「ちょっと思い出しただけ」なんだけど、なぜこんなにも色濃いんだろう。
みなさんこんばんは。2ヶ月ぶりの投稿になってしまいました。。
3月は仕事しかしてなく心が枯れていたのですが、先日、たまたま見た誰かのインスタのストーリーで流れてきた「ちょっと思い出しただけ」を観にいってきました。
今年の3月は入社して一番と言っていいくらい忙しく、平日は2時3時の帰宅、土日も働く、という具合に、一生仕事のことを考えていました。。仕事大好き人間ではない自分がよく一か月耐えたと思います。(笑)
感情が動くことって、ほんとに大事です。感情が動かなくなったな、と思ったら自分のSOSのサインだと思います。どんなに忙しくても、何かを感じに行動するのがわたしにとっては大事なようです。
わたしの感情を動かす手段の一つが、映画です。「映画を映画館で観る」という行為自体が、治癒になります。
今回は、「ちょっと思い出しただけ」のレビューを書いていきます。公式サイトを載せておくので、気になる方はぜひ覗いてからレビューをどうぞ!※もちろんネタバレ注意です。
「ちょっと思い出しただけ」さくっと作品紹介
本作の主演は、照生(てるお)役・池松壮亮さんと、葉(よう)役・伊藤沙莉さん。また劇中歌を担当し、バンドマン役として実際に出演しているのがクリープハイプ・尾崎世界観さん。
照生は舞台で踊るダンサー、葉はタクシードライバーです。
まずもってこのキャストが個人的にドンピシャでした。
わたしたちの人生のどこかに実際にいるのでは?というくらい世の中に馴染んだ役で、且つ配役が絶妙で。
今の時代の話なのに懐かしくなるし、バイト先の友達の友達の話なのかな?といった距離感の作品です。
ストーリーはどんどん過去にさかのぼる展開。二人が別れた後から、付き合う前まで、どんどん時間を巻き戻し、その期間は6年にもわたります。
知っている店が出てくるわけでも、馴染みのある場所が出てくるわけでもないのに、この懐かしさはなんだろう、、と、不思議と惹きつけられた作品です。
一年のうちの、ある日、を起点に二人を映す
ストーリーは、「7/26」の照生の誕生日を起点に、過去6年間を見せていきます。すでに二人が別れたあとの7/26、付き合っているときの7/26、付き合う前の7/26、といった具合です。
ストーリーの内容としてはとてもわたしたちの生活に馴染む、日常のありふれた恋愛のひとつなのかもしれませんが、それをあえて時間を巻き戻していくことでこんなに切なく見えるのか、、と体感しました。
一年前の今日、何をしていたかなんて覚えていないし、去年の誕生日はどんな風に過ごしたかも覚えていません。それでもこの作品をみると、社会人になってなんとなく積み重ねた1日が、誕生日が、こんなに愛しかったんだと気付かされます。
時間が解決する
先ほども書きましたが、この作品は年を遡って照生と葉の日々を描いています。なので時間を遡るほど眩しい日々が見えてきます。
葉は仕事でタクシードライバーをしていますが、照生の誕生日にタクシーをこっそり借りて街を走ったり、照生は水族館のバイトをしていて休館日なのに2人で入ってしまってみたり。
そんな何気ない日々をまるで特別な日のように過ごした2人が、最後はよくあるような別れ方で終わりを迎えます。全ての悩みを共有してほしい葉と、自分の人生を自分で考えたかった照生の切ない結末です。
作品の終盤では、それぞれがあるシーンをきっかけに、2人の暖かな日々を思い出します。そのシーンのキーパーソンが尾崎世界観演じる、あるバンドマンなのですが。2人は付き合っていた頃の時間を「ちょっと思い出しただけ」で、再会することはなく、時間が解決しそれぞれの道を進んでいきます。
照生は別れた後は舞台のスタッフとして働きながらも踊ることを諦めず、終演後の舞台で練習をする日々。
葉は今もタクシードライバーとして働きながら、ある日の合コンを抜け出した時にたまたまタバコを吸っている時に出会った人物(ニューユーク・屋敷)と結婚し、子どもも生まれて幸せな日々を送ります。
その時は「今が全て」と思って生きていても、運命には逆らえないのかもしれないです。
私たちの過去の存在意義
最後に作品を観て、「私たちの忘れかけている過去、忘れられない過去」は、どうしてあるのかと考えました。
忘れかけている過去は、きっとその時に経験しないと当時の判断基準が生まれなかったり、価値観の醸成のための小さなカケラたちなのかなと思います。
また忘れられない過去は、私たちが日々生きる上で、アラートというか、自分の中で注意喚起するための存在なのかなと思いました。
つまり、どんな瞬間もなければいけなかった瞬間で、経験せざるを得なかった過去なのではと思います。
レポが遅くなってしまいましたが、気になった方は観てみてくださいね!
もう気がつけば4月。まだまだ今年はいろんな作品を観たいと思います、、!
それではまた。
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