「最後の決闘裁判」の背景
この映画は1386年に実際にあった話しを元に作られたそうです。
"歴史好き"な僕としては、その時代背景が気になり、少しこの時代のことを知ってみようかと思い、ちょっと調べてみました。
この裁判が行われていた14世紀頃はフランスとイギリスの間で「百年戦争」と呼ばれる戦争が行われていました。
この戦争は本当に大雑把に言うと、イギリス王家がフランス王家の座をも掴もうとする為のものでした。
詳しい人物名は覚えてられないので省きますが、フランス王家に直系の子孫が絶え、その累系に王座を譲ることとなったのですが、これに異を唱えたのが「イギリス王家」でした。
イギリス王は母親が「前フランス王の娘」であり、自分は「フランス王の孫」だ、だから自分こそ「フランス王」だと主張します。
しかし当時のフランスの法により男子の子孫でないと王位は継承出来ないという決まりがありました。
また、これがややこしいのですが、当時イギリスは形式上"フランス王の臣下"としてフランス本土にも領土を持っており、しかもその領土はフランス王家の直轄領より広いものでした。
この理由を遡ると、もともとフランスのノルマンディ地方の領主がイギリスに攻め上り、そこで「イギリス王となった」からという経緯があります。
要はイギリス王家も、元は"フランス人"であったのです。
また、イギリス王家とフランス王家は領土問題や経済問題でも争います。
イギリス王家はフランスの南西部にある「アンジュー地方」というワインで有名な地方(ボルドーワインが有名ですが、ボルドーはこの地方の最大都市です)を領土としていましたが、この領土を"臣従礼に反した"からという理由でフランス王領への編入を宣言します。
これに対し、今のオランダやベルギーの位置にあるフランドル地方(「フランダースの犬」の物語の舞台です)に対して、イギリスは羊毛の輸出をしていましたが、これを"くびき"にしてフランドル地方に圧力を掛け、軍を駐留させフランスに対抗させます。
他にも色々なしがらみや要因があるみたいですが、僕が理解した限りだとこんな関係により「百年戦争」の口火が1343年にアキテーヌで切られました。