「もう敵ではない」(2)
トラックの中で捕虜の軍曹が、軍隊に徴集される前は"学校の先生をやっていた"と自分の「身の上」を話します。
途中道路がぬかるんでいてタイヤを取られてしまいました。
サンダース軍曹がトラックから降り、取られた車輪をなんとかぬかるみから出しましたが、車はそのまま走り出してしまいます。
空に向けてマシンガンを撃つ軍曹。
その音に気付いてかどうかわかりませんが、車は止まり、軍曹は車に乗り込みます。
「怪我をした足が上手く動かなかった。」
捕虜の軍曹はそう言い訳をします。
どっちの足を怪我してたかな?
道すがら、今度は武装親衛隊(SS)がキューベルワーゲンでこちらに走ってくるところに遭遇します。
親衛隊は「ヒトラー直属の部隊」で、本来のドイツの軍隊である「ドイツ国防軍」とは違い、言わば"エリート"部隊です。階級は国防軍と同じでも"一階級上"(親衛隊の軍曹は国防軍では、少尉)の扱いで、最新鋭の武器も優先的にSSに配備されました。
トラックを止め、サンダース軍曹は茂みに隠れて様子を窺うことにします。
武装SSが、車から降りてタイヤの整備をしているふりをしている捕虜の軍曹に話し掛けますが、その軍曹を"脱走兵"と決めつけ、その場で「銃殺」しようとします。
その時、サンダース軍曹が彼を助ける為にトラックを動かし、それに気を取られたSSの一人は、彼から銃口を逸らしたため、その隙にSSのマシンガンを奪い取り、SS達に向けてマシンガンを乱射します。
「まるで『屠殺者』だ。」
事が終わった捕虜の軍曹は、自分がついさっきまで置かれていた状況を、まるで"他人事のよう"に振り返り、SS達をそう評します。
トラックは無事怪我をした兵士たちのところまで着き、最後はドイツ軍とアメリカ軍の「軍曹同士の手」が、「血清を受け渡す」画面で終わります。
これを見た僕は、初めて「正義とは?」を意識する「きっかけ」となりました。