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シャイニーカラーズを支えるアニメーションの魅力

突然ですが皆さんはシャイニーカラーズの凄さを褒める時どういう所を褒めますか?

イラストが美麗、シナリオに心打たれる、BGMが良い、楽曲が多種多様……大方この辺りが多いでしょう。

もちろんそれら全てが魅力的なのは間違いありません。しかしシャイニーカラーズと切っても切り離せない存在がもう1つあるのではないかと思います。

Spine

そう、enza版においてアイドルを表現する全てに携わっているアニメーション『Spine』もそれらと並ぶほど魅力的で欠かせない存在なのではないでしょうか。中にはイラストが良いの中にアニメーションの良さも内包している人が多いのかもしれませんがやっぱりちゃんと言葉にして伝えていきたいですよね。
(ちなみにenza版に使われているのはLive2DではなくSpineというツールなのでそれだけでも覚えて帰ってください)

というのも何故この記事を書こうと思ったのかと言いますと、毎年ファミ通ではアンケートを募集し特集が組まれていてその中に『好きなムービー演出は?』の質問項目があり、これまで5回欠かさず行われていました。

そこで毎年グランプリを獲った演出があるんですけど、そのカードが……


【伸ばす手に乗せるのは】風野灯織  / 【つづく、】浅倉透

5年間毎年アンケート取ってグランプリがこの2枚だけ!?

いやわかるんですよ。『好きな演出は?』という質問でこの1年で実装された~のような期間は区切ってないですし、上記2枚は一度しか使えない切り札的演出なので記憶の奥底に刻まれるのも納得なんです。

それでも言いたい。あれだけアニメーションにバリエーションがあって進化もしているのに2枚しか賞を飾ってないのは歪み発見ではないのか……?ならば少しでも魅力が伝わるようにアニメーションについて語らねばならないのではと思い、筆を手に取りました。
なので自分が特に気に入ってるアニメーション達をご紹介したいと思います。




【longing】大崎 甘奈

現時点のアニメーションを語る上でやはりこのカードは外せないでしょう。全体像としては寝ていた甘奈が起きるまでのアニメーションとなっていますが、特筆すべきは何と言っても1カットで魅せる表情の変化がとても良く現されています。

可愛さもさる事ながら心の繊細な機微の表現力に脱帽してしまいますね。
寝姿から目覚め、寄りかかって寝ていた事と寝顔を見られた恥ずかしさなど余す所なくこのアニメーションに詰め込まれていて間違いなくトップクラスの出来だと感じています。

絵コンテに起こすとこんな感じでしょうか。ちなみにイラストレーションワークスVol.2には比較的初期にはなりますがこれと同じフォーマットの絵コンテやインタビューが載っているので必見です。


【ひとつ、はたたく】櫻木 真乃

続いては真乃からこちらをセレクト。

こちらは先程の表現力での凄さではなく演出の凄さで選ばせていただきました。

鳥の翼から人間の手にモーフィングするこの部分、発想が凄くないですか?
初めて見た時は誇張抜きにどうやって日々過ごしていたらこれ思い浮かぶんだろう……と改めてアニメーション制作チームのセンスの高さを感じました。

【雪あたりの季節】浅倉 透

YouTubeサムネだとガシャ演出の方が先に来ていますが今回選んだのはフェス演出。

ノクチルのフェス衣装は周が進む事に個人カラーの色合いが強く反映されるようになっていましたが6周目衣装アクアリオディーバーでは一転して初期を彷彿とさせるような演出が盛り込まれています。

最初のインクが落ちるような演出はおそらく初登場PVの冒頭から持ってきていて、続けて初期pSSRフェス演出のセルフオマージュ

enza対応ゲーム「アイドルマスター シャイニーカラーズ」noctchill ユニットPV
1周目pSSR【10個、光】浅倉透 フェス演出

ここまで初期を思い返すような演出から最後には海中ではなく海から上がり(Reflectionして)空にいるように見せているのがこれまでと今を感じて感傷的な気分にさせてくれます。

【ロー・ポジション】杜野 凛世

(公式X/YouTubeにも映像がなかった)

続いては凛世からロー・ポジション。
このアニメーション、派手な動きは一切ありませんが窓から差し込む光の使い方や味噌汁の湯気から発生している冷たい冬の朝の空気感の演出があまりにも良すぎるためさよならごつこと迷った末こちらを選択。

派手さがなくても雰囲気づくりをバチバチに決められるところがenza版シャイニーカラーズの魅力ですよね。
こちらのカードはインタビューでも直接触れられたこともありますし、言うまでもないですがシナリオも凄いのでまだ未読の方は是非。

【Kn☆cking.Kn☆cking.】園田 智代子

これも初めて見た時かなり感動しました。いやだって凄くないですか?音声がないのに表情だけでどういうシーンなのか一発でわかるじゃないですか。

スイーツを食べて「ん~~!これ美味しいですね~!」と会話しようと横を向いたら「あれ?ここに付いてますよ?」と言ってるんだなって完璧に表現しているアニメーションでやっぱりシャイニーカラーズ×Spineは最高だなと思いましたね。


もうアニメじゃん


【きみは相棒】大崎 甜花

こちらはMySongsCollectionから甜花のアニメーション。両方とも素晴らしいアニメーションなのですが選ぶのはフェス演出のほう。
これまで表情や空気感、感傷的なものをピックアップしてきましたがenza版の表現力はまだまだバリエーションがあります。

ドット風演出もできる。そう、enza版シャイニーカラーズなら。
というのもMySongsCollectionはソロ曲をモチーフにしたガシャシリーズだったので甜花ソロ『また明日』の曲調にドット風はかなり合っていますよね。

【雲のかなたまで】福丸 小糸

こちらもMySongsCollectionから小糸フェス演出をピックアップ。

冒頭を構成しているのはSDイラストでデフォルメされた小糸がたくさん走って走って走り回ってるアニメーション、メイドめぐる/雛菜でもありましたがこういう演出もとても可愛いですよね。

こけてしまった所でカットが切り替わりSDチックから通常頭身の小糸に戻りますが、心が折れそうなため息をつく所作が入り、それでも諦めず立ち上がるかのような意思がこのアニメーションから伝わってきますよね。

また『わたしの主人公はわたしだから!』は曲調のキャッチーとは裏腹に歌詞の内容が結構ヘビーなんですが、それをこういうSDチックに見せることで重さを感じさせない演出なのもグーだと思います。

【ノー・ライフ】三峰 結華

これが登場した時は流石に度肝を抜かれました。だって見て下さいよ、このペットボトルを持ち上げる描写とカットが変わって踊っている時の左手の動き。流石に今までの演出(技術)を軽く凌駕してます。
今までは背景(またはシルエット)でのみ3Dを使っていたのがおそらくここからアイドルのパーツでも使うようになったかと思われます。
かと言って3D3Dしているかと言えばそうではなく、よく目を凝らして見ても正直今までの手書きとなんら見分けがつかないセルルック精度の高さ。
ここでまた一つenza版シャイニーカラーズの表現力のギアが一段上がったと確信しました。

【Anti-Gravity】芹沢 あさひ

進化した演出技術が色濃く反映されたあさひのカードから【Anti-Gravity】も外せません。
新技術が反映されてるのも勿論なのですが、クロスした足の解除と手の開き方の緩急の付け方が圧巻です。この一瞬だけ見てもあさひってやっぱりダンスの才能があるんだなぁと思えるほどに……
2022年度のファミ通演出アンケートは先程の【ノー・ライフ】かこの【Anti-Gravity】のどちらかが1位取ると思ってましたし今でも絶対この2つのどちらかがグランプリ獲ってなきゃおかしいでしょと思ってます。

【hurray for...】月岡 恋鐘

🤙🖐✊⁉

ちょっと凄すぎます。当時あんまりにも感動して数日間暇があればずっと眺めていましたしここの絵コンテ備考欄になんて書かれているか気になりすぎる。イラストレーションワークス待ってます。
今年のファミ通アンケート期間と実装タイミング悪く選択範囲外になってしまいましたが間違いなくこれが2023年度第1位と言っていいでしょう。


番外編といってはなんですが表情管理の一環として口の開き方にも各アイドルの個性及び制作側のこだわりを強く感じます。

この【アバウト-ナイト-ライト】摩美々の表情及び口の開き方は競合他社タイトルからインスパイアされたと推察しますが、こういう表情をするなら誰が適任か?となった時イタズラ好きな摩美々になるのはとてもよくわかりますし『そのアイドルならでは』が表現されていますよね。

【きみは相棒】大崎 甜花

この甜花の口の開き方も甜花ならではのにへっとした感じがよく現れていて他の283アイドルでは見れない表情だなと思っています。

【鏡界フィクションレイン】三峰 結華

ニッっとおどけてはにかむ仕草も例えば甘奈とか雛菜はしないだろうな~となりますし、そういう表情をしても違和感のないように細部にまで考え抜かれているんだなと思わされます。こういう表情が似合うのは他だと樹里でしょうか。

他にも凛世はその大和撫子な立ち振舞から口を大きく開けて喋らないですし、美琴も同じようにクールな佇まいから小さくしか口を開きません。そういう細かい動作一つとってもそのアイドルらしさを表現しているのは実は凄いことなんだな~と実感させられます。




ここまでガシャアニメーションについて語ってきましたが、立ち絵における表情の素晴らしさも語っておきたいです。

ガシャアニメーションはシナリオで起きたことの一部を映像化しているため、カッチリ決まるように作られていますがコミュ中の立ち絵はいくつかパターンを作っておき、それをシナリオに当てはめてるに過ぎません。

ですが時にそれはただの定型な表情を越え、出来事を雄弁に語ってくれるのです。

シナリオ追い続けてる人はこれらがどこのシーンなのかすぐわかるかと思いますが、わからない方はそういうところも注意深く見てみるとより楽しめるかもしれませんので敢えてどこからの引用かは書かないでおこうと思います。ヒントを出しておくと2つともイベントシナリオなので探してみてね!


あ、立ち絵と言えばガシャアニメーション/シナリオ問わず笑顔が増えてきたのに未だに灯織に満面の笑みがないのおかしくないですか?表情差分追加待ってます。

 満面の笑み差分がないのは28人中灯織と円香だけ!
(2021/03に作った画像なのでSHHisもCoMETIKも入ってないけど許してください)

他にも語りたいアニメーションは沢山あるんですけれど一旦ここで終わりにしたいと思います。
私が好きなやつなかったんだけど!と言う方はこの記事を話の種にして語ってくれると嬉しいです。色んな人がアニメーションについて語ってくれたらそれが1番なので……

これからも止まらぬ進化を楽しみにしてると共に、アニメーション制作チームに多大な感謝をここに残して筆を擱きたいと思います。


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