Etat Libre d'Orange香りのDM便レビュー/NOSE SHOP
ニッチフレグランスセレクトショップ『NOSE SHOP』が発売している『香りのDM便』のレビューです。ムエット(試香紙)が送られてくるので、全国津々浦々どこにいても香水が試せてしまう優れものです。サイコー。
今回は『Etat Libre d'Orange/エタ リーブル ド オランジェ(オレンジ自由国)』の香りのDM便レビューです。
レビューとか言ってますがわたしは香水がよく分からないのでレビューじゃないです。は?
1.ゴースト イン ザ シェル/攻殻機動隊
日本でエタ リーブル ド オランジェといえば!!やはりこれでしょう!!日本を代表するSF作品『攻殻機動隊』をオマージュしたというこの香水。草薙素子の香りなのか、新浜の香りなのか、ゴーストの香りなのか、それとも……??とにかく期待値が大。
試してみると、え!?なんか、なんか意外と……フルーティーのあとに……甘い……ような……粉っぽい……ような……ミルキーな香り……!?
もっと殺伐とした香りを想像していましたが、優しくて甘い。そしてこの粉っぽさで思い出しましたよ、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』またはハリウッド版の『GHOST IN THE SHELL』の冒頭、草薙素子(ミラ・キリアン)の義体がブワーッ!てなってゴォーーーッ!と移動してバッシャーーーッッッなって謎の液体により真っ白になってグワーッ持ち上がってその真っ白いのがブワアァァァァアッて剥がれていくシーンがあるんですけど、その白いやつ、多分この香りだわ……(ヲタク特有の早口)
人体にはまだ早いけれど、でもたしかに人肌のあたたかさのある義体の香りです。義体化したときに愛用したいね!!
2.レ フルール デュ デシェ - アイ アム トラッシュ/ゴミの花
リユースでもリサイクルでもない、アップサイクルという手法を用いて作られたというこの香水。沈水香木が貴重なのに、香料のもととなる植物や動物たちが減ってきているのに、限られた地球には天然香料なんてもう全然ないのに、それでも香水は作られるんですよね。香水って本当に贅沢なもので、そのことを決して忘れずに地球へ奉仕する気持ちで作られた、優しい香水だなと思います。
そしてその香りはザラついてるのにしっかりフルーティーにまとまっている……しかもめちゃ大人っぽい、フルーティーなのに大人っぽさを連想する香水は珍しいと思う。冷蔵庫のフルーツ全部混ぜて焼いたアダルトなタルトみたいな香り……(シャレじゃないよ)
香料の残滓から生まれたなんてとても考えられん……こっちが本命じゃん……
あとこれわたしのマブダチが17〜19歳のアクシーズ女だった時の香りがします。
3.ノエル オ バルコン/賢者をも狂わす魅力
もうベロンベロンに舐め回したいセクシーでヘルシーな女の匂いがする……!!確かにこれはデコルテにつけてほしい、もう本当にベロンベロン舐め回したくなる甘い香り、ハチミツがすごすぎる……!!
そしてこれ、『BABYLON』の冒頭のパーティーシーンをすごく思い出す香りです。音楽に身を委ねて、しっちゃかめっちゃかに、自分と他人との境界を曖昧にして倒錯的に踊り狂うあのシーンです。ちなみにネリーの赤いドレスはマーゴット・ロビーの自作らしいです。すご。
4.ラ ファン デュ モンド/世界の終わり
ポップコーンにブラックペッパー!?おつまみやん!?と思いましたがめちゃくちゃいい香りです。ボディのフリージアとかアイリスがきいてるのかな……しっかりと花の香りがします。
人間がごっそりいなくなって何年も経って、木々や花々が自由に清々しく育っているような……そんな香り……こんな香りで終われるのなら、きっと終末も悪くはない気がします。
5.ピュタン デ パレス/ファム・ファタルの儀式
↑の本家の説明文はかなり官能的な女性を描かれているんだけどさぁ……アタクシには男が見えたの……部屋にドンキの香を焚いてシーシャ吸って黒い革張りのソファーに寝て女を誘うクズヒモの香りがしたぜぇ……!!
(香水語り向いてない人(こうすいかたりむいてないんちゅ))
6.ファット エレクトリシャン/過ぎ去りし美の呪い
ああ〜〜!!これは切ない香りがする!!君と夏の終わり!!将来の夢!!大きな希望忘れない!!とめどない夕暮れをただただ見送るあの時間、此処にはもう居なくなってしまった人影を追ってしまうあの心象、別に誰を待っているわけでもないのに1人でいることに心細さを感じるような香り……過ぎ去っていった美を表現しているの……??
あとハイジの家って多分こんな香りだろうなと思うめちゃくちゃ木と穂の匂いがする。なんだこれ。
7.ユナモレット ローラン ムレ/恋の余韻
オポポナックスというやつがハイジの家の感じを出してんのかな……??やばい、香水に全然詳しくないから分からないぞ……
こっちもハイジの家なんだけどボディのピーチやアイリスでちょっと軽めというか、フレッシュさも加わってます。恋の余韻というよりかは、クレしん映画オトナ帝国の逆襲に出てきたイエスタデイワンスモアやalways三丁目の夕日っぽくて、1人で帰っててどこの家からかもわからない夜ご飯の匂いと談笑する声を遠くに聞いた時の気持ち、心悲しい(うらがなしい)という表現に近いものを感じました。わたしはこういう切なさを覚える香水を好きになりがちです。
エタ リーブル ド オランジェの香りのDM便は、どれも印象に残る素敵な香水ばかりでした。ボトルのデザインもハデで可愛い!!次回の香りのDM便レビューはunumです。