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Cal Raleighをすこれ
こんにちは。B-Cat(@BreakingBallCat)です。
いきなりですがここでクイズです。
24年シーズンにおいて、SEAの野手で最もfWARを稼いでいる選手は誰でしょうか?
「やっぱJulioでしょ」?違います。
「SEAに来てからイケイケのRobles」?これも違います。
「キャプテンでショートのJ.P.」?やはり違います。
昨オフに補強したRaleyでもGarverでもHanigerでもPolancoでもありません。
Cal Raleighです。
RaleighのfWARは5.4。野手チーム内2位のJulio(3.8)や3位のRobles(3.1)に大きな差をつけています。
カチカチの先発ローテーションを含めてもチーム内トップのfWARです。
(チーム内2位はGilbertのfWAR4.2)
さて、今回の記事の趣旨は下記のとおりです。
あなたは「現役の名捕手」と言えば誰を思い浮かべますか?
LADのWill Smith?PHIのJ.T.Realmuto?KCのSalvador Perez?
はたまた売り出し中である、MILのWilliam Contreras?BALのAdley Rutschman?SFのPatrick Bailey?
確かにこれらの選手たちは名捕手です。そして上記で挙げなかった捕手の中にも、名捕手と呼べる選手たちはいます。
皆様が頭の中に持っているその「名捕手リスト」の中に、(もし今入っていなければ)SEAのCal Raleighをそっと入れてあげてほしいです。
Cal Raleighの概要
Raleighの概要は下記のとおりです。
27歳
スイッチヒッター
捕手
MLBデビュー年は2021年、今年はMLB4年目
愛称:Big Dumper
大前提:Cal Raleighは打撃型捕手というより守備型捕手である
後ほど述べますが、今季Raleighは34本のHRを放ちました。
この印象からRaleighは打撃型捕手というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1728214737-F8ROeJEoTHbZ3xM9nhLfkvug.png)
Raleighがデビューした21年から一貫して、RaleighはDef >> Offとなっております。
そして今年はめでたく、RaleighがGG賞ファイナリストに選出されました。
Raleighは打撃型捕手というより守備型捕手なのです。
The 2024 Rawlings Gold Glove Finalists - AL Catcher - Freddy Fermin, Cal Raleigh, Jake Rogers #RawlingsGoldGloveAwards pic.twitter.com/E7y1DsTXfm
— Rawlings Baseball (@RawlingsSports) October 15, 2024
Cal Raleighの魅力
毎年コンスタントにfWAR4くらい稼いでくれる
RaleighがMLBで本格的に定着したのは2022年。そこからfWAR4.2、4.3と稼いでくれています。
この2022,23年のfWAR合計8.3は、SEAの野手陣ではJulio(11.3)に次ぐ2位です。
さらに今季のfWARは5.4なので、3年間で総計13.9稼いだことになります。
HRが年あたり30本近く打てる
それでは、なぜRaleighはこんなにfWARを稼げているのでしょうか?
まずは打撃から見ていきましょう。
Raleighは2022年に27本、23年に30本のHRを打っています。今年も現時点で30本と、捕手の中ではトップクラスにHRを打てるバッターと言っていいでしょう。
そしてデビューしてからの4年間で93本のHRは、あの名捕手マイク・ピアッツァの92本を抜いてMLB単独トップとなっています。
また、彼のHRは劇的なものも多いです。
2022年のSEAプレーオフ進出決定サヨナラHR
2001年のシーズン116勝から、足かけ20年もプレーオフに進出できなかったSEA。当時MLBだけでなくアメリカ4大スポーツ全体でも最長だったこの長い長いトンネルに差し込んだ一筋の光は、Raleighの一発でした。
Félix HernándezやKyle Seagerなどのフランチャイズプレイヤーが一度もプレーオフに進出することなく引退し涙を流す姿を見てきたSEAファンに、悔し涙や悲しい涙ではなく、嬉し涙を流させてくれました。
2.SEA選手初の、キャリアで複数回「1試合で左右打席HR」を達成
冒頭で紹介したように彼はスイッチヒッターです。
7/10の vs SD戦では3回に先発のMazurから左打席でHR、7回には松井裕樹から右打席でHRを放ちました。
この時点でRaleighとしてはキャリア2度目の「1試合で左右打席HR」であり、これはSEAの選手としては初のことでもありました。
(1度目は2023/5/16の vs BOS戦でした)
Cal has now homered from BOTH sides of the plate tonight. Big Dumper things. #TridentsUp pic.twitter.com/WHr6cUlisg
— Seattle Mariners (@Mariners) July 10, 2024
しかしこれではまだ終わりません。7/12の vs LAA戦でも「1試合で左右打席HR」を達成します。
Cal Raleigh is on fire! I’m not certain, but I can’t remember anyone else hitting a home run from both side of the plate twice in a 3-day span (@alexmayer34 please help)
— Ryan Stryker (@Ryan__Stryker) July 12, 2024
pic.twitter.com/VtuFORJofX
このように、左右双方での長打が見込めるのもRaleighの魅力の一つです。
フレーミングが上手い
先ほどまでRaleighの打撃面を見てきましたが、そうは言ってもwRC+では111~120あたり、平均よりは優秀ですがそこまで飛び抜けているわけではありません。
それでも安定してWARを稼いでいるのは、その打撃能力を上回るほどの素晴らしい守備能力、特にフレーミング能力があるからです。
![](https://assets.st-note.com/img/1729092262-iVMmwArUfJXTckeNZ13lHQFE.png)
RaleighのFraming+13はSFのPatrick Baileyに次いで2024年MLB捕手2位となっています。
象徴的だったのは、左右打席HRを達成した7/12の vs LAA戦。
外の明らかなボール球2つでしたが、これをRaleighの見事なフレーミングによって三振にしました。
(審判の外の広さと誤審に助けられた面もかなりあります。なお、この三振のうち一つはLAAのピラーが判定に激怒し退場処分になっています。)
MLB全体でもかなりレベルの高い先発陣を擁するSEAですが、この強力な先発陣をより強力にさせているのがRaleighのフレーミング能力であると言えるでしょう。
盗塁阻止能力も高い
これについてはこちらのツイートをご覧ください。
Cal Raleigh, automatic.
— Daniel Kramer (@DKramer_) September 13, 2024
Marcus Semien didn’t even object. That’s his 25th catcher caught-stealing, putting him back atop the MLB leaderboard in that category.
Arm strength: 82.1 mph
Pop time: 1.87 seconds pic.twitter.com/EQYH5pZjtC
Raleighの地味なところ
さて、ここまででRaleighの魅力について見てきました。
次に、Raleighの過小評価っぷりを見ていくことにしましょう。
(なんか知らんが)捕手ランキング10位以内にも選ばれない
ここで、2024年開幕前のFOXによる捕手パワーランキングをご覧下さい。
lol. lmao. pic.twitter.com/bwkPbrXsOV
— Lookout Landing (@LookoutLanding) September 29, 2024
Raleighの評価が低すぎやしないでしょうか?
なお、Raleighの2023年のfWAR4.3はMLBのキャッチャーの中で4位でした。
ASにも当然選ばれない
まあこれについては仕方ない面もあるでしょう。
なんか地味だし、話題に上がらない
これはどちらかというとRaleighが守備で貢献する度合いの高い捕手だから、というのもあるかもしれません。
あとSEA自体が地味。
Raleighへの評価が最近アツい
しかし、最近はRaleighへの評価が高まりつつあるのを感じます。
一つ目はBaseball Worldさんによる、2026WBCアメリカ代表の想定メンバーにRaleighが選出されていたことです。
🇺🇸アメリカ pic.twitter.com/5kZ9f2sCUC
— Baseball World🇯🇵 (@beautifulstadi1) October 10, 2024
もう一つに、ハビアーのMLBチャンネルさんによる動画「【MLB】2024年最強キャッチャーランキングTOP10」にて、Raleighがトップに選ばれていました。
このように、MLBに詳しい方からの評価が最近うなぎ登りになっている空気を感じます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「はじめに」でも申し上げた通り、これでRaleighの魅力に気づいていただき、「SEAにはCal Raleighという名捕手がいるんだなあ」と思っていただければ幸いです。
そしてこの記事に目を通していただいたMILファン・SFファンの皆様に、ぶしつけながら一つお願いがございます。
「William Contrerasをすこれ」「Patrick Baileyをすこれ」記事をください。
11/13追記:そこまで評価上がるのは聞いてない
Cal Raleigh is going PLATINUM ‼️
— Seattle Mariners (@Mariners) November 9, 2024
Big Dumper just took home the @RawlingsSports Platinum Glove Award – honoring the best defensive player in each league. #TridentsUp
🔗 https://t.co/klcaryHW2b pic.twitter.com/3zispZlgcE
Raleigh、なんとGG賞を通り越してプラチナグラブ賞を受賞しました。
SEAでのプラチナグラブ受賞者は初。捕手でのプラチナグラブ賞受賞はMolina(STL)、Trevino(NYY)に次いで3人目となります。
(同日の佐々木朗希のポスティング報道で話題を流されたり、プラチナグラブ賞より可能性高そうだったシルバースラッガー賞の方は逃したりと)ここでもRaleighらしいっちゃらしいのですが、Raleighの守備面が名実ともに評価されたという点は非常に嬉しい限りです。
これで、RaleighがMLBトップクラスの捕手であることを胸を張って言うことができます。ウレシイ……
なおプラチナグラブ賞捕手&HR30本打てるボラス案件になったことで、SEAのすかんぴんなお財布では契約延長がさらに難しくなってしまいました。
しかし残り3年は(トレード等がない限り)Raleighを見ることができるので、じっくりと彼のプレーを味わいたいと思います。
Raleighがまたプレーオフの舞台に立ち、そこで輝くところを観たいですね。