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にょきにょき 春の恵み
毎日新聞イラストコラム
カントリースケッチ
No.76【にょきにょき 春の恵み】
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ふき、わらび、山うど。下ごしらえは面倒だが、独特の苦味や香りが楽しめる山菜料理が私は好きだ。そんな中で別格なのはタケノコ。産直市場に並びだすとソワソワしてなんだか落ち着かない。それは毎年の恒例行事が目前なのを意味するからだ。
大型連休初日。親戚の竹林で待望のタケノコ堀りをした。林に一歩足を踏み入れると、頭上高く伸びる竹が影を作ってくれ、涼しい。
「みつけた!」
娘達と従姉妹の声が竹林に響き、静けさは一瞬にして吹き飛んだ。ここからは大人も子供も真剣勝負。スコップやクワで周りの土を掘り進める。汗だくだ。傷つけずに根本からタケノコを掘り出す瞬間は何とも言えぬ達成感に包まれる。
今年は生り年で、抱えきれないほどの量を収穫。夕飯はタケノコたっぷりの春巻きとメンマ。ビール片手に今日の健闘を讃えあう、楽しい春の食卓だった。