見出し画像

第28回:生成AI時代の英語フラッシュカードの作り方

こちらの記事では、生成AI(ChatGPT)を用いて英単語・熟語をこれまでよりも深く効果的に覚えるための自作フラッシュカードの作り方についてご紹介します。


1.生成AI登場前と登場後のフラッシュカードは

これまで自作のフラッシュカードを作って英語学習に活かしていた方は、紙のフラッシュカードにご自身で記入する、またはAnkiなどのフラッシュカード・アプリにテキストを打ち込んでフラッシュカードの作成を行われていたかと思います。

そして、そのフラッシュカードの内容は

表面:日本語(または英語)の英単語、熟語、フレーズや文章を記入

裏面:表面の対となる英語(または日本語)の英単語、熟語、フレーズや文章(=表面の答えとなる内容)を記入

のように作られることがほとんどかと思います。

表面が日本語で裏面が英語というのが瞬間英作文にあたり、これは生成AI時代には

自分がビジネス英会話をぺらぺらになりたいシチュエーションのモデルスクリプトを生成AIで出力

さらにそこにでてくる1文1文を(生成AIで)瞬間英作文にする

ことで自分で作れることを、こちらのマガジンでもご紹介してきました。

こちらの記事では英語の単語、熟語、フレーズを生成AIの登場前よりも効果的に覚えるためのフラッシュカードをご紹介します。

2.生成AIで作成するフラッシュカードの内容は

まずは、筆者が「対応する」という意味の英単語 "address" を覚えるためのフラッシュカードをChatGPTに作成してもらったので、それをご紹介します。

(何回か試行錯誤してChatGPTに出力してもらったため、筆者のプロンプトは省略します。)


表面

"Address" - 深く学ぶフラッシュカード

  1. 定義:

    • To think about and begin to deal with an issue or problem in a focused and often formal way.

  2. 同義語 (Synonyms):

    • Deal with, handle, tackle, approach.

  3. 対義語 (Antonyms):

    • Ignore, neglect, overlook.

  4. コロケーション (Common Collocations):

    • Address an issue/problem.

    • Address concerns/questions.

    • Address a challenge/threat.

  5. 例文:

    • "The company must address the issue of declining sales."

    • "We need to address the concerns raised by our stakeholders."

    • "The government must address the challenges posed by climate change."

  6. 日本語比較:

    • 「対処する」には "address" と "handle" の違いがある。

      • "Address" はフォーマルで計画的。例: "We need to address the root cause of the problem."

      • "Handle" はカジュアルで即時的。例: "I’ll handle this customer complaint."

  7. 文脈:

    • ビジネス: "We must address the customer complaints immediately."

    • 社会問題: "The initiative addresses environmental concerns."

    • 個人: "She decided to address her stress by meditating."

問題:

  1. Fill in the blank (3問):

    1. "The manager needs to ______ the issue of poor team communication."

    2. "The company must ______ the challenges of a declining market."

    3. "We need to ______ the customer concerns raised during the meeting."

  2. Translate this sentence into English (5問):

    1. 「政府は気候変動に対処する必要があります。」

    2. 「私たちは顧客の苦情に迅速に対応しなければなりません。」

    3. 「この問題の根本原因に取り組むべきです。」

    4. 「彼らはセキュリティの懸念に対処することを約束しました。」

    5. 「会議で新しい戦略について議論する必要があります。」


裏面

解答と補足

  1. 解答:

    • Fill in the blank 解答:

      1. "The manager needs to address the issue of poor team communication."

      2. "The company must address the challenges of a declining market."

      3. "We need to address the customer concerns raised during the meeting."

    • Translate 解答:

      1. "The government needs to address climate change."

      2. "We must address the customer complaints promptly."

      3. "We should address the root cause of this problem."

      4. "They promised to address the security concerns."

      5. "We need to address the new strategy during the meeting."

  2. 補足説明:

    • "Address" は問題を正式に取り上げて解決することを意味します。特にビジネスやフォーマルな場面で多用されます。

    • 例: "We need to address this issue before it escalates."

  3. 応用例:

    • 問題の根本原因に焦点を当てる際によく使われる。

      • "The report addresses the root cause of the crisis."

    • 利害関係者との対話でも使える。

      • "The CEO addressed the employees’ concerns during the town hall meeting."


3.上記のフレームワークに沿って他の英単語、熟語のフラッシュカードを出力するプロンプト

上記のフラッシュカードの例をChatGPTのプロンプト入力欄にコピーして、加えてその下に

ーーー
上記のフレームワークに沿って、「●●(日本語)」という意味の "●●(英語)" を覚えるためのフラッシュカードのコンテンツ(表面、裏面)を出力してください。

※ 「「●●(日本語)」という意味の」という部分は、(通常は複数の意味があることが多い中)ある英単語、熟語の特定の意味のみ覚えたい場合のみ必要です。

と加えてプロンプトを送信すると、ChatGPTが対象となる英単語または熟語のフラッシュカードを出力してくれるので、あとはそれをAnkiなどのフラッシュカード・アプリに入力してフラッシュカードの作成が完了します。

4.「深く理解する」自作フラッシュカードで学習する対象は

こちらの記事では生成AIで作成することが可能になった、ある英単語・熟語を「深く理解するため」のフラッシュカードの作成方法をご紹介しました。

こちらでは、第27回

でご紹介したような、ある英単語・熟語をアクティブボキャブラリ化する、深く理解して使いこなすためのフラッシュカードの作成方法をご紹介していますが、全部の英単語・熟語をこの方法で覚えていると日が暮れてしまうため、

  • とくに短期間で深く覚えたい英単語・熟語

  • とくに自分が重要性が高いと感じている英単語・熟語

  • 英単語帳や通常のフラッシュカードで覚えてもなかなか頭に入ってこない、覚えられない英単語・熟語

をこちらの方法で学習していくとよいと思います。

(筆者は足元 "address", "involve", "engage in" をこの方法で自分の頭に定着させようと思っています。)

今回は英単語・熟語を深く理解するためのフラッシュカード作成方法についてご紹介しましたが、文章レベルの長さのものを生成AIを活用してフラッシュカードで学習する方法についても別の回でまとめていければと思います。



いいなと思ったら応援しよう!