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社会人の目線から、「本好きの下剋上」の魅力点

「本好きの下剋上」は異世界転生系のライトノベルです。台湾では今まで30冊以上の小説と漫画5冊とファンブック7冊が出版されました。

私はこの作品がとても気に入っているので、台湾版の小説と漫画を買ったり、アニメ版を見たり、ドラマCDも日本から注文したりしました。

この作品は一見とても少女っぽいだけど、意外に読んでいる男性が多いです。周りの人で私のようにいつも台湾版の出版を追いかけている人は5人いますが、内2人は男性です。その中の一人は常に作家さんの香月美夜さんのTwitterで情報を確認している重度のファンです。

本好きの下剋上が水際立つ理由は大きく二つがあると考えています。

まず、ストーリーの背景設定と配置構成が物凄くうまい!!と思います。貴族と平民の格差に関する描写はとてもビビッドだし、習慣や価値観なども全然違います。一方、宗教との関係も細かく描かれています。セッティングに応じて、しきたりや登場人物の挨拶言葉などで信仰の影響を垣間見ることもできます。小説というより、寧ろ風土記を読んでいるような感じすらします。さらに、ストーリーの中でもプロットの連鎖関係が強いです。意味のないセッティングや会話がないのです。全てにおいて合理性を追求している作品なのです。

また、「常識を学ぶこと」と「報連相の必要性」が度々出ていて、とても面白いのです。異世界転生系作品の鉄版は、この世界で当たり前の知識を異世界で運用して、すごく金儲けすることや高い地位をえることです。あるいは、人生をイージーモードで生きることです。「本好きの下剋上」でも似ている内容が出ましたが、逆の状況も描写されていました。ヒロインはその世界で新たな物を実現していた時、よく面倒な事態を招きました。思いがけないインパクトがたくさんありました。ですので、その度にヒロインは指導者に「常識」と「報連相の必要性」について説教されました。社会人として切実に感じられます。新しい国や会社に入った時、そこの常識について理解することは早ければ早いほどいいからです。

「本好きの下剋上」は世界観が完備されていて、登場人物の動きもドミノ倒しのように密接につながって展開されていく物語です。ロマンチックな要素と大人にしか分からない面白さが備わっています。私にとって、今までで一番おすすめのライトノベル作品です。

ちなみに、おすすめの読む順番は:
漫画の第一部 → 小説の第二部 → 小説の第三部→ 小説の第四部→ 小説の第五部

背景設定は広大なので、小説の第一部はペースがちょっとゆっくりでした。後内容を読み終わった後、再度第一部を読むと、伏線に気づいて、もっと醍醐味を感じられると思っています。

なおまた、漫画版とドラマCDで数多くの書き下ろし小説が入りました。脇役のストーリーと思いも見られます。同じ事件の時、ヒロインと全然違う感想があります。これも「本好きの下剋上」のもう一つの魅力です。

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