今後の研究の参考調査で,P戦国乙女7 終焉の関ヶ原を打ちました
一見タイトルが妙ですが、大真面目な目的を持っております。
はじめにお断りを…
この記事に関するお断りを最初に記しておきます。これを書いておかないと、自分の意図が皆様へ伝わりませんので…。
今年から始める、新たなリスク工学研究(ギャンブル等依存症に関わる(中略)研究)の調査が主目的です
経費はもちろん全額ポケットマネーです
学術的な観点も交えて記録を残します
内容については、平和さんおよびアムテックスさんとは無関係です。
あくまで、研究者目線で書いています(特に強調)
最初にスペックを示します
ヘソ入賞時賞球:1個
アタッカー賞球:14個
ヘソ入賞(1種)当せん確率:合算1/199.8
真乙女BONUS3000(約1000発×3回(+LT&2000発(OVER斬(キル)BONUSストック1回分)も7.2%存在)+ラッキートリガー(LT)チャレンジ):1/399.6の75%
乙女BONUS(約280発+時短50回):1/399.6の25%
強カワチャージ(約280発):1/399.6(上記2つとは別に抽せん)
ラッキートリガー(乙女RUSH)獲得確率:約50%
乙女RUSH(ST140回)中のOVER斬BONUS当せん確率(2種):約1/97
OVER斬BONUS:2000発(約1000発×2回)
(当せん時の約25%でOVER斬BONUSストック(いわゆる1G連)を1回以上獲得(連続する事あり))OVER斬BONUS継続率:約77%
期待差球数(MY):14668発(メーカー公称値)
期待差球数の定義がいまいち不明ではありますが、数値を見る限り
「真乙女BONUS3000+OVER斬BONUS6回程度(≒95%弱の人がRUSH終了する確率)の獲得球数」
なのかしら…と、推察します。
(どこかで、OVER斬BONUSの継続回数平均値5.6回とか見かけたような…)
結論を先に言わせて下さい
普通の人なら、
「怖すぎて、一度打ったらもう打てない」
(プラス収支でもマイナス収支でも)
…これね、ガチでヤバいんですよ。色々な意味でプレイヤーを依存させる要素あり。グラフィック、曲はコンテンツ大好きな方(私含め)には当然ささるのですが、それ以外にも大きな依存要素として…
紫光(しこう)フラッシュ
(点灯確率を90%にカスタマイズすると、LTチャレンジ以降の高揚感が爆上がり)失意のどん底状態から一気に放出する出玉性能
(導入初日で一度に3万発~4万発オーバーの報告がSNSに挙がっております)
この2点は、ギャンブル等依存症の研究において注意深く見守りたい点です。注意どころか、要警戒レベルのポイントです。
一方で、偶然の結果に見放されてしまった方は、10栄一が飛ぶ覚悟をして下さい。他のギャンブルに例えるならば、競馬の10万馬券級のお金が数時間で消し飛びます。
実際に打ってみた…怖かった…
新台稼働初日(この日が冬季休暇最終日)、人生で初めて入場整理券を貰い抽せん。17番目(最終的には15番目に繰り上げ)。10台入荷しているホールなので、他の新台に人が流れれば座れるでしょう。
朝10時、開店。早速、台の釘を確認しながら9番目の台に着席。画面上にいるちびキャラ(カスタマイズで変更可)は、カシンちゃん(出荷時デフォルトはノブナガ様のはず)。スタッフのおちゃめか、それとも釘調整の示唆か。もし後者なら、財布の中身を滅せられるのか…?
一抹の不安を感じつつ、遊技開始。さすがに新台稼働初日なだけに、普段の他の台よりは回る。1k平均15回転前後。遊技機に関する法令で、複雑な乱数アルゴリズムは組めないはず。メイン基板の8kバイトのROMにメルセンヌツイスターのような一様乱数に近づけるアルゴリズムなんぞ入れられやしないでしょう。そして、抽せん頻度は最低でも0.05秒間隔(これも法令で定められている)。これより、1秒間に最低20回はランダムな数字(乱数)の抽せんが擬似的に行われていて、球がヘソ(チャッカー)を通った瞬間の数字が選ばれ、当落判定をするというアルゴリズムと推察します。大昔はルーレット方式(ごく短時間間隔で1ずつ加算して,桁数のオーバーフローでリセット)でしたが,攻略されやすいと聞いたことがあります。
擬似乱数アルゴリズムはメーカーの超極秘事項なので、ここではANSI-Cを例に一般論だけ紹介します。ANSI-Cに入っているrand()関数の式を見ると、一次式の剰余を用いております。遊技機のメイン基板の開発言語はアセンブラかC言語と推察しますが、2の16乗の範囲(0~65535)から1つが選ばれ、ビットマスクやビットシフトなどで処理をしないと0.05秒以内に次の抽せんに追いつかないのでは、と推察しています。ここは是非、本業の方にお話を伺いたいです(無理でしょうが)。
そうこうしているうちに、画面上ではいきなり城門が登場して扉が御開帳。強カワチャージで280発。むなしい。その後も、チャージ、チャージ…と続き、ようやくチャージ以外が来たと思ったら、乙女BONUS。時短50回もあっさり駆け抜け。前日の晩にようつべで生放送されたハルルナちゃんの試打では、時短から1/399を引いてラッキートリガー直行という超レアケースを見た訳ですが、そんなレアケースが起こりうるはずもなく。
この時点で、意識は朦朧状態。深い思考をすることが出来なくなっております。おそらく、遊技中の人に短期記憶の計算タスクを与えたら、高確率で間違えそうです。
5回目の当たりで、念願の真乙女BONUS3000をゲット。しかし、ラッキートリガーチャレンジ(カシンバトル)は失敗。そりゃ、ボーナス中の2回目(1001~2000発目)の保留を貯める際に、90%にカスタマイズした紫光フラッシュが発生しない時点でアウトよね…。
そして、手元に来た3000発はあっさりと消化。この日一番のドハマりで500回転以上回した挙句に…強カワチャージ。がっくり。この時点でかなり心が折れています。感情の振れ幅でいえば、限りなくどん底側。
…が、ここから流れがちょっと変わり、54回転で再びチャージ。その後51回転で真乙女BONUS3000。ただ、ここでもラッキートリガーチャレンジは失敗。右打ちして、ノブナガ様の一撃が見たいのじゃ…(涙)
そんな悲しみの終焉を迎える出来事が、開店から6時間経過時点にやってきます。110回転で再び真乙女BONUS3000。残球数は800発。結構減ったけど、持ち球で続いたから、良かった…。そして、本日3回目のラッキートリガーチャレンジ、3度目のカシンバトル。ノブナガ様の声が聴覚をとおして脳内に響く。「右打ちして、保留を貯めるのじゃ!」保留を貯める…1個目入った…2個目がチャッカーを通過した瞬間…
ぱららぽろろ♪ぱうぃ↑~~~~~~~ん♪
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!紫光フラッシュ!!!!これで、ラッキートリガー獲得が確定です。感情が本日最高レベルまで急上昇。ガチで涙がホロリと出ました。安心して、カシンちゃんがぶった斬られるのをじっくりと拝みました。ちなみに、ノブナガ様の「お主の相手は、このワシじゃぁぁぁぁぁぁ!!!」と「カシン…覚悟せい!!!!」というセリフで、ノブナガ様の声がサラウンドっぽくなりますが、もしかしたら「片方の音声チャンネルの波形を反転した」のかな…?実は、大学院時代に、C言語でWAVファイル等を生成していた際にお遊びでやったことがありました(→位相が変化し、音像定位が変わるため)。可能性はあるかも知れません。
この時、左隣に座っていた老人は、もはやプッシュボタンを押す…ではなく、拳で叩くようなプレイになっていたので、相当ストレスが溜まっていたでしょう。この時の私も同様です。台パンとかは一切せず、とにかく静かな姿勢を装いながらも胃が痛い。とにかく胃が痛い。下血するんじゃないかと思う位(実際には、下血ではなく痔の鮮血が出ました(お食事中の方、大変申し訳ございません))。この胃の痛さの原因は、昼食を抜いただけではないでしょう。間違いなく。
ラッキートリガー獲得後…
ようやく、ラッキートリガーを獲得して、「見るもの見れたし、あとは程々の所で損切りして終了かな…?」と思っていたのですが…台の様子がおかしい。まずはカシンバトル終了後すぐに画面がブラックアウト。OVER斬BONUSストック1個をゲットしていました。真乙女BONUS3000のうち上位7.2%だったはず。ずいぶん薄いところ引いたねぇ…。
その後も、紫光フラッシュ2回で6000発、1回2000発を挟み、今度は紫光フラッシュ3回で8000発…等々。もはや、頭の中では何が何やら。紫光フラッシュが出る度に台に頭を下げてお礼を言ってたような。今振り返っても、心中は冷静じゃない。少なくとも計算問題が出来る状態ではない。これはヤバい。ギャンブル等依存症問題を研究する側の人間として、この機種は避けて通れなかったと判断したのは間違いではなかったようです。
最終的には8連続で終了。払い出しは33600球。喜びの感情も無く、ただただ茫然。すぐに精算して帰宅の途につきました。
今振り返っても、これはヤバい
ギャンブル等依存症が重症化する人は、おそらくこのような経験をしても、不安を一切感じないハイな状態で済むのだと思います。私は、喜ぶよりも不安の方があまりにも大きく「もう打てない…怖い…これはヤバい…」と、帰宅しながら感じておりました。おそらく、これが一般的な人の感覚なのでしょう。
そういう訳で、私から皆様にアドバイスできることは
依存症が深刻になりそうで怖い方は、結果がどうであれ、プレイ経験は一度だけにしましょう。予算はきっちり決めて必ず守りましょう
乙女たちと長い時間キャッキャウフフして打ちたい人は、きっと平和さんがライトバージョンを出してくれると信じて待ちましょう
の、2点です。
ハイタイプの台としては、年明け一発目でありながら個人的に神台としてプッシュするのですが、研究者目線では「”やべぇ”のが市場に出てきたなぁ…」というのが正直な所です。今後の研究で、計測・解析・考察すべき内容の検討が更に深まりそうです。
最後に:研究に活かせそうな体感での感触
私の研究の仔細は今後に差し支えが出るため伏せますが,体感で得た感触としては…
計算問題がまともに出来ない状態になる
短期記憶が遊技に集中して,他の情報処理がおろそかになる
心拍数変動が急峻になる
過剰なストレスによって,操作力が無意識のうちに過剰になる
過剰なストレスによる急性内臓系疾患の発症の可能性がある
の5点に着目しております.今後,これらの感触を基にどのような研究を実現出来るか…それは私の努力次第です.
おまけ:弊研究室の来年度卒研テーマに…
今,ちょうど来年度の卒研生に研究希望テーマを集約したところですが,遊技機の演出やギャンブル等依存症について「人間側の指標で測るゲームバランスの研究」を志望する学生が数名手を上げてくれています.人間工学とリスク工学の観点を取り入れて,大真面目に研究を遂行します.
最後に…「遊技自体のアミューズメント性(=娯楽としての楽しさ)そのものは非難してはならないし,非難されるべきではないと考えておりますが,遊技が引き金となる社会問題は,自らの専門分野をもって解決に資する技術を創る必要がある.」それが弊研究室の遊技機に対するスタンスです.社会問題の解決のために原因(遊技機,遊技業界)を排除するだけなら,サルでも出来ます.排除ではなく共存の道を模索するのが,本来の人間としての立ち振る舞い方ではないでしょうか.