オランダ人が思う、オランダという国
2017年の秋、私は交換留学ではじめてオランダという土地に足を踏み入れました。
期待と不安でいっぱいの初登校日に受けたオリエンテーション。
その中で「オランダってこんな国」と紹介された内容が、ちょっとユニークで、親しみやすく、一気にこの国を気に入ったのを覚えています。
最近日記を読み返してみると、その時の内容について記述を見つけました。
オランダについてあまり知らない人や、既に長く住まれている方にも、どんな内容が話されたのか聞いてもらいたいな…。そんな思いで、このnoteを書くことにしました。
皆さまにとっても、少しだけオランダという国を近くに感じるきっかけになればと思います。
(内容はその当時の受け売りです。私がオランダに住んでどう感じたかというよりは、「オランダ人が思うオランダらしさ」が詰まっているのではないでしょうか。)
ではでは、はじまりはじまり〜。
オランダ知るための4つの言葉
オリエンテーションの始まりはここから。
オランダ人を知るための4つのキーワードがあります。
・Thrift(倹約)
・Small (小さい)
・Normal (普通)
・Equal(平等)
なんだか、分かるような、分からないような??
ひとつずつ見ていきますね。
1つめ:倹約
オランダ人=ケチ
ご存知の方もいるかもしれませんが、オランダ人はよくこう言われます。
実はこれには宗教が関係していて、オランダはキリスト教の中でも、質素倹約が美徳とされる、プロテスタントのカルヴァン派が多かった国です。
キリスト教を信仰する人が減った今でも、そこからオランダ人の倹約精神は受け継がれています。
オランダでは、カーテンをしていない家がたくさんあります。
その理由も、質素で慎ましい暮らしぶりを、外に示す役割があったんだそうです。(ちなみに、オリエンテーションではそう話されましたが、ネット上で真偽を調べても見つかりませんでした。)
それからリサイクルショップや蚤の市も盛んです。
オランダでは、「使えるものを捨てるのは罪だ」なんて言葉もあるので、まだ使えるものは売りに出す人が多いのかもしれません。
そんな質素倹約の精神から、「オランダ人は服のブランドより、その服をいくらで買ったかを自慢するのよ〜」なんてお話もされました。
これは私の体験談ですが、本当にそのあとオランダ人に服の値段を自慢された時には思わず笑ってしまいました。
2つ目:小さい
オランダは平均身長が世界で一番高い国です。
「小さい」こととは無縁のような感じがしますね。
でも、オランダ人は「小さい」ことが大好きなんです。
なんでも、オランダ語で仕事仲間に「コーヒーを飲みに行こうよ」と言われたら、それは何か重大な話があるように聞こえるそう。
ですから、オランダ人は気軽に誘いたい時は、「(小さい)コーヒーを飲みに行こうよ」という表現を使います。
そんな「小さい」を表すのによく使われるのが、〜tje(チェ)という表現です。いろいろな言葉にくっつけて使います。
オランダ生まれの有名なキャラクター、ミッフィーも、オランダ語ではnijntje(ナインチェ)という名前です。子うさぎちゃんという意味になります。
オランダ人は色々なものに〜tje(チェ)を付けて、親しみを込めて呼ぶのが好きです。
3つ目:普通
オランダにはこんな言葉があります。
「普通でいることが、十分クレイジーだ」
普通というと、なんだか面白みのないように聞こえますが、オランダでの「普通」とは、「自分らしくいること」の意味合いが強いのかもしれません。
日本語で言うと「みんな違ってみんないい」的な感覚なのでしょうか。
確かに、良くも悪くも、自分に素直な人が多い印象はあります。
(正直「普通のオランダ人」なんて存在するのか分かりませんが。。。)
3つ目:平等
オランダ人は平等が好きです。
まずは男女平等。
女性も男性に負けないくらいタフな方が多くて、共働きの割合がとても高いです。
そしてオランダの大学に通って驚いたのが、生徒が先生を下の名前で呼び捨てで呼ぶこと。
先生が学生の飲みの場に普通に参加することもあります。
先生ではあるのですが、友達同士のような空気感があるのです。
また、国の代表も平等の例外ではありません。
オリエンテーションでは、王様家族が自転車に乗っている写真が紹介されました。曰く、「王様はとっても身分が高いのはもちろんだけど、私たち国民は王様を遠い人だとは思っていないのよ」とのこと。
そんな現王様、ウィレム=アレクサンダー王は、オランダの航空会社KLMの副操縦士として、20年以上も勤務していたという事実もあります。(乗務するのは月2回ほどで、あくまで副操縦士としての活動は「趣味」だったそうですが…。)
現在の首相、ルッテ首相も負けてはいません。
彼の通勤手段はなんと自転車!(セキュリティは大丈夫なのでしょうか…)
このような感じで、オランダ人には平等の精神があるのです。
※ちなみに、平等=差別がない
と言うことではありません。
他のどの国とも同じように、差別をする人も中にはいるでしょう。(私は今のところほとんど経験していませんが)
「平等」はあくまでオランダを知るためのキーワードであり、実際に完全に社会が平等であるとは限りません。
また、言語的側面では、年代が上の人に対しては敬語的な表現も使います。
最後に
「倹約家で、小さいものが好きで、普通でいて、平等」
これがオランダ人が紹介するオランダと言う国です。
私はまだまだこの国のことを知りきれていないので、いつかは自分の言葉でも紹介できたらいいなと思います。
この記事を読んで、オランダという国を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。
おわり。