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第23回:ChatGPT前の時代の3倍速でビジネス英語をペラペラになる方法

こちらのマガジンではChatGPT前の時代の3倍速でビジネス英語をペラペラになる方法をご紹介してきましたが、それぞれの学習方法がばらばらになりがちなので、こちらの記事で一度それらをまとめます。

ChatGPT前の時代の3倍速でビジネス英語をペラペラになるためのポイントは4つ

ChatGPT前の時代の3倍速でビジネス英語をペラペラになるためのポイントは4つです。

① 1日90分は英語に触れる

第22回の記事でふれた通り、5~10年くらいでビジネス英語をペラペラになるために必要な1日に英語に触れる必要がある時間は90分です。

ここにおける「ビジネス英語をペラペラになる」の定義は、「ビジネスの相手が協力的ではなく競争的(または敵対的。日常生活の時のように「英語は文法が正しくなくても伝わればよし」とは言ってもらえず、自分が不正確な英語を話したら相手に露骨にフラストレーションを表明される)なシチュエーションでもどういう複雑な内容でも日本語でなら話せることの90~95%の内容は英語で伝えられるレベルに到達すること(そのためには正確なリスニング力も含む)」です。

第22回の記事などでもご紹介している通り、英語にふれる時間が1日90分といってもデスクに向かって集中して学習する必要があるのはそのうち15~30分程度で、これを確保できないのであれば自分で思っているほど英語を学習したい/しなければならない状況というわけでもない可能性があります。

②「サッカーを上手くなりたいのに野球を練習する」をやらない(選択と集中)

筆者は、英語学習というのは「スポーツ」のようなかなり広いくくりだと考えています。

ビジネス英語をペラペラになるための学習と、たとえばTOEIC、英検、IELTSでより高得点をとるための学習は、スポーツでたとえるとサッカーと野球ほどに全く異なります。

つまり、ビジネス英語をペラペラになりたい人がTOEIC、英検、IELTSを学習するのは、サッカーをうまくなりたい人が野球を一生懸命学習するような状況になってしまいます。

もちろん、野球を一生懸命練習したらスポーツ全体を通じるスキルが向上して、なにもやっていない人よりはサッカーもうまくなるかもしれませんが、それをするのであればまだたまに適当にサッカーを練習した方がサッカーはうまくなるかと思います。

念のため、たとえばTOEICの学習はもちろん英語の基礎体力向上につながることに加えて、スコアを取得すればビジネスにおいても「実力」と同じくらい大切な「経歴」に確固たる実績として刻まれるため、筆者はTOEICなどの英語試験の否定派では全くありません。

また、スポーツでいうと異なる複数のスポーツを学ぶのは自分の専門のスポーツにもいい影響を与えることがわかってきているようで、エリート・キッズ・アスリートには異なるスポーツも学ぶことが奨励されているように、ビジネス英会話だけではなく日常英会話や試験英語を学習することもビジネス英会話にいい影響を与えると思います。

一方で再度、日本では「ビジネス英会話と試験英語がサッカーと野球ほどの距離がある」ことが認識されていない可能性があると思い、こちらで1つの項目としてあげました。

サッカー、野球のたとえとは異なり英語は将来的にネイティブ並みになりたいのであればいつかは全部学習しなければなりませんが、足元ビジネス英会話をペラペラになりたいのであれば、ビジネス英会話の向上に関係があるところのみを集中的に学習することで、選択と集中を行わない場合と比べて英語の学習時間を短縮できます

③ 難しい単語を数千語学習するのではなく、より基本的な単語、フレーズを数千個アクティブ・ボキャブラリ化する

筆者も実は最近まで英語のニュースを読んでいて分からなかった単語(belligerent, valorization, fling, concussive, atrophy, mace など)をWeblio単語帳に登録して通勤電車の中で学習していたのですが、これらは通常のビジネス・シーンではほぼ使わないため、これらを何千個学習してもとくにビジネス英会話は上達しません。(ということを筆者は身をもって学びました。)

熟語もあるとき千個くらい覚えましたが全然実際のシーンで使うことはなく、書籍で英会話でよく使うフレーズというのをやはり千個くらい覚えたのですが、これもやはりほとんど使うことはありませんでした。

いろいろ試行錯誤してみて難しい単語、熟語、フレーズの学習よりも目にみえて自分のビジネス英会話の向上にヒットするのは、

  • 基本的な単語のアクティブ・ボキャブラリ化

  • 基本的な単語の可算/不可算、単数形/複数形の整理

だとみえてきました。

単語のアクティブ・ボキャブラリ化というのは、「その単語をなんとなくは分かる」状態(パッシブ・ボキャブラリ)から「微妙なニュアンスも含めてその単語を完全に理解した上で会話中にとっさに使える」状態にすることです。

たとえばTOEICで700点以上とれる方で英単語 "process", "procedure" という単語をわからない方はほとんどいないと思います。

一方で、ではビジネス・シーンであるプロジェクトについて話しているときに、自分で "process" と "procedure" のニュアンスの違いを理解してとっさに話せるでしょうか。

”Process” と "procedure" のニュアンスの違いは以下の通りです。

【"Process" と "procedure" のニュアンスの違い】
「Process(プロセス)」は、特定の目標や結果を達成するための全体的な流れや一連の活動を指します。プロセスは、複数の手順やステップが含まれており、それらが連携して全体の成果を生み出します。例えば、製品開発プロセスは、市場調査から設計、製造、品質管理、出荷までの全体の流れを指します。

「Procedure(手順)」は、プロセスの中の具体的な個々のステップやアクションを指します。手順は、特定のタスクやアクションをどのように行うかを詳細に説明するものです。例えば、製造プロセスの中の「組み立て手順」は、組み立て作業の具体的なステップを詳細に記述しています。

つまり、"process" は広い概念であり、"procedure" はそのプロセスの中で実行される個々のアクションやステップを指すより具体的な概念です。このため、"process" は全体像を捉える際に、"procedure" は具体的なアクションを詳細に述べる際に使用されます。

"Process", "procedure" のニュアンスの違いを使いこなしていなかった方が多いのではないでしょうか。

長年日本で謎とされてきた、「なぜTOEICで高得点をとれるのに英語を話せないのか?」は、(最近までの筆者を含め)みんな難しい単語を覚える方にはしってより基本的な単語のアクティブ・ボキャブラリ化にほぼ手を付けないからです。

最近までの筆者を含め、TOEICで700点以上とれる人はまさか今さら自分が coin, unconsciously, process, budget, profit, earning, compile, M&A, territory, standard などの基本的な単語をどれもきちんと理解していないとは発想できない罠にはまりがちなのです。

(筆者が上記であげた10個の基本的な単語の意味または可算/不可算、単数形/複数形を正確に理解している日本人は、ほとんどいないと思います。)

(最近までの筆者のように)これまで基本的な単語のアクティブ・ボキャブラリ化をほぼ全くやっていなかったのであればこれから数千~1万くらいは覚えることになりますが、"process", "procedure" の違いのようなものを5千個覚えるのは、難解な単語(laureate, malleable, treason, heresy, gluttony, excruciating, debunk, aperture など)を5千個覚えるのに比べればはるかに楽です。時間はかかりますが楽なので、ビジネス英語をペラペラになるためにやっていきましょう。

可算/不可算、単数形/複数形については冗長になるのでこちらでは学習法は割愛しますが、これも一定程度体系的に学習しないと "He play the tennis every days." と同様の英語を堂々と話すことになってしまいます。

もちろん "He play the tennis every days." でも本当は "He plays tennis every day." と言いたいことは99%わかるのですが、ビジネスにおいて協調的なものではなく競争的/ストレスフルな状況の場合、一定以上不正確な英語はもともとピリついている相手方のフラストレーションを加速してしまうというデメリットがあります

こちら(基本的な単語のアクティブ・ボキャブラリ化、可算/不可算、単数形/複数形)についてはまだまとめて記事にしたことがなかったため、近日個別に記事にします。

④ ChatGPTをフル活用する

これは当マガジンの中心的なコンテンツにしていますが、主に

  • ChatGPTとQ&Aセッションを行い流ちょうにビジネス英語を話す力をトレーニングする(同時に文法、表現も学習する。基礎体力の向上)

  • ChatGPTとロールプレイを行うことで特定のシチュエーションで使う英語表現を非常に短い期間(数日~数週間)でマスターする

  • ChatGPTに自分がビジネスで接しうるシチュエーションのモデル・スクリプトを出力してもらい、言い回し、単語や文章の構成について自分の引き出しを増やす(基礎体力の向上)

の3つの学習を行うことで、英検2級やTOEICで650点以上とれる人であれば5年といわずもっと短い期間でも様々なシチュエーションで、プレッシャーのある状況下でもより多くのことをすらすら英語で話せる・返せるようになってきていることを実感できるかと思います。

まとめ

こちらの記事ではChatGPT前の時代の3倍速でビジネス英語をペラペラになるためのポイントをまとめたといいつつ内容の半分くらいは基本的な単語のアクティブ・ボキャブラリ化についてのものとなりましたが、私たち日本人が基本的な単語のアクティブ・ボキャブラリ化を誰もしなかった/できなかったのは、ChatGPTがないとそんなことをする学習方法がなかったからでもあります。

教科書でも辞書でも行うことが困難だった基本的な英単語のアクティブ・ボキャブラリ化をChatGPTを用いて行うことにより、ぜひごビジネス英語をペラペラになるためのご自身の学習速度を加速してみてください。



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