さよならした人
たまたま座ることができた、
いつも混みあう電車の中。
ほっとして、
静かに目を閉じる。
降りなければいけない駅は、
まだ先で、
少しだけ眠ろうとしてみる。
ふと、
気付く。
無意識の中に、
反応してしまうものがある。
一瞬で
あのぬくもりが
その情景が
浮かび上がる。
感情が鮮明によみがえる。
それはかすかな
あの人のにおい。
おそるおそる、
こっそり、
わずかに
目蓋を開いてみる。
あの人が履きそうな
きれいに磨かれた靴。
品の良い、
上質なスーツ。
急に、少女のように
固まってしまう
意気地なしのわたしは、
顔をあげることができない。
そっと、
再び
目を閉じる。
頭の先に、
あなたの視線を感じながら。
なんて、
電車のなかで、妄想してみたりしました( ̄▽ ̄)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?