クライマーの生理学「タンパク質について①種類」
この記事は
・タンパク質の種類はどんなものがあるのか
・プロテインとは
・アミノ酸とは
・BCAA(分岐鎖アミノ酸)とは
・EAA(必須アミノ酸)とは
これらのことについて書いてあります。
そして、以下のことが気になる方は、関連記事は連続で投稿されますのでフォローお願いいたします。
・限界グレードを押し上げたい
・健康な体を手に入れたい
・筋肉をつけすぎずに鍛えたい
・筋肉を効率よくつけたい
・プロテインはどのくらい飲めばよいのか
・摂取タイミングはいつがいいのか
記事の大部分は無料で読めるようにしてありますので是非読んでいてくださいね。
なぜこの記事を書こうと思ったのかを説明いたしますと…
それは、僕が四段クライマーになることができた理由の1つは、「食事についてしっかり考えられるようになったから」だと自負しているからです。
ちなみに、尾川とも子さんのブログではこう書いてあります。
R-30ボルダリングの心得4つを言いますと 、 一、毎日0.01mmのチリの積み重ねが山となる。
一、体はすべてつながっている。
一、心が体を作って、体が心を作る。
一、人間、食べたもので体ができている。 引用:Heartful bouldering システムボートのトレーニングと心得
恐れ多くも尾川さんの言葉に付け加えさせていただきます。
0.01㎜のチリを積み重ねたところでできる山はたかが知れています。
知識や経験をあなたの体に吸収させることで、このチリはどんどん大きくなっていくのだと思います。
自分で試行錯誤していくうちに、積み重ねるものがどんどん大きくなり、知らぬうちに高い山となるのです。
試行錯誤やチャレンジのないクライミングは、0.01㎜のチリをずっと積み重ね続けているということです。
積み重ねるチリを僕の記事を読んで少しでも大きくしていただけたら幸いです。
蛇足を書いてしまいましたが、尾川さんのブログには「そうだよなぁ~」と思うことたくさん書いてあります。ぜひ読んでみてください。
さて、そろそろ本題。
皆さんもご存じの通り、傷を修復したり、筋肉(パワー)をつけるにはタンパク質が必要です。
1.タンパク質とは
僕たちの体は15~20%はタンパク質でできています。
主に、筋肉や内臓、肌、髪、爪、などを構成し、酵素やホルモンの材料になります。
糖質や脂質のエネルギーが足りない場合、体を動かすためのエネルギーにも使われます。
僕たちが食事として体内に入れるタンパク質には「植物性」と「動物性」のタンパク質があり、植物性タンパク質にはナッツや豆類が含まれ、動物性たんぱく質には肉や魚、卵や乳製品が含まれています。
2.タンパク質の「種類」を考える~プロテイン~
ここからは、タンパク質の”質”や”種類”について考えていきましょう。
まず初めに勘違いしている方はここで修正しておきましょう。
プロテインはズルではないということ。
そして太らないということ。
タンパク質=プロテインです
プロテイン…、、、薬?ドーピング?って勘違いしている人、結構多いみたいです。
プロテインは合法ですし、害のあるものでもなければ、ズルでもありません。
プロテイン飲むと太っちゃう…っていうのも勘違いです。
それはプロテインで太っているわけではなく、その他の食事で太っています。
なぜなら、タンパク質には食欲を抑える効果や満腹中枢を刺激する効果や消化するためのエネルギーを多く使うからです。(後の記事で詳しく説明します)
また蛇足が長くなってしまった…
ではでは、
まずはプロテインの種類から説明いたします。
プロテインの種類は大まかに「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」。
ホエイプロテインとカゼインプリテインは牛乳から抽出され、これらの違いは消化速度の違いです。
ホエイプロテインは1時間前後で消化できるのに対し、カゼインプロテインは6時間ほどかけて消化されます。
ソイプロテインは植物性の大豆タンパクから抽出され、消化は遅め(5時間ほど)です。
ちなみにコンビニで売っている明治ザバスのプロテインは80%カゼインプロテインです。消化吸収は遅いのです。↓
明治 ザバス ミルクプロテイン 脂肪 0 ココア風味 200ml×24本/3ケース
もしプロテインを飲むなら僕はホエイプロテインをオススメします。
普通の食事と比べてホエイプロテインのメリットは
・携帯できる
・短時間での摂取が可能
・狙った時間(ゴールデンタイム)に摂取できる
・狙った栄養素を補充できる
・血中アミノ酸レベルを一気に高められる
・余分なカロリーを摂らないで済む
・消化吸収が早い
・胃腸への負担が少ない
・免疫を高める
・ダイエットに役立つ
・安い
というような、普通の食事からタンパク質を摂るよりも効率的に、体に吸収させられるようになります。
運動する日のタンパク質は体重1㎏あたり2g以上の量が必要です。
体重50㎏の方は一日に100g以上のタンパク質が必要になる計算です。
プロテインは、普通の食事で足りなかったたんぱく質を補う形で飲むとよいでしょう。
3.タンパク質の「種類」を考える~アミノ酸~
僕たちが胃の中に入れたタンパク質は形を保ったまま体をめぐるわけではありません。
胃でペプチドとなり、小腸でアミノ酸に分解されて、血液に送られ、体の各部位まで到達します。
このように、”タンパク質”とは、多数の「アミノ酸」が結合したものを言います。
人の体を作っているタンパク質は、20種類のアミノ酸から構成され、体内で合成される11種類の「非必須アミノ酸」と、食事などで摂らなければならない9種類の「必須アミノ酸」があります。
「必須アミノ酸」はEAA(essential amino acids)と呼ばれ、「非必須アミノ酸」はNEAA(non-essential amino acids)と呼ばれます。
以下にアミノ酸たちの名前と、働きを説明していきます。
まずは、体内で作れる非必須アミノ酸から。
次に、足りない分を食事やサプリメント等で摂取するべき必須アミノ酸(EAA)。
■BCAAとは
さて上記のアミノ酸の表の中に(BCAA)という文字があったかと思います。
これはなにか。説明いたします。
BCAA(Branched Chain Amino Acids)とは必須アミノ酸の中の、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」のことを指します。
これらのアミノ酸は側鎖が枝分かれしている構造の為そう呼ばれています。
BCAAを飲む場合、一回の摂取量は体重1㎏あたり0.08g~0.12gの摂取が目安となります。(60㎏の方は大体6g前後)
BCAAを摂取してから、30分ほどで血中アミノ酸レベルが最高になり、2時間後には元のレベルに戻るのです。
プロテインとしてではなく、BCAAとして飲むことによる最大のメリットは吸収が早いことです。
デメリットはアミノ酸は消化の工程がない為、一気に腸に到達し、浸透圧を調整しようとして腸に水分が大量に入り込み、浸透圧性の下痢を引き起こしてしまうことです。
BCAAを摂取することで得られる効果は以下の通り。
・筋肉を増やす
・持久力を増やす
・体脂肪を減らす
・回復促進
・集中力向上
■EAAとBCAA
EAA(必須アミノ酸)とBCAA(分岐鎖アミノ酸)を比較したとき、これらのアミノ酸血中濃度の高まり方は同じです。
EAA、BCAA共に、約30分ほどで吸収されていきます。
まず、EAA15gとホエイプロテイン15gを比較したときでは圧倒的にEAAの方が効果的に合成されます。
EAAとBCAAを比べた時では、EAAの方が効果が18%高くなるようです。
ただ、EAAは少量だと効果が発揮されないこともありますので、15gの摂取が妥当みたいです。
参考にした文献はサンプル数8なので、なんとも言えませんが・・・
参考文献:Am J Physiol Cell Physiol
EAAのデメリットとしてはコストがかかることですね…
4.気をつけること
筋肉を増やそうとする場合、タンパク質のみでは効果が最大限発揮されません。
タンパク質+ビタミンやミネラルを摂取し、タイミングや量、ホルモンについてしっかり考えることで効果が上がります。
これらのことや、おすすめサプリメントを今後の記事でまとめていきます。
5.プロテインとアミノ酸(BCAA,EAA)どちらを飲めばよいのか
出典:グリコパワープロダクション
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