何時かわからないレスタミン

ぱち。ぱち。ぱち。
脊髄があつくて、しびれる。

何時に何錠入れたのかさえ忘れた。
本棚の二段目の裏に瓶を箱ごと隠したのだけ分かっているなら別にそれで良い。

ぱち。ぱち。ぱち。
この音は私の幻聴だ。

火花。閃光。あるいは炭酸。
レスタミンは必ず火花の幻聴から始まる。

ぱち。ぱち。ぱち。ぱち。
今も一瞬の光の束がそこらじゅうで弾ける。

サイダー。アウトサイダー。
もう炭酸は抜けた。

脱力?

痛くはないのに火傷したみたいな気持ちになって、指先がどうにも落ち着かない。
手を引っ込めても感触はついてくる。

ぱち。ぱち。ぱち。ぱち。ぱち。

腰あたりから脊髄を伝って熱が走る。
こわい。
身体がはねる。くねる。ふるえる。しびれる。
ぱち。という閃光に合わせて、いや、閃光に貫かれたせいで身体が勝手に踊り出す。

12時を回れば舞踏会は終わり。
わたしは主人公でもない。ガラスの靴は落とさない。魔法はかからない。ドレスにあしらったはずのパールは全部床に散らばって、よく見てみたら何かも分かんない錠剤だったんだよシンデレラ。

最高だぜレスタミンOD!

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