お仕事本から垣間見えるもの
2年前まではMR(製薬会社の営業職)として働いていました。
医療系のTVドラマには、ちょっと悪役っぽい役で出ていたりして、「こんな仕事してないのに、このドラマを観た親に心配されたらどうしよう」なんてあらぬ心配をしたことも…。
最近では「私の家政婦ナギサさん」で一気にMRの認知度があがったように思います。多部未華子さんの服装が華やか過ぎて、「都会のMRでもさすがにあんな恰好しないよね?」と思わず会社時代の同期とLINEしてました笑
最近MRを題材にした小説、その名もずばり「MR」が出たので読ませてもらいました。500ページ超で辞書並みの厚さ!
「こんな業務いち営業所で担えないのでは?!」いう点を始め突っ込みどころは色々あるものの、MRあるあるが散りばめられていたりして面白いです。レビューを見ていると医療業界版半沢直樹なんて書かれてる方もいて、確かにそういう雰囲気かも。
お仕事系の小説を読むと、知らない業界が垣間見えて興味深いので好きなのですが、自分が(元)業界側として読む機会はなかったので新鮮!
違うところが目についてしまうのも、業界目線ならでは?(他のお仕事本もきっとそうなんでしょうね。)
特に添付文書や開発等本来専門部署が行うことも現場が対応している点は、そのままMRの仕事と思われてしまうと誤解を招きそうで気になります。
MRは、営業職ですが取り扱うものが医療用医薬品になるため、価格交渉や納品という仕事がありません(医薬品卸の方が行う)。また、医師・薬剤師が面談相手となり、実際に処方される患者さんとは直接関わることができません。市販の医薬品と違って薬剤の広告も一般には出せないということもあり、MRの仕事は知られる機会が少ないのかもしれません。
でも先生から患者さんの話を伺ったりして、喜んでもらえたと聞いた時は嬉しかったし、お医者さんと話す機会をもらうというのは勉強になることが沢山ありました。メンタルも鍛えられたと思います。
働いていた時代を思い出しながら、楽しい読書時間になりました。