2020.09.14 子供の焼けるにおい

泥のような色をした顔の子供たちが這い寄ってくる。
遠目からでも確実に”生きている人間じゃない“というのが分かる。

ぼさぼさの髪をした気味の悪い子供に
「お前の一番大事な人の首が入っているよ」と言って
血まみれの箱を渡される。
恐る恐る開けると何もない。いや、鏡だ。
片目を潰された研ナオコ(自分)が映った。

一番大事な人って、自分のことか。
これからわたしを殺すという脅迫か。
なめやがって。

わたしはカッとなって近くにあったライターで子供に火をつけた。
ははっ、面白いくらいによく燃える。
そいつが本体だったのか、その子供が燃え尽きるのと同時に周りに誰もいなくなっていた。

消そうとしてもライターの火が消えない。
親指の火傷が痛い。

床から、仕事で使っている伝票や領収書が湧き出てカサカサと動き回っている。
どうやら、あの子供のようだ。
弱っているがまだ完全に倒せたわけではなく、これも全部燃やさなければいけないらしい。
わたしは痛みも忘れ、伝票や領収書をかたっぱしから捕まえて燃やしていった。

あとから、必要な書類まで燃やしてしまったのに気づいて絶望した。

▼コメント
ツッコミどころ満載で色々とホラーだった。

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