フランスお仕事日記/初日勤務前
12月4日月曜日。
先週半ばに面接をして、
早くも今日の午後からお仕事スタート。
おうちから徒歩15分のBIOスーパーの店員さん。
フランス語を使って仕事をする初めての機会です。
正直、面接後に「Oui」と良いお返事をもらい、
私もその日のうちに「Oui」と返してから、
内定ブルーが止まっていません。
この週末は憂鬱な気持ちから抜けられずに過ごしていました。
以前の職場である日本のブランディング企業を去ってから、
ほぼまる2年が経とうとしています。
この期間で1年弱はフランス語語学学校に通っていましたが、
それ以外は自分の時間として、またはパートナーとの時間として、
自分のペースで使うことができていました。
この状況に慣れてしまっています。
今日からのお仕事はフルタイムの週35時間のもの。
オフィスワークとは違い、シフトワークなので、
平日のうち3日は半日6時間、1日は10時間、土曜日に半日6時間。
半日は朝の場合は基本7:30〜13:30、昼の場合は14:00〜20:00、
といった感じです。
理想的でないけれど、何より家から近いこと、
半日時間が使えることはいいかもしれません。
でも、
焦って承諾してしまったけれど、本当にこの条件でよかったのかな、
フランス語で仕事なんてできるのかな、
カフェでの仕事のほうがしたかったんじゃないのかな、
BIOのこと全然知らないけど大丈夫かな、
土曜も仕事で旅行に行きづらくなっちゃったな、
そもそも長期の無職から週5日勤務で私生きられるのかな、とか、
そういうのが頭の中をずっとぐるぐるしていました。
要するに、失敗するのが嫌だ、
自分にとって心地いいバランスが崩れるのが嫌だ、
ということです。
この2年、周りの人たちに許してもらうことで取れていた、
自分にとって心地いいバランス。
何に力を入れることもなく、ぬくぬくできる時間と空間。
何をつかもうと焦ることなく、勝ち負けも失敗もなく、
ゆるーくしたいことをする一日。
それが壊れるのが怖いのです。
私が仕事をするのは半分、パートナーのためであります。
ここまでのフランス生活でのお金はユーロのレートのこともあり、
ずっと立て替えてもらっています。
家賃も食料品も旅行代も、彼の財布から出ており、
そんな状況を、彼も私もずっとは続けられません。
自分のポジティブな気持ちから始まったわけではない職探し。
こんなに早く決まると思ってなくて戸惑っているのもあります。
仕事が見つからなくて困り果てている人もいる中で、
贅沢な悩みなのは百も承知。
それでも、ポジティブになれない自分がいます。
(悩みも幸福もそれぞれの事情。人と比べる必要はないと思いますが。)
そんな感じのもんやりが覆う日曜日の夕方、
パートナーはスポーツに出かけ、
私は久々に映画「食べて、祈って、恋をして」を見ました。
最後の最後、新しい恋人との人生にGOが出せないリズに対して、
バリのヒーラーであるおじいちゃんがこう言います。
「愛のためにバランスを失うことは、バランスの取れた人生を生きることの一部である」
今の自分に必要な言葉が降ってきたようでした。
状況は違えど、リズと同じように、
自分のペースにようやく落ち着いていたスペースに、
異物を迎え入れようとしている今、
私自身のバランスを失うことばかりに恐れを感じていました。
でも、きっと私の人生にいいバランスをもたらすために、
これは必要な揺れなのでしょうね。
そうですね、きっと。
パートナーは、顔がこわばる私に、
「大丈夫だよ」と笑い、
笑わせようとおちょけてくれています。
今日は曇りだけれど、
面接前日は虹に出会えました。
まだ「うっしゃ、行くぞー!」みたいにはなれないけれど、
「行ってみよう」と思います。
仕事ひとつ始めるだけのことなのに、大袈裟?
そうだとしても、気持ちを一つずつ掬って、
綴っていけたらと思ってます。
日々感謝
アズ