日本モンキーセンターのツイート趣旨について考えること思うこと

こんにちは、BlueGlassesと申します。

普段表現の場としてnoteを扱うことは無いのですが、今回少し気持ちを整理する意も込めてキーボードを叩こうと思い、投稿を考えました。

さて、この度は題の通り日本モンキーセンターのTwitter投稿にまつわる一連の問題について、主に該当ツイートの趣旨は何だったのか。どのあたりが投稿を目にした人に不適切感を与えたのかについて個人が思うところを簡単に書きたいと思います。

また、最初に断りますがこの話題は本来大変デリケートなものです。受け手の立場・年齢・性別によっても感じ方が大いに変わるものであると考えています。参考までに私は20代後半の男性です。
あくまでそのような一個人の思うところ、ということでご容赦願います。
このページに記す内容にいかなる人をも傷つける意図はありません。

では参りましょう。

・該当ツイートを読む


私が日本モンキーセンターのツイートにまつわる問題(以下本件とします)を最初に確認したのは11/6の午前ですが、その時点で該当ツイートは削除対応がなされ、所長による謝罪文がHPに掲載された後でした。そもそも該当ツイートは10/28以前に投稿されたものであり、昨日までに徐々に大事になったという印象です。
このページを御覧の方は既にキャプチャやその他で該当ツイートを見た方も多いかもしれませんが、ここでは引用という形で掲載いたします。

「シロガオサキの『モップくん』が大好きなんです!」と来園してくださる方は素敵なお姉さまばかりだと思っていましたが、なんと!本日はじめて『女子』にお会いしました!!

すごく喜んでいると思います。
モップくん担当の(飼育員名)が。 (飼育主任名)

# 素敵なお姉さま方いつも応猿ありがとうございます好きです

(飼育ケージと向かい合う一人の若い女性と思しき人物の後ろ姿の画像が一枚貼り付け)
※ハッシュタグ間のスペースは本ツイートに無し
※飼育員名・飼育主任名は伏せています

以上が今回問題となったツイートの全内容です。

全体感として要約して4つの部分に分けると、

1.シロガオサキのモップくん目当てでの来園者は普段は「お姉さま」ばかりだが、初めて「女子」が訪れた。

2.モップくんではなく、担当飼育員が1.の初めてのモップくん目当ての女子の来園を喜ぶだろうと示唆する

3.ハッシュタグにて普段の来園者である「お姉さま」への感謝を述べる

4.若い女性(かつ初めてのモップくん目当ての来園者)と思しき後ろ姿の写真

と分けられるでしょう。
それぞれについて「客観的に」「問題があるなら」「好意的に」の3つの視点から読んでみます。


1.シロガオサキのモップくん目当てでの来園者は普段は「お姉さま」ばかりだが、初めて「女子」が訪れた。


まず前提として、ここでの「お姉さま」は恐らく女子(~20代)との対比から壮齢・年配の女性を表すと考えます。

・客観的事実
モップくん目当ての来園者は文字通りほとんどが壮齢・年配の方ばかりで、誇張かもしれないが投稿者の記憶にある限り初めてのモップくん目当ての若い女性の来園であった。

・問題があるなら
園の維持費の多くは入場料で賄われているはずであり、普段の来園者である年配・壮齢の女性をないがしろにするかのような内容となっている。
また、来園状況的に年配・壮齢の人間が多数なのであれば同時に「若い男性」の来園も希少であるはずだがここでは女性の来園にフォーカスを置いている。そこから普段から女性の来園者ばかりを観察しているのではないかという推論。

・好意的な視点
モンキーセンターの普段の来園者は壮齢・年配の方が多いので、若い人にも興味を持ってもらえているという体外的なアピール。
また、同年代で比較したところ男性の方が多いので女性にも興味を持ってもらえるように・持ってもらえているという体外的なアピール。

以上のように考えられます。
来園者の内訳は公開されていない内容であり全て私の推論です。

ここでの焦点は
・女性に焦点を当てる必要があったか
・壮齢・年配の来園者はないがしろにされているか

の2点かと考えられます。

後者の話を先にすると、真偽は定かではありませんが既にTwitter上で以前からの支援者が年配・壮齢をネタにされたと感じる・残念だとするツイートが散見されます。(猿と掛けて"支猿""応猿"という用語が用いられるようです。気になる方は検索を)

前者に関しては難しく感じます。
まずHPの言葉を借りるなら添えられた文言によって多くの人を傷つける可能性のある内容は投稿すべきではない、となります。
これは多くの方の考え方とも重なるでしょう。自分もこの考えです。

しかし、コロナ禍の現状モンキーパークは4月より臨時閉園・5月より部分開園を行っている事実があり(HP参照)、例年に比べ経営的に困難な状況に陥っていることは想像に難くありません

何の考えもなかった可能性は否定できませんが、新しい来園者層の開拓の一環としての投稿だった可能性もまた否定できません。
その場合はこのアプローチが必ずしも間違いとは言い切れないかもしれません。
これは個々の受け取り方により分かれるところでしょう。


2.モップくんではなく、担当飼育員が1.の初めてのモップくん目当ての女子の来園を喜ぶだろうと示唆する


・客観的事実
担当飼育員がどう思ったかは定かではないが、投稿者(飼育主任)は担当飼育員(飼育技術員)が初めてのモップくん目当ての女子の来園を喜ぶだろうと思った

・問題があるなら
明らかに壮齢・年配の女性の来園よりも若い女性の来園を男性飼育員(HP参照)が喜ぶと示唆する表現があり、投稿者の飼育主任(男性)のフィルターも通ることで少なくとも一人の男性スタッフが若い女性の来園者を性的に捉えている可能性がある
飼育主任が推測していることからも普段から担当飼育員は若い女性の来園で喜んでいるのでは、という推論も成り立つ。

・好意的な視点
該当ツイートでは単に若い女性の来訪を喜ぶとは書かれておらず、「モップくんを目当てにした」若い女性の来訪を喜ぶだろう、と記述されている。担当飼育員であれば自分の担当するモップくんに新しい層のファンが付くことは嬉しいだろうと投稿者の飼育主任が推測した可能性がある。主語を後から書きミスリードを誘ったのは単にツイートにユーモアをもたせる意があった可能性。

ここでの焦点は
・投稿した飼育主任は飼育員の気持ちを推測した投稿をすべきだったか
かと考えられます。

Twitterをみる限り多くの議論の場において争いの種となっているのはこの部分でしょう。
飼育員が女性を性的に意識したかどうかを焦点とすべきだという考えもあるかもしれませんが、一旦前提の「あくまで投稿者が飼育員の考えを推測した」という事実まで戻りましょう。

この場合、
・モップくん目当ての新規来園者は担当者として当たり前に嬉しい
・普段から若い女性の来園を喜ぶフシがある
・ユーモア性を持たせるために投稿者が(勝手に推測して)付け足した
の3つの可能性が考えられます。両方かもしれません。

さて、3点上げて書きながらに思いますが正直この部分に関しては全面的に投稿すべきでなかったと考えます。

もちろん1つ目の「モップくん目当ての新規来園者は担当者として当たり前に嬉しい」というのは事実の一つでしょう。他のツイートやyoutubeチャンネルの投稿をみる限り飼育員の方の熱心さは疑いようがないように私は感じます。

しかし続く2点を考慮した場合、明らかに多数の人間に誤解を与える・不快な思いをさせる可能性があると考えます。
もちろん、全く・然程不快感を抱かなかったとする女性視点の投稿も見受けられますが、
同時に自らが対象でなくとも女性が性的に見られた可能性のある事案が「公式にあった」という事実は多くの人にとって不快な事実であったとtwitter上では証明されています。

もちろん頭では何を思おうと勝手であり仲間内で話すこともまた自由ですが、今回は推測であったとしても・事実がなかったとしても記述すべきでなかった、認識が甘かったと考えます。


3.ハッシュタグにて普段の来園者である「お姉さま」への感謝を述べる

・客観的事実
来園者のうち、壮齢・年配の女性に対して改めて謝辞を述べている

・問題があるなら
先で若い女性の来園を喜んだ上でハッシュタグにて手のひらを返すように壮齢・年配の女性に対して改めて謝辞を述べるのは「ついで」であるような、金づるとして見ているような印象を与える。

そもそもいつも応援ありがとう・好きですというのはモップくんの考えを表しているのか、飼育員の考えであるのか定かではない。

・好意的な視点
先では若い女性の希少な来園を喜んだが、もちろん普段の来園者のお姉さま方の支援も忘れていない、というユーモアを含んだアピール・配慮。また純粋な感謝。


ここでの焦点は
・ハッシュタグの内容としてふさわしかったかどうか
かと考えられます

結論から言うと壮齢・年配の女性は小馬鹿にされた印象を持たれた方も少なくなかったのでは、と考えています。
客観的にみて純粋に感謝を述べる場合若い女性との対比後にするくらいなら書かないほうが良いかもしれません。

ただし、1.の内容が上で触れたとおり新規来園者層が開拓されつつあることのアピールであるとするならば、古参の支援者についでであっても感謝を述べるのは妥当でしょう。しかしやはりついでである感・感謝の薄い感じは拭い切れないように思います。

もちろん受け取り方は千差万別であり、一個人が推測すること自体間違いです。この点に「来園・支猿経験者のお姉さま以外」が口を出すのはお門違いというものです。

4.若い女性(かつ初めてのモップくん目当ての来園者)と思しき後ろ姿の写真


・客観的事実
一人の若く見える女性が檻と向き合っている

・問題があるなら
若い女性をアイコン・コンテンツとして消費をすることに拍車を掛けている可能性がある

・好意的な視点
写真は無断投稿でないと謝罪文に明記されており、来園者合意のもと園のPRに用いられている。
これを見た女性の来園の決め手になる可能性がある・来園した姿を想像しやすい。

ここでの焦点は
・ツイートの目的、趣旨は何だったか
だと考えます。

写真は本人の掲載許可が降りている事実があり、PRに用いるならこの上ない材料でしょう。
ツイート分の内容とも一致します。猿は好きだけど一人で行くのは…と来園をためらう女性や男性の背中を後押しする効果も十分です。

一方、邪推すれば2.で扱った部分と合わせて「来園すればこんな若い女性に会える」と男性に訴えかける効果を狙っている可能性もある、と言えなくもないでしょう。本文あって成り立つ邪推です。やはり2.の部分が良くなかったと個人的には考えます。

さて、正直画像内容に関しては何の問題も無いと考えます。
これが性的消費にあたるなら世の中の若い女性を被写体にしたPR画像は全てアウトでしょう…

3.と同様、許可がある以上本人以外が口を挟むのはお門違いです。該当ツイートのキャプチャを貼って騒ぎ立てるのは言語道断、個人の特定に繋がります。この記事を見ていて心当たりのある方、直ぐに削除しましょう。

まとめ

今回のツイートにまつわる問題についてのポイントは

・女性を性的にみることを示唆する内容は不確定でも公式ツイートで扱うべきではない(炎上の一番のポイント)

・年齢に関する話題も同様避けるべきだが、該当者以外が騒ぎ立てるのはお門違い。

・好意的にツイートを読むなら、普通のコロナ禍において新規来園者層を獲得しようとする園のPRである。

あたりでしょうか。
いずれにしても日本モンキーセンターが日本有数の霊長類を飼育する施設であることに変わりはありません。いたずらに騒いで希少な・貴重な動物の生命が脅かされないよう配慮したいものです。

おわりに


最近女性蔑視・性的消費が話題に上がることも多く、このページを最後まで御覧のあなたも少なからず関心を寄せる一人だと思います。
自らは専門家でもなんでもありません。
ただの一般人ですがそれでもこれは過剰じゃないか。それは論点がずれていないか、と感じることは少なからずあります。

性差から生じる感性の違いも、自らの置かれている立場の違いもあります。この記事で述べた私の考えに疑問のある方もいるでしょう。

そのときに徒に騒ぐのではなく、少し時間を割いて問題に向き合い、起こった背景・相手の立場を考えられるようにしたいと思います。


お付き合いいただきありがとうございました。



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