牲というものは要りません。
なぜなら、全ての人が、共通して持っている
『人は、なんのために生きているか?』の答えが、
『人は、幸せになるために生きている!』からです。
体調を悪くして無理して仕事をすることはありません。
自己犠牲というよりも自己満足に近い感覚です。
そう思うこと自体は、悪いことではありません。
特に日本人は、他の人に迷惑をかけたくないと思っているので、できる限り自分で解決しようとします。
多くの日本人は、その程度の自己犠牲って、普通に許容範囲内だと思っています。
確かに仕事の内容と、体調の程度次第で判断すればいいことであるので、一概に決めることはできませんが、それでも『無理』をする必要はありません。
それは、机上の空論、正論なだけで意味ないです。と言われますが、
思考停止させてはいけません。
当日、風邪で熱が出て起きれなかったことって、普通にあります。
いいかどうかではなくて、普通にあります。想定外にはなりません。
それに、そういう場合でもなんとかなっています。
なんとかならないのは、その会社の実力です。
(基本的な課題がここにあります)
もちろん、大変な状況になることもありますが、なんとかなりますし、その状況を対応できないのは会社の課題です。
これは、担当者個人に追わせる話ではありません。
属人性、その人個人のせいにするのは違います。
問題の多い会社、組織は、属人性が高いです。
〇〇さんしかできない。〇〇さんの担当だから(誰も手を出さない)。
つまり、丸投げ状態です。
ここで、リーダーの役割を再確認しましょう。
ビジネスは、組織(会社)として求められている成果を出すのです。
一人でやっている方も、視座を高くして全体像を見ると、完全に一人ということはないはずです。
そして、会社の場合は、組織で役割を設定されています。
組織で成果を求められています。
組織のリーダーは、組織で求められている成果を出すことが役割です。
そして、病気や体調、外せない用事などで作業できない時間が発生することって当たり前に存在します。これは、単に『課題』なだけなので、それに対応できるように準備しておけばいいわけです。
それは、だれか?
→もちろん、リーダーです。組織で成果を出すことを求められているリーダーです。それが役割です。
そのために必要なことが二つあります。
『全体像の共通認識』と『多能工』です。
全体像の共通認識は、別途、業務改善、生産性向上などで取り上げますが、
全ての仕事は、作業のつながりであるので、最終的に成果を出すには、
『求められている成果』→『全体像』→『全体フロー』→『業務フロー』→『作業フロー』と、全てが正しく繋がっている必要があります。
成果につながる作業の流れや課題となるボトルネックや、ここの環境などを考慮して決めた戦略や戦術と、それに対応したそれぞれの役割を正しく認識することです。
単に知っているだけではダメです。
全体像の中に、分割された仕事、つまり、それぞれの役割設定があり、その内容の関係性も見えていなければ成果につながりません。
だから、全体像を、関係するメンバーで同じ認識で見えていなければいけません。
例えば、サッカーで、自分たちの特徴や能力と相手の特徴や能力などの分析から導き出した勝つための戦略があって、それに対して各ポジションごとの具体的な役割を設定する。で、実行するわけですが、その瞬間瞬間での変化に対応するために、一つのポジションでの基本的なやり方だけをやり続けていると負けてしまいます。
本来、勝てる戦略を実行するためには、ポジションごとの役割をこなせない状態の時には、その状態に持っていけるように、周りでサポートする。
多能工を持ち出すと大袈裟かもしれませんが、何を、なんのためにやっているかは、前工程、次工程、つながり工程、それぞれ知っておく必要があります。
そして、こなせる程度でいいので、マスターしておく必要があります。
だれかが、、、です。全員が完全なる多能工である必要はありません。
それを考えて準備するのが、リーダーです。
誰かの想定内の異常状態で、みんなの努力が無駄にならないようにするのが、リーダーです。
そのための権限も持たされています。
プロだからです。
そのためには、必ず成果につながるやり方を確立させておく必要があり、そのやり方は、ちゃんと最小単位での作業分解ができていないとダメです。
二つ目の、お客様への価値の提供に直接的に関与していない仕事の場合は、どう考えればいいか?について、ご説明します。
これも、『お客様への価値の提供』のビジネスの基本をしっかりと抑えれば、わかります。
商品やサービスそのものを作ったり売ったり届けたり、という直接的な仕事はわかりやすいですが、自分たちの存在意義、役割をもう少し多面的に考えてみましょう。
会社を創業して、お客様に商品を買っていただいた、ということは、お客様にあなたの会社の存在、あなたの会社の商品の価値を認められたということです。一度認められたら、それは、社会全体に対して、役割として設定されたということです。
とすると、単に商品の提供というだけではなくて、それを、その役割を演じ続けることを要求されているということです。
だから、間接部門とか本社部門とか言われている営業や製造とは異なる部門の方々の仕事って、会社を存続し続けること、価値の向上、などと、存続し続けるための作業を行います。ルールを守ることとして商法関係などの法律や税制対応、資金対応、コンプライアンス、、、これら全ては、お客様への価値を提供し続けるためです。
だから、ここでも、お客様への価値の提供という役割と反する行為を、『会社のため、、、』というのは、自己矛盾となり、許されません。
◆まとめると
『会社のために、、、』とか、『自己犠牲してでも、、、』なんて言葉が出ている会社は、異常です。現状からの改善や成長は見込めません。
本来の存在意義そのものを否定している。自己矛盾しているからです。
意味の無い作業に逃げないで、目的や目標をしっかりと見定めて行動しましょう。
上司が、こういうタイプの人の場合は、対応が難しいと思いますが、やり方はあります。誰か味方になる人を探す。
上司の言っていることって、先を見えていないので、本来の目的に合わせて微修正し、成果を出してみる。
経営層の方、部課長さん達、
もし社内で、そういう言葉を聞くことがあれば、それは危険な状態です。
軽く流さないで、まず、目的を再整理して、その言葉が出てきている原因を突き止めましょう。属人性ならずに、あらゆる状況、環境を確認して原因を解き止めて、その原因のほうに手を打つようにしましょう。
言葉にすると、こういうことですが、簡単では無いようです。
多くの有名企業が、この罠にかかってしまっています。
企業理念と書く役割設定及び自分たちの仕事の定義をしっかりと繋げて行う本質的な研修も有効です。
ポイントは、知識の研修にしないことです。
思考回路を起動させる訓練を伴う研修にすることで、行動につながります。
日々の小さいことも含めて敏感に察知するようにしましょう。
みなさんは、
間違えても、『会社のため、、、』『自己犠牲してでも、、、』の言葉に流されないで、自分を守りましょう。
思考停止させないで、考えておきましょう。
まずは、
『会社のために、、、』っていう言葉でごまかされない意識を持ちましょう。
『自己犠牲』って全く意味がないので、それが出てくる時は、危険信号として意識しましょう。
そして、、、
少なくとも、自分一人は、最後まで自分の応援団で居続けましょう。
本当に困ったら、ご相談ください。
<補足>
その状況での上司や経営層は、ビジネスのプロとして考えることを、プロとして行動することを、プロとして存在することを自ら否定しています。
考える途中で、能力が無いと思ってしまって、防衛本能が働き、思考停止することがありますが、うまくいかない時は、そもそもの目的を思い出すことと、うまくいかない原因を解決する方向に行動しましょう。
担当レベルの自分一人では、うまくいかないことの方が多いので、周りを巻き込みましょう。
今までコーチングしてきた企業や組織の方々が自走できるようになるまで変わっていますが、それなりに時間はかかります。思考回路をしっかりと正しく構築する必要があるからです。
(ご相談いただければサポートします)
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