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エミグレーション(2)マイケル・ムーア監督『世界侵略のススメ』を観て
マイケル・ムーア監督の『世界侵略のススメ』。
9カ国のヨーロッパの国に行き、アメリカに必要なものを学び、その術をアメリカに持ち帰るというもの。
《監督が訪れた9か国》
①イタリア / ②フランス / ③フィンランド / ④スロベニア / ⑤ドイツ / ⑥ポルトガル / ⑦ノルウェー / ⑧チュニジア / ⑨アイスランド
そして、それぞれの国から以下のことを教えてもらう。
・イタリア - 有給
・フランス - 食(給食)
・フィンランド - 教育
・スロベニア - 大学無料
・ドイツ - 労働者の権利と、罪を忘れず償いを考えること
・ポルトガル - ドラッグの取締まり
・ノルウェー - 開放的な刑務所
・チュニジア - 男女平等
・アイスランド - 初の女性議員誕生
それぞれの問題を、アメリカと対比しながら語っていく中で、それらは全て、アメリカから始まったものだった、と気づくのがこの物語のオチ。
◇
この映画を見て、どの国にも共通していることがあると思った。
それは、ご近所の人に対して「愛」があるということ。
労働者にも、子供にも、大学生にも、罪を犯した人にも、女性にも‥、愛を持って、いち人間として扱っている。
そして、「人は、「やるな!」と言われるほど、やりたくなる」ということ。逆に言えば、「「どうぞご自由に」とすれば、やらなくなる。」
◇
イタリアもドイツも、労働時間が少なく、幸福感が高いために生産性が高い。
授業時間を減らしたおかげで、アメリカと学力が同レベルだったフィンランドは、学力向上に成功している。
ドラッグを非犯罪化しているポルトガルは、見事、ドラッグによる犯罪を減少させることに成功したそう。
ノルウェーの刑務所では、1人1部屋が確保され、看守が囚人をブチのめすことなんて、ない。
そして、女性に本当の対等な力を持たせたことで、国民が幸せそうに見えるように‥。
◇
私が通っていた学校は、詰め込み式の暗記型。宿題はもちろんあったし、部活も入るのが当たり前だった。そのため、放課後も宿題を終わらすので精一杯。
テストやお受験のための対策で時間を費やしてきたが、それが、今、何の役に立っているだろう‥。
「アメリカでは、詩や音楽、美術など、テスト対策に関係のないムダな授業はなくした。」
と言っていたが、詰め込み式の数学、古文、漢文、歴史、英語が、本当にムダでないと言えるんだろうか?
給食は美味しかったけど、これも地域にもよるもの。まあ‥アメリカの給食を見ると‥、自分の食べていた給食は、マシだ‥。
私が、働いた会社は、過酷労働を強いられた。正社員だと特に。旅行会社で働いていたときは、時給換算すると、105円。ダイソーで物も買えない。
その頃の自分は、とてもギスギス、イライラしていた。
派遣社員で働いていたときのほうが、比較的時間キッチリで帰らせてもらえたが、
「副業なんて必要ない」
ドイツのようにそう言ってみたいなあ。
と思うくらいだから、満足のいく賃金でないことは確か。
(まあ、自分の経済的感覚を直す必要もあるけど‥。)
日本で副業をする人がたくさんいるが、本業だけでのやりくりが出来ないからなのではないのか?
労働者に対する愛は?大人達の都合で子供をダメにしていいの?なんで日本では、女性がトップになることは許されないの?
そんなに禁止事項、増やしてどうするの?世間からワルガキと言われる人を量産する気?その子達は、本当は、純粋な子達かもしれないのに‥。
◇
とりあえず、この映画を機に、ヨーロッパは移住先の最有力候補になった。
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