【セリアンスロピー/Therianthropy】の辞書
【セリアンスロピー/Therianthropy】に関連する用語をまとめた辞書を記そうと考えました。目標としては「これさえ網羅すれば【セリアンスロピー/Therianthropy】に関して一通り基礎知識が得られる」ほどの情報量を目指します。そのため、後々加筆されるかもしれません。
用語は基本的に日本語を基準にし、あいうえお順に並べます。ただし英語と日本語で表記方法が異なる語も多いため、そちらに関しては基本的にカタカナ語を優先し、英語のインフォメーションソースへのアクセシビリティを担保する事とします。
全ての記事は、基本的に私個人の主観で書かれたものです。出来るだけ中立的な立場での執筆を心がけていますが、100%の客観性は保証できないため、過信はしないようにお願いします。
また、それぞれの語句の【セリアンスロピー/Therianthropy】との関連性も併記しますが、あくまでも「私個人が判断する関連性」であるため、鵜呑みにし過ぎないようお願いします。
《更新履歴》
2024.11.04:細部調整、微量加筆
2024.11.03:基礎項目執筆完了
《アルファベット》
【AHWW(Alt.horror.werewolves)】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[Web用語]
【セリアンスロピー/Therianthropy】の基礎を築いたとされる1990年代初頭に登場したUsenet上のコミュニティ。現代では半ば「伝説」として語り継がれている。
元来は映画やコミックに登場するワーウルフについて議論する場であったらしいが、次第に【セリアンスロピー/Therianthropy】についての話題へと推移していったという。結果として現代に通ずる【セリアンスロピー/Therianthropy】の基礎が討論により醸成されていった。
ただ、【ファントム シフト/Phantom Shift】や【メンタル シフト/Mental Shift】を【フィジカル シフト/Physical Shift】だと誤認した一派と、これを妄想であると否定する一派との間で激しい争いが起き、最終的にコミュニティは分断・解散へと追い込まれてしまった歴史を持つ。
現在ではより利便性の高いSNSの登場によりUsenetそのものが半ば滅んでしまった上に、【AHWW(Alt.horror.werewolves)】自身が1999年に解散宣言をしたため、当時の記録に直接触れる事は困難であると思われる。
とはいえ、【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の時代を知る「長老」とも言うべき存在が、現存する【セリアン/Therian】のコミュニティに在籍している場合もある。彼らはその豊富な経験から【グレイマズル/Greymuzzle】と呼ばれ、多くの場合尊敬を集めている。
しかし新たな時代の若者文化にジェネレーションギャップを覚える【グレイマズル/Greymuzzle】世代は多く、コミュニティを去る者も少なくない。そのためコミュニティ内で若者の行動を制止する者が居なくなり、特にTikTokなど若い世代が利用するコミュニティではパフォーマンスの過激化に歯止めが効かなくなっている。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)】
[関連性:中]
[心理学用語]
「心的外傷後ストレス障害」と訳される場合が多いが、単に「PTSD」という略語で呼ばれる場合の方が多い。【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】と直接的な関連性はないが、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】が「普通の人とは違う」という特性を持っている以上、イジメや迫害を受けやすくなる懸念があるため、間接的な因果関係があると考えられる。実際にPTSDを抱える【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は少なくないようで、有志による調査では6%弱の【セリアン/Therian】がPTSDであると診断されたとの結果が出ているらしい。社会生活を送る上で障害になりそうであれば専門医の治療を受ける事が望ましい。
注意すべき点は、PTSDは明確に「病気」で治すべきものだが、【セリアンスロピー/Therianthropy】そのものは「病気」ではなく、本来は「本人の特徴」と捉えられるべきであること。学校や会社など規模の大きいコミュニティでは本人の特性に対して完全に理解を示し受け容れるのは困難かもしれないが、少なくとも家族や友人など近しい人々は一定の理解と許容の姿勢を見せる事が望ましい。それが不可能な場合は【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティに参加し、互いに「本当の自分」を認め合える間柄の仲間を探す事が奨励される。
⇒ [ Wikipedia ] を参照。
【That's me! Feeling】
[関連性:高]
[セリアン用語]
自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】の動物を見た時に「この動物こそが自分だ」と感じる感覚。自分が【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】と自覚し【覚醒/Awakening】する一番のきっかけになりやすいが、【アザーハーテッド/Otherhearted】や【コーピングリンク/Copinglink】も同様に【That's me! Feeling】を経験するため、【That's me! Feeling】だけで容易に自分が【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】であると結論付けない方が良い。特に【That's me! Feeling】を感じた動物を片っ端から自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】に加えていくのは【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】を誤解しているか軽視していると思われかねないため、お勧めできない。
【TikTok】
[関連性:低]
[Web用語]、[SNS用語]
URL:https://www.tiktok.com/
主に今の若者世代が利用する動画投稿を主軸にしたSNS。本来は【セリアンスロピー/Therianthropy】とは全く関係ない。しかし若い【セリアン/Therian】の一部がTikTokに進出し、人目を引く奇抜なパフォーマンスを多数投稿してしまったため、【セリアンスロピー/Therianthropy】そのものが一般人から誤解されるという問題が起きている。
しかも海外で流行りだした奇抜なパフォーマンスのみを日本人が輸入したため、日本では「テリアン」という本来の言葉の意味や発音を大きく歪ませたハッシュタグが【セリアンスロピー/Therianthropy】を示す語として広く用いられる倒錯した状況にある。本来は【クアドロビクス/Quadrobics】も【セリアン ギア/Therian Gear】も【セリアンスロピー/Therianthropy】を表現するための手段の一つにすぎず、「【クアドロビクス/Quadrobics】をしている人々がセリアン」、「【セリアン ギア/Therian Gear】を身に着けている人々がセリアン」という認識は誤解である。
現在ではTikTok上に細分化された小規模な「日本人テリアン」のコミュニティがあるものと想像される。しかしほとんどがアンチからの攻撃を恐れて閉鎖的になっているため、コンタクトを取るのが難しい。
【VRChat】
[関連性:中]
[Web用語]
URL:https://hello.vrchat.com/
一部の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】が【種族違和/Species Dysphoria】に対する「対症療法/Coping」の一環として利用しているサービス。2014年にサービスがスタートしたとのこと。仮想空間上で自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】のアバターとして活動できるため、【種族違和/Species Dysphoria】に対する「対症療法/Coping」としてはかなり効果的であると考えられている。しかしハイスペックのパソコンとVR機器を必要とするため、初期投資に必要な金額が高くなってしまうという欠点がある。また完全に自分好みのアバターを製作しようとするとUnityを扱う技能がほぼ不可欠になるらしく、様々な面から敷居が高い趣味であると言える。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
《あ行》
【アイデンティティ/Identity】
[関連性:中]
[心理学用語]
自己同一性。「自分が何者であるか」を示す語。言葉そのものとしては心理学で広範に用いられる語句であるため、【セリアンスロピー/Therianthropy】との直接的関連性については便宜的に「中」としているが、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にとっては最も大切になる概念の一つ。【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】は究極のところアイデンティティの探求であると言える。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【アウェイクニング/Awakening】
[関連性:高]
[セリアン用語]
一般的に「覚醒」と訳されている。【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野では「明確に自分自身が【セリアン/Therian】であると自覚する瞬間」の特別な体験を【覚醒/Awakening】と定義している。個々人によって体験の仕方は様々で、劇的な【覚醒/Awakening】を迎える者もあれば、3~4歳頃というごく若い時期に既に体験しており、当時の記憶を思い出す事が難しいと訴える者もある。一般的には10~15歳の思春期頃に明確な【覚醒/Awakening】を経験する事が多いとされている。
多くの場合は【覚醒/Awakening】に伴って自分自身の【セリオタイプ/Theriotype】を発見する事が多いが、この時に発見された【セリオタイプ/Theriotype】が必ずしも「正しい」とは限らない。よって本人が 動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) を学び、自分の【セリオタイプ/Theriotype】の特性について学んでいく事が奨励される。
十分な知識を得た結果【セリオタイプ/Theriotype】の認識が変わる場合もある。また、他の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】との対話を通じて、自分自身が【セリアン/Therian】ではないと気付く者もある。その場合は【アザーハーテッド/Otherhearted】か【コーピングリンク/Copinglink】かどちらかであると認識を改める場合が多い。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【アザーキニティ/Otherkinity】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【アザーキン/Otherkin】の持つ信条そのもののこと。宗教に例えるのなら、【アザーキン/Otherkin】は「信者」に相当し、【アザーキニティ/Otherkinity】は「宗教そのもの」を意味する語になる。
【アザーキン/Otherkin】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】の「親戚」とも言える存在。「自分自身を人間ではない種族である」と考えている人々のうち、「自分の種族」を指す【キン/Kin】がドラゴンやグリフォンなど伝説上の生き物である人々を指す。ちなみに【アザーキン/Otherkin】の「自分の種族」の事を【キンタイプ/Kintype】と表現する。
歴史的には【セリアン/Therian】よりもむしろ【アザーキン/Otherkin】の概念の方が先に「発見」されたようで、【セリアン/Therian】を【アザーキン/Otherkin】の中に含まれるサブカテゴリと位置付ける人々もいる。
逆に【アザーキン/Otherkin】を【セリアン/Therian】の中でも「特別な【キン/Kin】を持つサブカテゴリの人々」として認識する人々もいる。個々人がどのようなコミュニティとファーストコンタクトを取ったかによって定義が左右される可能性が高い。
【アザーキン/Otherkin】の中には【フィクションキン/Fictionkin】も含まれるが、【フィクションキン/Fictionkin】を「妥当なもの」と考えるか否かについては個々人で意見が分かれている。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【アザーキン ウィキ/Otherkin Wiki】
[関連性:高]
[セリアン用語]
URL:https://otherkin.fandom.com/wiki/Otherkin_Wiki
【アザーキン/Otherkin】についての情報を掲載しているWiki。検索結果には同名のWebサイトが複数ヒットしたため、それぞれ管理人が異なると考えられる。上記のURLのWebサイトに関しては、FandomというWikiサービス上に構築されたページらしい。【セリアン ウィキ/Therian Wiki】でも紹介されていた事から、信頼性は高いと思われる。
【アザーハーテッド/Otherhearted】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもないが、特定の動物種に対して強い親近感を持つ者を指す。【コーピングリンク/Copinglink】と似た性質を持つ。【アザーハーテッド/Otherhearted】の「自分の種族」は【キン/Kin】ではなく【キース/Kith】になる。
【アザーハーテッド/Otherhearted】は性質上、最初は「自分も【セリアン/Therian】か【アザーキン/Otherkin】ではないか」と考えて【セリアン/Therian】のコミュニティに参加する事が多い。しかし他の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】と対話したり、自己理解が深まったりした段階で、「自分は【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもない」と気付く事が多い。しかしコミュニティに参加した際に自分の【セリオタイプ/Theriotype】だと考えていた種族に対する思い入れが【キース/Kith】という形で本人の中に残る場合が多い。自分が【アザーハーテッド/Otherhearted】である事に気付いてからもコミュニティに在籍し続けるか否かは個々人により差が大きいが、一般的には【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】に対する興味関心が薄れていく事が多い。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【アストラル シフト/Astral Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の一つ。【メンタル シフト/Mental Shift】、【ファントム シフト/Phantom Shift】、【ドリーム シフト/Dream Shift】と関連深い。伝統的なネイティブアメリカンのシャーマニズムに基づく深い瞑想やトランス状態を経験した際に、自分の【セリオタイプ/Theriotype】を強く認識する【シフティング/Shifting】とされている。しかし実際には「特に強い霊的な体験をし、それが【セリアンスロピー/Therianthropy】と関連深い」場合、ほとんど種別を問わず【アストラル シフト/Astral Shift】に分類されると言っても良いかもしれない。
性質上【霊的セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】の分野として研究され、【心理学的セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】や【神経学的セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】での研究が極めて困難になる。シャーマンのトランス状態と似たような状況になる事もあれば、ごく日常的に「守護霊/Guardian Spirit」と対話するといった【アストラル シフト/Astral Shift】を体験する【セリアン/Therian】もあり、個人差や体験の内容の差が激しい。他にも何者かから強力な「スピリチュアル エナジー/Spiritual Energy」を受け取って【幻肢/Phantom Limb】を非常に強く体感するなど、多種多様な経験が報告されている。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【アストラル プロジェクション/Astral Projection】
[関連性:中]
[スピリチュアル用語]、[セリアン用語]
「幽体離脱を自発的に行う」ような技術。【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野に於いては【バイ ロケーション シフト/Bi-location Shift】の別名として知られるが、「人間のスピリチュアルな実践」でも用いられる語句であると思われる。
【セリアンスロピー/Therianthropy】での解釈では、【ファントム シフト/Phantom Shift】で構築した自らの【セリオタイプ/Theriotype】の【幻肢/Phantom Limb】を自分の肉体から引き剥がして幽体離脱させるような感覚と言われている。「Orion Scribner」氏の描いたこちらのイラストが視覚的に理解しやすい。
近年では「VR感覚」や「ファントムセンス」と呼ばれる「VR体験中に自分のアバターに触れられた場合、あたかも自分自身の肉体が触れられたような感覚に陥る」という体験が報告されている。これはVR空間上の自分のアバターに無意識的にでも【アストラル プロジェクション/Astral Projection】が行われた結果発生する現象だと考えられる。「VR感覚」や「ファントムセンス」は心理学や神経学では「共感覚/Synesthesia」や「クロスモーダル現象/Cross-modal phenomenon」と関連深いと言われているらしい。
【アテンション シーカー/Attention-Seeker】
[関連性:低]
[一般語]
「目立ちたがり」を意味する英語。かなりネガティブなイメージのある語。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティの中で、承認欲求を満たすために特別注目を引きたがる者の事を指してこう呼ばれる場合が多い。
「アテンション シーカー/Attention-Seeker」という語そのものは【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】とは無関係で、学校などでごく普通に使われるとのこと。要するに承認欲求に支配されるままコミュニティ内で問題児になってはならない、という注意書きのために記した語である。
【アンガー マネジメント/Anger Management】
[関連性:中]
[心理学用語]
【セリアン/Therian】だけでなく普通の一般人にも有効な「怒りをコントロールする方法論」。【セリアン/Therian】の中には激しい【レイジシフト/Rage Shift】を経験する者もある。
そのため本能的な「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」の「過激な」問題解決行動を抑制する手段を学ぶ事が出来れば、社会生活を送る上で不利になるリスクを減らす事が出来る。【シフティング/Shifting】が完全にコントロール不能になると【クリニカル ライカンスロピー/Clinical Lycanthropy】に至る可能性もゼロではないため、【レイジシフト/Rage Shift】に限らず本人が【シフティング/Shifting】を随意にコントロールする術を身に着ける事は非常に重要だと言える。
「アンガー マネジメント/Anger Management」はその方法の一つとして有用とされている。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【アンスロ/Anthro】
[関連性:低]
[サブカルチャー用語]
「獣人」を指す語。【セリアンスロピー/Therianthropy】よりもむしろ【ケモナー/Furry】の分野の語になる。二足歩行に適した体構造をしている獣人の概念及びその要素を持ち合わせたキャラクターを指す。
【セリアン/Therian】の中にも自分の【セリオタイプ/Theriotype】を「獣人である」と考えている者もあり、【クレードセリアン/Cladotherian】と呼ばれている。
また、【クレードセリアン/Cladotherian】ではない【セリアン/Therian】の中にもアンスロ化した姿を持つ者もある。どちらも本来の自分の【セリオタイプ/Theriotype】の肉体と現実の肉体とのギャップを埋めるために、妥協点や折衷案を模索した結果辿りついたものと解釈できる。
【セリアン/Therian】の中には対話する相手次第で自己イメージが変化すると訴える者もある。「濃い」セリアン同士の対話では【フェラル/Feral】フォームであるという認識が強くなり、逆に「薄い」セリアンと対話したり一般人と対話する際には【アンスロ/Anthro】フォームを半ば無意識的に取る場合もあるという。これは自分の【セリオタイプ/Theriotype】の種族特性が人間相手に表出した場合は問題になる事が多いため、自分の【セリオタイプ/Theriotype】の認識を無意識下に出来るだけ抑え込む事で本能行動をある程度抑制する手段であると考えられる。
ちなみに DeviantArt や FurAffinity では、「アンスロ」と「ウェア」は画風や身体構造として明確に区別されている。アンスロの方がより「人間的」で直立歩行に適した体構造をしており、ウェアよりもスレンダーに描かれる事が多い。ウェアは反対に四足歩行も可能な体構造を意識して描かれる事が多く、筋肉質で野性味溢れる描かれ方をする場合が多い。このイメージの違いも狼の【セリアン/Therian】とワーウルフの【アザーキン/Otherkin】を区別する指標の一つとなっている。
【イデオロギー/Ideology】
[関連性:低]
[心理学用語]、[社会学用語]
個々人の思想。やや「過激」かつ「実際的」な意味合いとしては「政治思想」に近い。どのような理念に基づき、誰を支持し、どのような行動を取るかという根幹を司る信条。
こと【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野で用いられるのなら、イデオロギーとは即ち【霊的セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】を信じるのか、それとも【心理的セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】を信じるのかという意味合いにもなるし、コミュニティ内で誰の派閥に属するのか、誰が唱えた説に賛同するのかといった、人間関係上の立場や振舞を指す。
コミュニティに不和が生じる場合、大概がアイデンティティではなくむしろイデオロギーが原因で諍いが起こる事が多い。したがってコミュニティの構成員一人一人がアイデンティティとイデオロギーを分離して考える事が望ましい。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【ヴァシラント/Vacillant】
[関連性:高]
[セリアン用語]
「常に【メンタル シフト/Mental Shift】した状態」の【セリアン/Therian】の事を【サンセリアン/Suntherian】と表現するが、【アザーキン/Otherkin】の場合は【ヴァシラント/Vacillant】と呼ばれる。
一般的には【ヴァシラント/Vacillant】の後に個人の【キンタイプ/Kintype】を加えて呼ばれる事が多く、かつて【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の時代にコミュニティの大半を占めていた人狼が「自分は【ヴァシラント/Vacillant】ワーウルフである」と名乗る事が多かった。これは【メンタル シフト/Mental Shift】のONとOFFを明確に切り替えられる【シフター/Shifter】と区別してこう呼ばれたとのこと。
そもそも、最も「原始的な」定義では【シフティング/Shifting】とは「人間の状態《に》移行する」とされていた。
つまり【セリアン/Therian】は「動物の状態」こそが「本来の状態・基本状態」であって、「人間に変身できる者」が特別に【シフター/Shifter】と定義されていたようだ。【ヴァシラント/Vacillant】という語はその時の時代性を反映する語であると考えられる。
現在では【シフティング/Shifting】の考え方そのものが変化しており、「動物の状態」が「シフトした状態」であると定義されている。よって、【ヴァシラント/Vacillant】も【サンセリアン/Suntherian】も「常に【メンタル シフト/Mental Shift】した状態」の者を指し、「完全に【メンタル シフト/Mental Shift】をオフにする事は出来ない」という特徴を持つ。常に一定の割合で自分の【キン/Kin】の精神状態にあるが、人間と対話する必要性に迫られた場合には「お客様に対して無礼のない適切な対応」を心がける事で対応する場合が大半になる。
【ウェア/Were】
[関連性:中]
[ファンタジー用語]、[サブカルチャー用語]
ワーウルフやワーベア、ワータイガーなど、「獣人」を意味する語の「接頭語」として冠される語。かつては【セリアン/Therian】を語る上で重要視されていたが、時代を経て【セリアンスロピー/Therianthropy】の研究が進むと共に切り分けが進んでいった分野になる。
【セリアンスロピー/Therianthropy】の発祥となったのはUsenetのコミュニティである【AHWW(Alt.horror.werewolves)】だった。【AHWW(Alt.horror.werewolves)】は元来「映画に登場するワーウルフについての議論をする電子掲示板」であったため、【ウェア/Were】の語とは切っても切り離せない存在だったと言える。
ただ、【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の議題が映画のワーウルフから【セリアンスロピー/Therianthropy】へと移り、最終的には【ファントム シフト/Phantom Shift】や【メンタル シフト/Mental Shift】を【フィジカル シフト/Physical Shift】だと勘違いした人々との抗争になり、荒らしが日常茶飯事になったため1999年に【AHWW(Alt.horror.werewolves)】は閉鎖されたという。
その後ネット上に散らばった元【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の参加者たちが思い思いのコミュニティを立ち上げたが、【AHWW(Alt.horror.werewolves)】時代から既に活躍していた多くの人々の研究により「狼のセリアン」と「人狼のアザーキン」は異なる性質を持つ存在である事が明確になった。そのため【ウェア/Were】という語は【セリアンスロピー/Therianthropy】よりもむしろ【アザーキニティ/Otherkinity】の方に関連深い語句となった。とはいえ、【セリアンスロピー/Therianthropy】の歴史上は依然としてかなり重要な語句と言える。
ちなみに DeviantArt や FurAffinity では、「アンスロ」と「ウェア」は画風や身体構造として明確に区別されている。アンスロの方がより「人間的」で直立歩行に適した体構造をしており、ウェアよりもスレンダーに描かれる事が多い。ウェアは反対に四足歩行も可能な体構造を意識して描かれる事が多く、筋肉質で野性味溢れる描かれ方をする場合が多い。このイメージの違いも狼の【クレードセリアン/Cladotherian】とワーウルフの【アザーキン/Otherkin】を区別する指標の一つとなっているだろう。
【ウェアカード/Werecard】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の全盛期に個々の参加者が持ち寄ったとされるプロフィールシート。1990年代中頃に収集され、電話帳のような形で紙媒体に印刷され、メンバーに配布された事もあったという。
当時の内容には自分のハンドルネーム、【セリオタイプ/Theriotype】、【シフティング/Shifting】能力など【セリアン/Therian】として基本的な情報はもちろんのこと、リアルネームや誕生日や住所など、現在では個人情報保護の観点から問題視され得る項目も含まれていたらしく、この点はネット黎明期故の文化だったとされる。
また、好きなイラストや映画のみならず、好きな獲物、狩猟の方法、攻撃の仕方や、人間や吸血鬼に対する印象までも事細かに記す仕様になっていたらしい。後半は【AHWW(Alt.horror.werewolves)】が「ワーウルフのコミュニティ」であった時代を色濃く反映する内容になっている。
現在では【AHWW(Alt.horror.werewolves)】が解散になった上、個人情報保護の観点から【ウェアカード/Werecard】廃止になったと考えられる。しかし【ウェアカード/Werecard】の理念そのものは多くの【セリアン/Therian】のコミュニティに継承され、個々の参加者がプロフィールを充実させられるように配慮されている事が多い。
ただし未成年者保護の観点から、特に英語圏では13歳未満の少年少女がコミュニティに参加する事を禁ずるスタンスを取っているものもある。個々のメンバーのアクティビティを管理者側が完全に把握・コントロール出来ないため、コミュニティ内で管理者に隠れて行われる搾取を防ぐためやむを得ない措置と言える。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【ウェアリスト/Werelist】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[Web用語]
URL:https://werelist.net/
現在でも存続するメジャーな【セリアン/Therian】のコミュニティの一つ。発足そのものは2001年とされているが、2005年に「Coyote Osborn」氏により現在のようなオンラインフォーラムの形に変更されたという。【AHWW(Alt.horror.werewolves)】に在籍していたメンバーの多くが移住したと思われるが、確証はない。
Webフォーラムの形式を採るサイトで、日本人にはあまり馴染みがないため言語の壁とあいまって利用しづらい。
また、アカウントを作成する段階で荒らし対策の一環としてランダムな【セリアンスロピー/Therianthropy】に関するクイズを出される。正解しなければそもそもアカウントを作成できないため、これも残念ながら日本人にとっては敷居を高くする一因となってしまっている。
ただ、アカウントを作成しなくともある程度内容を見るだけなら出来る。書き込みはアカウントを取得しなければ出来ない。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【エコーチェンバー/Echo Chamber】
[関連性:低]
[心理学用語]
【セリアンスロピー/Therianthropy】とは直接的には関係ないが、現代のSNS世代が陥りやすいため注意が必要な現象。
閉ざされたコミュニティで自分と同じ意見しか持たない相手しか存在しない環境に置かれた場合、互いの意見が互いを増幅し合い、意見や思想が先鋭化され過激化していってしまうことを指す。
【セリアン/Therian】は他者から理解を得る事が難しい上に、コミュニティが分裂や細分化されやすい特性を持っているため、特に仲間内でエコーチェンバー効果が起こりやすい。
そのため情報の中立性を保つようにコミュニティに参加する一人ひとりが心がける事が望ましい。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【エソロジー/Ethology】
[関連性:中]
[動物学用語]、[心理学用語]
動物行動学のこと。
「動物心理学」と解釈される事もあるが、「人間は人間以外の動物の言葉が分からない以上、行動からしか動物の気持ちを推測出来ない」という理由から「動物行動学」という対訳になったという。
【セリアンスロピー/Therianthropy】との「言葉としての」関連性は便宜的に「中」としてあるが、【セリアンスロピー/Therianthropy】の中核を為す学問の一つと言ってよい。
特に個々人の【セリオタイプ/Theriotype】を特定したり、個々人の性質を分析したりするためには欠かせないリファレンスとなる。そのため動物行動学という学問そのものが【セリアンスロピー/Therianthropy】自体や個々の【セリアン/Therian】たちに与える影響は計り知れない。
ちなみに、世界広しと言えど日本には生息していない動物種について日本語で書かれた情報は極端に少ない。
もしも自分の【セリオタイプ/Theriotype】が日本には生息していない動物種であった場合、「調べたい動物の英名+Ethology」で検索をかけると上手くいく可能性がある。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【狼】
[関連性:低]
[動物学用語]
多くの【セリアン/Therian】のコミュニティで最大の人口を誇る【セリオタイプ/Theriotype】。
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】が性質上「自己申告制」にならざるを得ないため、どうしても一定数の無自覚的な【アザーハーテッド/Otherhearted】や【コーピングリンク/Copinglink】を内包する事になる。
したがって【キン/Kin】と違って選択的に選んでしまえる【キース/Kith】で自分の【セリオタイプ/Theriotype】を申告してしまう者が多いため、人口比が偏っているものと思われる。
狼は多くの場合「カッコいい」、「孤高」、「野性味」といった象徴的な動物として描かれる。そのため【セリアンスロピー/Therianthropy】の「入門」として狼に【自己同一感覚/That's me! Feeling】を覚える者は非常に多い。
しかしその後、動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) の知識を獲得して自分の【セリオタイプ/Theriotype】を改める者もある。或いは他の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】と接した結果、自分自身が【セリアン/Therian】ではなく【アザーハーテッド/Otherhearted】や【コーピングリンク/Copinglink】であると認識を改める者もある。
そのため狼を自称する「初心者セリアン」の【セリオタイプ/Theriotype】は「仮のもの」である可能性を考慮しておくと良い。
また、狼の持つ「群心理/Pack Mentality」が人間の組織論と相反するが故に、現実と自己認識とのギャップが激しくなって【覚醒/Awakening】を余儀なくされる【セリアン/Therian】もある。
人間は幼少期は学校に通い、成人すれば会社勤めになる場合が多く、「他の人間と関わらずに生きる」事が極端に難しい生態をしている。
しかし、これは狼が許容できる群の最大頭数を大幅に上回る可能性が高く、当人に大きなストレスを課す可能性がある。しかも「狭く濃厚な付き合い」を好む狼の生態と現代の人間の「広く浅い付き合い」は矛盾するため、狼の【セリアン/Therian】は一般的なオフィスワーカーに向かない可能性がある。
そのためフリーランスで起業する者や軍務に就く狼の【セリアン/Therian】も海外には多い。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【オーザキン】
[関連性:低]
[セリアン用語]、[非実在語]、[誤読・誤訳]
機械翻訳で【アザーキン/Otherkin】が誤って翻訳された結果発生した「本来存在しない語」。「オーダーキン」と表記される事もあるようだ。いずれにせよ誤読・誤訳である。
【オーラ シフト/Aura Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の一種。
主に【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】で取り扱う分野になる。【幻肢/Phantom Limb】の「外側」に「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の気」を纏う【シフティング/Shifting】で、【ファントム シフト/Phantom Shift】とは区別されている。
【ファントム シフト/Phantom Shift】は「直接的に自分の【セリオタイプ/Theriotype】の身体」になるが、【オーラ シフト/Aura Shift】はさらにその外側を覆うもので、「自らの身体そのもの」ではないというイメージになる。
【セリアンスロピー/Therianthropy】に限らず普通の一般人もパワーストーンやパワースポットなどスピリチュアルな物事に興味を持つ者は一定数いる。【オーラ シフト/Aura Shift】が扱うエネルギーはこの分野のエネルギーと同一のものと考えられている。そのためパワーストーンやスピリチュアルな実践に興味を持つ【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】も多い。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【オペラント条件付け/Operant Conditioning】
[関連性:中]
[動物行動学用語]、[心理学用語]
「パブロフの犬」として知られる「刷り込み」の方法。
犬だけでなく人間を含む多くの動物に効果があるとされる。
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の多くが不遇な環境に置かれており、もしも不安障害やPTSDといった症状を発症している場合は「学習性無力感/Learned helplessness」と「予言の自己成就/Self-fulfilling Prophecy」の悪循環に陥っている可能性がある。
そもそも「学習性無力感/Learned helplessness」が「オペラント条件付け/Operant Conditioning」によって刷り込まれた可能性があるが、逆に「オペラント条件付け/Operant Conditioning」を利用して刷り込みを消去する方法もある。
犬の躾の方法としては、「言う事を聞かなかったら罰を与える」という手法もあるが、動物愛護の観点から現在は不適切とされている。代わりに「良い事をしたら褒める」という手法が現在では主流であり、これは子供の教育にも用いられる。【セリアン/Therian】に対しても同様の接し方で【シフティング/Shifting】の自発的コントロールを促す事が出来ると期待される。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
《か行》
【カール・ロジャーズ/Carl Ransom Rogers】
[関連性:低]
[心理学用語]、[人名]
「来談者中心療法/Client-Centered Therapy」の祖として知られる臨床心理学者。心理学ではユングやフロイトと並んで「巨匠」の一人として挙げられる事が多い。「来談者中心療法/Client-Centered Therapy」に習熟した医師は【セリアン/Therian】が抱える問題行動の解決に適切なアドバイスを与えられる可能性が高いため、クリニックを選ぶ際の一つの目安にすると良いかもしれない。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【学習性無力感/Learned helplessness】
[関連性:中]
[動物行動学用語]、[心理学用語]
「パブロフの犬」で知られる「オペラント条件付け/Operant Conditioning」によって「自分は何をしても助からない」、「何をしたところでどうせ無駄だ」という意識を刷り込まれてしまう現象。
アメリカの心理学者「マーティン・セリグマン/Martin E. P. Seligman」氏により、犬を用いた動物実験を経て発見されたとされる。
性質上【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は周囲から理解を得られにくいため、幼少期に辛い体験をした者は「学習性無力感/Learned helplessness」を刷り込まれてしまいやすいと考えられる。刷り込まれた「学習性無力感/Learned helplessness」は「オペラント条件付け/Operant Conditioning」を用いて弱化させていく方法があるため、専門医の協力のもと治療に励む事が奨励される。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【覚醒/Awakening】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【アウェイクニング/Awakening】のこと。
日本語に訳された場合、多くは【覚醒/Awakening】と表記される。個々人が【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】だという感覚に目覚め、【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】を明確に自覚する瞬間の体験のこと。
⇒【アウェイクニング/Awakening】を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【カメオ シフト/Cameo Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】ではない種族の動物にシフトする非常に例外的な【シフティング/Shifting】。
しかし多くの【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】に起こり得る現象で、これが原因で自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】を誤認する事が非常に多い。後から「どれが本物の自分か」をしっかり見定める機会がもたらされる事が望ましい。
【カメオ シフト/Cameo Shift】は必要に迫られて発現する事も多い。
本人がイジメや虐待など抑圧された環境に置かれており、自由の象徴である「翼」や力の象徴である「角」に憧れを持つ事も少なくない。その象徴的な身体部位を一時的に自分のアイデンティティに取り込んだ結果、本来の自分の【セリオタイプ/Theriotype】が変化して「ウィングドウルフ(翼が生えた狼)」や「デモニックウルフ(悪魔のような狼)」に自分の【セリオタイプ/Theriotype】が変化する場合もある。
また、「鳥」や「天使」や「悪魔」や「ドラゴン」といった、「自分が求める象徴を具象化するような存在」を新たな【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】として自身のアイデンティティに加えてしまう場合もある。
いずれにせよ、これらの現象はストレスの多い状況から本人が解放された時に、本人のアイデンティティから取り除かれる場合もある。最終的にどの種族が自分の【キン/Kin】で、どの種族は【キース/Kith】であるかを精査する機会があると望ましい。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【感覚過敏/hypersensitivity】
[関連性:低]
[心理学用語]
聴覚や嗅覚が過敏すぎて、普通の人間であれば問題なくやり過ごせる刺激に対して過剰に反応してしまい、日常生活を送る事が困難になる状態。
精神疾患の亜種とされており、治療法が研究されつつある。
【センサリー シフト/Sensory Shift】を随意でコントロール出来ない【セリアン/Therian】がこの状態に陥りやすい。【シフティング/Shifting】を自分の意志でコントロール出来るようになる事が最も望ましいが、それが不可能な場合は「感覚過敏/hypersensitivity」の治療を行える医師に相談する事が望ましい。
【ギア/Gear】
[関連性:低]
[ネットゲーム用語]
こと【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野では【セリアン ギア/Therian Gear】の事を指す。マスクや尻尾などの自分の【セリアンスロピー/Therianthropy】を表現するための装備品のこと。
【ギア/Gear】とは本来ネットゲーム用語で、自分が操作するキャラクターが身に着けている装備品の事を指した。海外の若い【セリアン/Therian】がこの用語を【セリアンスロピー/Therianthropy】に持ち込み、新しい用語を作ったものと思われる。
⇒【セリアン ギア/Therian Gear】を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【キース/Kith】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の「自分の種族」の事を総称して【キン/Kin】と呼ぶ。
それに対して【アザーハーテッド/Otherhearted】や【コーピングリンク/Copinglink】の「自分の種族」の事を総称して【キース/Kith】と呼ぶ。
(元来は「キス」に近い発音をするが、「kiss」との混同を避けるため当Noteでは一貫して【キース/Kith】と表記している。)
【キン/Kin】は「自分の種族そのもの」を指す語だが、それに対して【キース/Kith】は「自分が親近感を覚える種族」である。そのため普通の人間でも【キース/Kith】を後天的に獲得する事もある。自分好みである程度選択的に選んでしまう事も出来るし、違う動物に興味関心が移った場合は【キース/Kith】が変化する事もある。
また、最初は自分が【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】だと思っていた者が他者との交流を通じて自分が【アザーハーテッド/Otherhearted】や【コーピングリンク/Copinglink】だと気付いた場合、「自分の種族」が【キン/Kin】ではなく【キース/Kith】だったと自動的に判明する事になる。
【狐】
[関連性:低]
[動物学用語]
【セリアン/Therian】のコミュニティの中で狼に次いで人口の多い【セリオタイプ/Theriotype】。日本では稲荷信仰が根付いているため、親近感のわく動物として候補に挙がりやすい事が人口増加の一員として挙げられると思われる。
とはいえ、「選択的に」【セリオタイプ/Theriotype】を選べるのは【アザーハーテッド/Otherhearted】か【コーピングリンク/Copinglink】のみで、「本物の」【セリアン/Therian】は【セリオタイプ/Theriotype】を選べない。したがって狐の【セリアン/Therian】が多い理由は狼と同様に狐の生態的な特性が人間の生態と噛み合わないため、齟齬が大きいが故に【覚醒/Awakening】してしまう確率が高くなるとも考えられる。
狐の【セリアン/Therian】には「汚れる事を嫌う」、「自分の部屋などのパーソナルスペースに汚れを持ち込んだり誰かに勝手に荒らされたりする事を嫌う」、「狼のような群意識を持たず、家族と認めたごく僅かな相手だけを極端に重視する」といった共通点がある事が判明している。また、聴覚や嗅覚などの【センサリー シフト/Sensory Shift】がコントロール不能になり、「感覚過敏/Hyperesthesia」を引き起こしてしまう例も報告されている。
あまりにも生活に支障をきたす場合は専門医に相談する事が望ましい。また家庭内や学校や職場等に問題がある場合もあるため、本人の置かれた状況を包括的に観察し問題の根本原因を究明する事が併せて望まれる。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【キツネ/Kitsune】
[関連性:高]
[セリアン用語]
日本ではごく自然に「狐は化けるもの」と考えられ受け容れられているが、これは日本独自の民俗学的風習に基づくもので、海外にはこの認識がない。そのため「日本の化ける狐」は海外では「Kitsune」と表現され、「化けない動物のFox」と明確に区別されている。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティに於いて、この差は日本人が思っているより遥かに大きい。
Foxは【セリアン/Therian】であり、Kitsuneは【アザーキン/Otherkin】に属するためである。そのため【セリアン/Therian】用語の【Kitune】を正しく「日本語訳」するならば、おそらく「妖狐」が適切な訳語になると考えられる。
非常に似た例として狼の【セリアン/Therian】と人狼の【アザーキン/Otherkin】の関係がある。こちらも「人間に変身できるかどうか」で【セリアン/Therian】か【アザーキン/Otherkin】かが分かれるため、明確に区別される。
【キン/Kin】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の「自分の種族」の事を総称して【キン/Kin】と呼ぶ。【セリアン/Therian】の場合は【セリオタイプ/Theriotype】、【アザーキン/Otherkin】の場合は【キンタイプ/Kintype】と呼ばれるが、正直なところどちらもほぼ差はない。
【キース/Kith】と違って【キン/Kin】は生まれつきの特性と考えられており、後から恣意的に変更する事は出来ないとされている。
ただし本人が考えている自分の【キン/Kin】が正しいかどうかは定かではないため、本人が 動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) の知識を獲得していく上で、自分の【キン/Kin】が変化する場合もある。その場合は「自ら恣意的に変えた」のではなく、「過去の自分の認識が誤っていたため、より正しい認識に改めた」と解釈される。
また、自己理解が進むうちに【キン/Kin】であると考えられていたものが実は【キース/Kith】である事が判明する場合も多い。その場合、自分では【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】だと考えていたが実は【アザーハーテッド/Otherhearted】か【コーピングリンク/Copinglink】だったという事になる。
「【コーピングリンク/Copinglink】である事そのもの」は決して悪い事ではないが、自分が【コーピングリンク/Copinglink】だと判明した時にコミュニティを攻撃してから去る者も多いため、一部の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティでは【コーピングリンク/Copinglink】の立場が一時期かなり悪くなっていた。
【キンタイプ/Kintype】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【アザーキン/Otherkin】の「自分の種族」のこと。
【セリアン/Therian】の「自分の種族」の事は【セリオタイプ/Theriotype】と表現するが、正直なところ【セリアン/Therian】の種族を【キンタイプ/Kintype】と表現しても大きな間違いにはならない。
【クアッド/Quad】
[関連性:低]
[一般語]
【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野では【クアドロビクス/Quadrobics】の略称になる。「クアッド/Quad」自体は「四つの」という意味の語で、転じて【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野では四足歩行を指す。他の分野では全く違う意味になる。
⇒【クアドロビクス/Quadrobics】を参照。
【クアッドロバー/Quadrober】
[関連性:低]
[スポーツ用語]、[サブカルチャー用語]
【クアドロビクス/Quadrobics】のこと。
ロシアに「歪んで伝わった」ものを日本人が面白半分でニュースにして流行らせたため、日本でも周知される事となった。
元来【セリアンスロピー/Therianthropy】とは全く無関係のスポーツだが、一部の若い【セリアン/Therian】が自己表現の一環として取り入れて流行してしまったらしい。
⇒【クアドロビクス/Quadrobics】を参照。
【クアドロビクス/Quadrobics】
[関連性:低]
[スポーツ用語]
四足歩行・走行を行うスポーツ。日本人の「いとう けんいち」氏がこのスポーツを正式に競技化した第一人者であると言われているらしい。
元来【クアドロビクス/Quadrobics】はスポーツとしての側面が強く、【セリアンスロピー/Therianthropy】とは全く関係なかった。
しかし一部の海外の若い【セリアン/Therian】が【クアドロビクス/Quadrobics】に感化されて【セリアンスロピー/Therianthropy】と関連付けた動画をTikTokに公開したらしい。それが有名になって日本の「テリアン」が逆輸入し、今の状況にまで発展したと考えられる。
一部では【クアドロビクス/Quadrobics】が「テリアンになるための必修科目」などと位置付けられているようだが、これは本来の【セリアンスロピー/Therianthropy】の定義からすると間違いであると【セリアン ウィキ/Therian Wiki】に記されている。
また、【セリアン/Therian】になるために必須技能など存在せず、特別な訓練や儀式などは一切必要ないとも【セリアン ガイド/Therian Guide】に記されている。
そもそも【セリアン/Therian】には「なる」ものではなく「自分自身がそうであると気付くもの」であり、自分がそう思えばそうであるという信条にすぎない。
とはいえ、10年ほど前に【ティーン ウルブス/Teen Wolves】の一派が【セリアンスロピー/Therianthropy】を曲解してオカルトめいた儀式を「【セリアン/Therian】になるための通過儀礼」と定義していた事があったという。現代の【クアドロビクス/Quadrobics】や【セリアン ギア/Therian Gear】はこの「【セリアン/Therian】になるための儀式」が時代を超えて簡略化されて再現されたものとも考えられる。
しかしこれらの実践は閉ざされたコミュニティ内でフィルターバブルとエコーチェンバー効果を引き起こしやすく、価値観を自己尖鋭化させてしまう働きがあるため特に注意が必要である。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【クリニカル ライカンスロピー/Clinical Lycanthropy】
[関連性:中]
[心理学用語]、[セリアン用語]
【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】と訳される場合が多い。
大まかに分けて【セリアン/Therian】が【シフティング/Shifting】をコントロール出来なくなって暴走する場合と、【コーピングリンク/Copinglink】がフィルターバブルとエコーチェンバーの相乗効果で正常な自己判断が出来なくなった場合の2パターンに分ける事が出来る。
日本には15年ほど前に【クリニカル ライカンスロピー/Clinical Lycanthropy】の概念が「輸入」された事がある。しかし【セリアンスロピー/Therianthropy】の概念までは輸入されず、あくまでも「病気と対処法」のセットでしか記録されていなかったものと予想される。
米国では【セリアンスロピー/Therianthropy】と【クリニカル ライカンスロピー/Clinical Lycanthropy】の関連性と区別がより明確化されており、対処法も確立されつつある。しかし日本にどれほど「最新の医療」が輸入されているかは定かではない。よって、本来なら治療が必要なレベルの【クリニカル ライカンスロピー/Clinical Lycanthropy】ではなかったとしても、「重篤な症状」であると「誤診」されやすい状況にあると思われる。
大切なのは自身の【セリアンスロピー/Therianthropy】と「病気」の切り分けであり、自分の【セリオタイプ/Theriotype】の特性は「コントロールする」必要はあるが「悪い」ものでも「完全になくしてしまうべき」ものでもないと定義する事である。その上で、【シフティング/Shifting】をコントロールする術を身につけると同時に、何が原因で「逃走・逃避反応/Fight or Flight Response」の「防衛機制/Defence Mechanism」を発生させているかを特定し、その原因に対して対処を行っていく事が重要になる。支援が必要な場合は心療科だけでなくいじめ対策や児童相談所、市役所や区役所などの支援セクションなど、何らかの組織から協力を得る事が望ましい。
特に学校のイジメや両親やパートナーからの虐待など、本人では解決出来ない問題が根本原因である場合、原因そのものを取り除かなければ本人の「防衛機制/Defence Mechanism」だけを薬物療法等で機能不全にすると全くの逆効果になってしまう場合もあり得る。そのため問題を包括的に理解し、プロのソーシャルワーカーや心理士が対処する事が望ましい。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【クレードセリアン/Cladotherian】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】の種類の一つ。
自分自身の事を「実在する動物」ではなく「獣人という種族」だと考える【セリアン/Therian】を指す。「獣」ではなく「ケモノ」の【セリアン/Therian】とも表現すべき存在で、端的に言ってしまえば「【フィクションキン/Fictionkin】に近い【セリアン/Therian】」だと言える。
【クレードセリアン/Cladotherian】は基本的に自分の詳細な犬種や猫種を特定する事をそもそも望んでおらず、漠然と「獣人」である事を望む。これは本来の【セリオタイプ/Theriotype】の特性を現実の肉体にすり合わせようとした結果生じた「混ざった」状態であると考えられる。
多くの【セリアン/Therian】にとって、【シフティング/Shifting】を意識的にコントロール事はかなりの困難を伴う場合も多い。【クレードセリアン/Cladotherian】の自己認識は、中核となる自我や自己イメージに予めある程度現実の人間の側面を組み込んでいるため、学校や会社で「人間のフリ」をする必要に迫られた際にも特に不自由なく対応するために最適化されたアイデンティティモデルとも考えられる。そのため「そもそも詳細種を特定しない」、「明確に自分の【セリオタイプ/Theriotype】を認識しない」事によって、自分自身に自己暗示や認識マスクをかける事により、本来の【セリオタイプ/Theriotype】の持つ特性や衝動を無意識下に留め置く事が出来るものと考えられる。
【セリアンスロピー/Therianthropy】を限りなく「趣味」のレベルにまで近づけたアイデンティティモデルとも言えるが、現実的に人間社会に適応するために非常に合理的な解決策であるとも言える。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【ケモナー/Furry】
[関連性:中]
[サブカルチャー用語]
【セリアン/Therian】とは似て非なるもの。
基本的に「架空の動物のキャラクターが好きな人間」を指す。しかし海外では「架空の動物のキャラクターも好きだが、自分も動物であると自認する【セリアン/Therian】」もいる。そのため海外の「ファーリー/Furry」界隈と【セリアン/Therian】のコミュニティは日本の「テリアン」と「ケモナー」の関係よりもシームレスになっている。
海外では「FurAffinity」が「ファーリー/Furry」の代表的なコミュニティとして知られている。【セリアン/Therian】の中でも「ファーリー/Furry」にフレンドリーな層は「FurAffinity」にアカウントを持っている場合もある。またイラストレーターや3Dモデラ―の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】も少なくないため、コミッションや広告など「ビジネスのために」ファーリーのコミュニティにアカウントを持っている個人も少なくない。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【幻肢/Phantom Limb】
[関連性:中]
[神経学用語]、[セリアン用語]
事故や戦災などの理由により身体の一部を失ってしまった者が、あたかも失った部位がまだ存在するかのように感じる現象がある。これは「ファントムリム現象/Phantom Limb Phenomenon」や「幻肢痛/Phantom Pain」と呼ばれている。
【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野では、【幻肢/Phantom Limb】といえば「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の【幻肢/Phantom Limb】」を指す。実際には存在しないものの、耳、マズル、尻尾、翼などを感知したり、手の平に肉球があるように感じる事が報告されている。この現象を【ファントム シフト/Phantom Shift】と呼んでいる。「Orion Scribner」氏が手掛けたこちらのイラストが【セリアンスロピー/Therianthropy】に於ける【幻肢/Phantom Limb】を分かりやすく説明している。
幼児や犬猫などの動物が【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の【幻肢/Phantom Limb】を感じ取っていると思しき行動を取る事が報告されているため、【幻肢/Phantom Limb】は現代科学がまだ明らかにしていない未知のエネルギーを用いて構築されている可能性が示唆されている。そのため【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】の分野とされがちだが、神経学や脳科学の研究が進むにつれて【ニューロロジカル セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】の分野でも新たな発見がある事が期待されている。「身体地図/Somatosensory Map」と密接な関わりがあるのではないかという説もあるが、真偽のほどはまだ明らかになっていない。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【コーピング/Coping】
[関連性:中]
[心理学用語]
主に医療の分野の用語で、対症療法のこと。
現実であまりに辛い体験をした者が、対症療法として【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】に縋りつく場合もある。その場合、「本当の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】で、なおかつ対症療法が必要だった者」と、「本来は【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもないにも関わらず、自分がそうであると思い込んでいる者」の二種類に分けられる。後者を指して特別に【コーピングリンク/Copinglink】と呼ぶ。
どちらにせよ現実逃避が必要になるほど劣悪な環境に置かれている場合は早急な対策が望まれる。本物の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】であれ、【コーピングリンク/Copinglink】であれ、精神科や児童相談所等の組織に適切な助力を求める方が望ましい。
【コーピングリンク/Copinglink】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[オルターヒューマン用語]
「コーピング/Coping」とは主に医療の分野で「対症療法」を意味する。
現実であまりに辛い思いをした者が、現実逃避の手段として対症療法的に「自分は人間ではなく違う生き物だ」と思い込む事がある。人間以外の生き物に対して精神的な「リンク/Link」を構築する事から、【コーピングリンク/Copinglink】と呼ばれる。
【コーピングリンク/Copinglink】と【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】はある意味で紙一重と言えなくもない。「普通の人間ではない」という理由で不遇な環境に置かれる【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】はとても多く、「【セリアン/Therian】だから劣悪な環境に置かれた、だから【覚醒/Awakening】した」というパターンと、「【セリアン/Therian】ではないが劣悪な環境に置かれていた、だから現実逃避の手段として【コーピングリンク/Copinglink】になるしかなかった」という経緯そのものはかなり似ている。
【コーピングリンク/Copinglink】である事そのものは何ら「悪い事」でも「間違い」でもない。問題は【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】が「自分自身の本質に迫る実践」であるため、【コーピングリンク/Copinglink】が【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】を突き詰めていくと、「自分は【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもない」という結論にいずれ辿りついてしまう。その「自分は【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもない」という事実を容易に受け容れられる【コーピングリンク/Copinglink】ばかりではないため、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティ内で問題を起こしてコミュニティを去る結果になる場合も多い。そのため【コーピングリンク/Copinglink】はコミュニティ内で立場が悪くなっている場合もある。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【コンセリアン/Contherian】
[関連性:高]
[セリアン用語]
明確な【メンタル シフト/Mental Shift】を経験しない【セリアン/Therian】のこと。
「最初からずっと【メンタル シフト/Mental Shift】しっぱなし」の【サンセリアン/Suntherian】や【ヴァシラント/Vacillant】、
「最初から人間と獣が混ざった獣人の状態」をキープしている【クレードセリアン/Cladotherian】、
そして「全く【シフティング/Shifting】を経験しないが何らかの理由で自分が【セリアン/Therian】であると定義している」【ノン シフティング セリアン/Non-shifting Therian】の三種に分けられると考えられている。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
《さ行》
【サイコロジー/Psychology】
[関連性:中]
[心理学用語]
心理学。【セリアンスロピー/Therianthropy】を紐解くために有用な科学的なアプローチの一つ。
元来科学的な解明が困難とされていたヒトの心理的な働きについて、アンケート等の統計学を基にしたデータをもとに「こういう状況ではこうなる可能性が高い」という確率論を集積した学問になる。
そのため心理学には「絶対的な正解」はないが、「高確率でこうなるだろう」という予測がいくつも存在する。【セリアンスロピー/Therianthropy】にもその手法で集積された統計データが集まりつつある。米国の【セリアン/Therian】のコミュニティには大学の研究者がコンタクトを取ってきた事もあり、米国では【セリアンスロピー/Therianthropy】の心理学的研究が進んでいる。
⇒[ Wikipedia ] を参照
【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【心理的セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】と一般的に訳される。【セリアンスロピー/Therianthropy】の二つの「流派」のうちの一つ。【セリアンスロピー/Therianthropy】を心理学の視点から解釈・研究しようという一派。
【セリアンスロピー/Therianthropy】の発生の起源を何らかの心理学的な現象で説明できるという思想に基づいている。さらにもう一歩踏み込んだ「流派」として【ニューロロジカル セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】も存在する。こちらは神経学に基づいた解釈を主軸に据えている。
【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】とは対を為す「流派」だが、個々人の信条により矛盾が生じなければ【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】と【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】は共存し得る。「伝統的な」スピリチュアルな実践にのみ重きを置く【セリアン/Therian】もなくはないが、現在では【セリアン/Therian】のコミュニティに大学の研究員や心理学者が実地調査に赴くなど【心理的セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】の研究も進んでいるため、臨床心理学や社会心理学に基づいた成果が出つつある。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【サンセリアン/Suntherian】
[関連性:高]
[セリアン用語]
「常に【メンタル シフト/Mental Shift】した状態」の【セリアン/Therian】の事。
【アザーキン/Otherkin】の場合は【ヴァシラント/Vacillant】と呼ばれる。これは【メンタル シフト/Mental Shift】のONとOFFを明確に切り替えられる【シフター/Shifter】と区別してこう呼ばれる。
【サンセリアン/Suntherian】とは「完全には【メンタル シフト/Mental Shift】をオフにする事が出来ない者」を指す。
常に一定の割合で自分の【セリオタイプ/Theriotype】の精神状態にあるが、人間と対話する必要性に迫られた場合に「お客様に対して無礼のない適切な対応」を心がける事で対応する場合が大半になる。基本的に犬や猫など人間と共に暮らしている【セリオタイプ/Theriotype】を持つ【セリアン/Therian】の方が、「人間に対して失礼のない対応」をしやすいと考えられるが、それ以外の【セリオタイプ/Theriotype】の者でも学習によって「問題のない対応」の精度を上げていく事が出来ると考えられる。とはいえ、狼の【セリアン/Therian】に限っては人間に対して極端な「アレルギー反応」を持つ者もあるため、馴化するのが大変になる場合もある。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【シアリアン/Therian】
[関連性:高]
[セリアン用語]
主に米国の人々が【セリアン/Therian】の語を発音する際に「シアリアン(ˈθɪəriən)」に近い音で発話されるため、文献によっては【セリアン/Therian】の事を指して「シアリアン」と表記されている。ヨーロッパの英語を第二言語とする文化圏では「セリアン」に近い発音がされるため、どちらが正しい、どちらが間違いという事はない。
(当Noteでは基本的に「セリアン」の表記で統一している。)
⇒【セリアン/Therian】を参照
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【自己同一感覚/That's me! Feeling】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【That's me! Feeling】の和訳として用いられる語。自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】の動物に触れた時に「これこそが自分だ」と感じる感覚を指す。
⇒【That's me! Feeling】を参照
【自己同一性/Identity】
[関連性:中]
[心理学用語]
「アイデンティティ/Identity」の和訳。近代になって日本でも一般的に認知されている概念。
【自己同一性/Identity】の概念そのものが持つ【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】との関連性は極めて高く、究極的には【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】とは「自分の【自己同一性/Identity】を探求する実践である」と言える。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【シフト/Shift】
[関連性:中]
[セリアン用語]、[一般語]
【シフティング/Shifting】のこと。
「動物の状態に変化する」現象を指す。単に「シフト」というと他の意味や概念と混同しやすいため、当Noteでは基本的に「シフティング」の表記で統一している。
⇒【シフティング/Shifting】を参照
【シフター/Shifter】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【メンタル シフト/Mental Shift】を解除できない【サンセリアン/Suntherian】や【ヴァシラント アザーキン/Vacillant Otherkin】に対する対義語。
【メンタル シフト/Mental Shift】を完全にOFFにする事が出来、一時的にでも「完全に人間の状態」になる事が出来る能力を有する者を指す。都市生活を送る上では便利な特性と考えられる。
しかし全ての【セリアン/Therian】が【シフター/Shifter】というわけではない上に、【シフティング/Shifting】のコントロールはある程度可能と言われているが「完全にOFFにする」事が可能かどうかは個々人の資質によるところが大きいと考えられている。
【シフティング/Shifting】
[関連性:高]
[セリアン用語]
「動物の状態に変化する現象」のこと。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は実に様々な形で自分の動物的な側面を感じている。
それぞれの【シフティング/Shifting】の概要だけ説明すると
・【メンタル シフト/Mental Shift】
精神状態や考え方や感性が自分の【セリオタイプ/Theriotype】のものになる。明確にOffに出来る者を【シフター/Shifter】という。逆にOffに出来ず、自分の動物的な衝動や考え方を「ある程度抑え込む」事で対応している者を【サンセリアン/SunTherian】という。
・【センサリー シフト/Sensory Shift】
嗅覚や聴覚などが自分の【セリオタイプ/Theriotype】の動物に近くなる。【メンタル シフト/Mental Shift】に伴って発現する事も多い。「感覚過敏」に近い症状を引き起こす事もあるため、随意にコントロール出来るようになるのが望ましい。
・【レイジシフト/Rage Shift】
【メンタル シフト/Mental Shift】の側面の一つと考えられる。自分が危機的な状況に置かれた場合、「逃走・逃避反応/Fight or Flight Response」の「防衛機制/Defence Mechanism」のうちの「闘争」が半ば無意識的に前面に出てしまうこと。性質上制御が非常に難しいが、アンガーマネジメントなどの方法で随意でコントロール出来るようになる事が望ましい。
・【パーセプション シフト/Perception Shift】
【メンタル シフト/Mental Shift】の側面の一つと考えられる。「何が自分にとって無害か」という「ウィルス定義ファイル」のような認識が自分の【セリオタイプ/Theriotype】のものになること。「人間にとっては脅威でないもの」が「自分の【セリオタイプ/Theriotype】にとっては脅威になる」場合がある。「自分の【セリオタイプ/Theriotype】にとっては脅威になる」物事に囚われすぎると強迫性障害などの症状が出てしまう可能性があるため、随意でコントロール出来るようになる事が望ましい。
・【ファントム シフト/Phantom Shift】
自分の【セリオタイプ/Theriotype】の【幻肢/Phantom Limb】を構築し、体感として自分の【セリオタイプ/Theriotype】に変化すること。
・【オーラ シフト/Aura Shift】
【ファントム シフト/Phantom Shift】のさらに「外側」に自分の【セリオタイプ/Theriotype】の「気」を纏うこと。
・【バイ ロケーション シフト/Bi-location Shift】・【アストラル プロジェクション/Astral Projection】
自身の【幻肢/Phantom Limb】を自分の肉体から引き剥がして「幽体離脱する」ような現象。幽体離脱した【幻肢/Phantom Limb】をゲームやVR上のアバターに「憑依」させると、「VR感覚」や「ファントム センス」と呼ばれる現象を引き起こすと考えられる。
・【ドリーム シフト/Dream Shift】
夢の中で自分の【セリオタイプ/Theriotype】になる現象。
・【アストラル シフト/Astral Shift】
【セリアンスロピー/Therianthropy】と関連する霊的な体験を指す。種類は多岐にわたる。
・【フィジカル シフト/Physical Shift】
物理的に自分の肉体が自分の【セリオタイプ/Theriotype】に変身する現象。現実的に起こり得ないが、多くの【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】が憧れてやまない現象。かつて【ティーン ウルブス/Teen Wolves】の一派が【フィジカル シフト/Physical Shift】が実際に起きたという妄想にとり憑かれ、大きな論争が起きて【AHWW(Alt.horror.werewolves)】が解散に追い込まれたという。そのため【フィジカル シフト/Physical Shift】についての議論をタブー化しているコミュニティもある。
・【カメオ シフト/Cameo Shift】
自分の【セリオタイプ/Theriotype】ではない種族にシフトする例外的な【シフティング/Shifting】。
【シフティング/Shifting】の種類に関しては既に別のページにまとめてあるため、そちらを参照していただきたい。
⇒ [ 【シフティング/Shifting】について ] を参照
⇒[ Therian Wiki ] を参照
【社会心理学/Social Psychology】
[関連性:中]
[心理学用語]
心理学の中でも、人が単独ではなく集団でどう行動するかに着目した学問。その研究アプローチは【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティであっても一定の有用性を持つ。
個々の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】はそれぞれ固有の「深度」や「濃度」とも言うべき特性を持つ。人間寄りの精神構造か、それとも動物寄りの精神構造かで行動パターンや考え方そのものが変わってくるため、たとえ同じ【セリオタイプ/Theriotype】の【セリアン/Therian】のみを集めたとしても個々人で価値観に大きなばらつきがあるためまとまらない事が多い。
したがって、コミュニティの運営者は「人の特性に合わせて人間の組織論でコミュニティを運営する」か、それとも「自分たちの【セリオタイプ/Theriotype】の特性に合わせて独自の方法論でコミュニティを運営する」かを明確に選んだ方が良い。前者の場合は「社会心理学/Social Psychology」が役立つ可能性が高く、後者の場合は「動物行動学/Ethology」が有用となる可能性が高い。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【種族違和/Species Dysphoria】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[オルターヒューマン用語]、[心理学用語]
性同一性障害に於ける「現在の自分の性別に対する違和感・不快感」の事を「ジェンダー ディスフォリア/Gender Dysphoria」と呼んでいる。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にもこれと酷似した現象が起こる。「現在の自分の種族や肉体に対する違和感・不快感」の事を【スピーシーズ ディスフォリア/Species Dysphoria】と呼ぶ。【種族違和/Species Dysphoria】その対訳である。
⇒【スピーシーズ ディスフォリア/Species Dysphoria】を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【承認欲求/Need for Approval】
[関連性:低]
[心理学用語]
平たく言ってしまえば「他者から認められたい」という願望。
誰もが持っているごく一般的な願望ではあるが、SNSとスマートフォンの普及により、一部の人々が承認欲求を制御出来なくなり他者に迷惑をかけたり顰蹙を買ったりするような行動に出てしまう事例が顕在化するようになった。SNSの構造そのものがフィルターバブルとエコーチェンバーという厄介な現象を引き起こしがちであり、閉ざされたコミュニティの中で意見が増幅され尖鋭化されやすい環境にある事が、人々の承認欲求をコントロール不能なレベルにまで肥大化させてしまう原因の大部分を占めると考えられる。
【セリアン/Therian】とてその現象と無関係ではいられず、国籍を問わず特に若い世代が人目を憚らず【クアドロビクス/Quadrobics】に取り組んでいたため、それがメディアに取り上げられ大事になってしまっている。日本の「テリアン」はこれを輸入してしまったため、多くの「テリアン」が「【クアドロビクス/Quadrobics】をしたり【セリアン ギア/Therian Gear】を身に付けたりする事がテリアンになるために必要な事だ」と誤解してしまっている。
誤解を解く事ももちろん大切だが、何よりも本人らの承認欲求を自分自身でコントロール出来るようになる事が望ましい。そのためにもSNSとは適切な心理的距離を取れるようになる方が良いだろう。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【神経学/Neurology】
[関連性:低]
[神経学用語]
脳や神経などを研究する学問。長らく医学ではブラックボックスに近かった脳を科学的・外科的に調査するアプローチになる。
微細な観察を可能にする顕微鏡や、微細な操作を可能にするロボットアーム、そして架空のモデルを視覚化したり再現したりするバーチャルリアリティ技術や3D技術により、近年目覚ましい成長を遂げているという。心理学が「人の精神をソフトウェア的に研究する」学問であるとするなら、神経学は「人の精神をハードウェア的に研究する」学問と言える。
【セリアンスロピー/Therianthropy】も脳がエミュレートする現象の一つと考えられるため、「神経学/Neurology」でも何らかの説明が出来るのではないかと考えられている。特に【ファントム シフト/Phantom Shift】や【幻肢/Phantom Limb】に関しては「身体地図/Body Map」と関連深いのではないかという仮説が提唱されている。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【神経学的セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアンスロピー/Therianthropy】の発生原因を神経学で説明できるのではないかと考える流派。【ニューロロジカル セリアンスロピー/Neurological Therianthopy】を和訳した語になる。【心理学的セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】から一歩踏み込んだ解釈として知られる。
⇒【ニューロロジカル セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】を参照
【心理学/Psychology】
[関連性:中]
[心理学用語]
【セリアンスロピー/Therianthropy】を紐解くために有用な科学的なアプローチの一つ。元来科学的な解明が困難とされていたヒトの心理的な働きについて、アンケート等の統計学を基にしたデータをもとに「こういう状況ではこうなる可能性が高い」という確率論を集積した学問になる。
そのため心理学には「絶対的な正解」はないが、「高確率でこうなるだろう」という予測がいくつも存在する。【セリアンスロピー/Therianthropy】にもその手法で集積された統計データが集まりつつある。
米国の【セリアン/Therian】のコミュニティには大学の研究者がコンタクトを取ってきた事もあり、米国では【セリアンスロピー/Therianthropy】の心理学的研究が進んでいる。
⇒[ Wikipedia ] を参照
【心理的居場所/Sense of Belonging】
[関連性:中]
[心理学用語]
近年の心理学研究で関心が集まっている概念。
「個々人の心の拠り所となる人間関係」の事を指す。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は性質上学校や会社や下手をすれば家族からすらも「心理的居場所/Sense of Belonging」を満足に得られない可能性があるため、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティに参加して「自分らしく居られる時間や空間」を獲得する事が望ましい。この「空間」は決して物理的な空間にとどまらず、VRやメタバースなどの仮想空間や、チャットルームやWebフォーラムなどのテキストベースのコミュニケーションの場であっても構わない。
とにかく本人が自分の【キン/Kin】を自覚できて、「本来の自分」や「本当の自分」が受け容れられていると感じられる関係を構築出来る事が望ましい。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティの運営者は、利用者に「心理的居場所/Sense of Belonging」を提供出来るように心がけると良い。
【心理的セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】と対を為す【セリアンスロピー/Therianthropy】の二大「流派」の一つ。【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】を訳したもの。心理学的な分析で【セリアンスロピー/Therianthropy】を解き明かそうという試み。
⇒【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【スピーシーズ ディスフォリア/Species Dysphoria】
[関連性:大]
[セリアン用語]、[心理学用語]
性同一性障害に於ける「現在の自分の性別に対する違和感・不快感」の事を「ジェンダー ディスフォリア/Gender Dysphoria」と呼んでいる。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にもこれと酷似した現象が起こる。「現在の自分の種族や肉体に対する違和感・不快感」の事を【スピーシーズ ディスフォリア/Species Dysphoria】と呼ぶ。【種族違和/Species Dysphoria】と訳されている場合が多い。
性質上本来は心理学用語に属するが、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】以外で【種族違和/Species Dysphoria】を経験する者はまず考えられないため、ほとんど【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のためにあるような語と言える。
性同一性障碍者は性別適合手術(SRS)を受けた場合、精神状態が劇的に向上する可能性が高いとの臨床結果が出ているため、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にも同様の効果が見込める。ただし現在の科学技術では種族適合手術は技術的に不可能であるため、VR等の体験を通じて自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】の体感を得る事が対症療法となり得る。
【クアドロビクス/Quadrobics】や【セリアン ギア/Therian Gear】も本来はこうした対症療法の一環でしかなかった。しかしTikTokで「テリアン」が人目を憚らず大々的に活動したため、【クアドロビクス/Quadrobics】や【セリアン ギア/Therian Gear】のような対症療法を行う者こそが【セリアン/Therian】であるという誤解が生じている。「対症療法そのものが目的で、セリアンやアザーキンのフリをしている」場合は【コーピングリンク/Copinglink】になるため、世間には間違った認識が広まっていると言える。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】と並ぶ【セリアンスロピー/Therianthropy】の二大「流派」の一つ。「気」や「スピリチュアル エナジー」など、現代科学ではまだ解明できていない分野のエネルギーを取り扱う「伝統的な」実践に重きを置いている。【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】を信じる【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は基本的にこの「気」や「スピリチュアル エナジー」が【ファントム シフト/Phantom Shift】や【アストラル プロジェクション/Astral Projection】を行う際に用いられる動力源だと考えている。
また、【転生/Reincarnation】や【ミスプレイスド ソウル/Misplaced Soul】などが【セリアンスロピー/Therianthropy】が発生する原因と考えている者も多い。
ネイティブアメリカンの信仰に通ずるところも多いため、瞑想を通じて「トーテム/Totem」を発見する実践を流用して自分の【セリオタイプ/Theriotype】を探求しようと試みる【セリアン/Therian】もいる。個人の中で矛盾が生じないのであれば、【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】と【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】の両方を信じる者もある。
【セリアン/Therian】に限らず普通の人間の間にもスピリチュアルな実践は広く浸透しており、パワーストーンやパワースポットといった形で現代であっても一ジャンルを確立している。
古来では魔術と位置付けられていた実践も多く、それ故にタロット占いやウィッチクラフトやルーン魔術に興味を持つ【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】も中にはいる。しかし全ての【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】がスピリチュアルな取り組みに対して肯定的な姿勢を持つわけではない。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【セリアン/Therian】
[関連性:高]
[セリアン用語]
元来は「セリアンスロープ/Therianthrope」の短縮形。「自分自身の事を人間以外の動物であると考えている者」のこと。「自分の種族」が実在する動物の場合は【セリアン/Therian】となり、伝説上の生き物であれば【アザーキン/Otherkin】になる。
【セリアン/Therian】は元々生まれつきの特性と考えられており、後天的に「なる」事は出来ないと言われている。しかし何らかの事情で【セリアン/Therian】に対して強い憧れを持つに至ってしまった者が【セリアン/Therian】のフリをする場合もある。これは【コーピングリンク/Copinglink】と呼ばれるロールプレイヤーであり、【セリアン/Therian】とは別の存在である。
【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】とは、元来「本当の自分を見つける」、「自分が何者であるかを根源的なレベルから知る」という実践である。
そのため、【コーピングリンク/Copinglink】が【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】に「本気で」取り組んだ場合、「自分が本当は【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもない」事に遅かれ早かれ気付いてしまう場合が多い。そのため「自分が本物ではない」事に気付いた【コーピングリンク/Copinglink】の大半は【セリアン/Therian】のコミュニティを去っていく。それも見越していくつかの【セリアン/Therian】のコミュニティは「参加者の中に【コーピングリンク/Copinglink】がある程度紛れ込んでいる」事を予め想定しており、「【セリアンスロピー/Therianthropy】は多くの人にとって長続きする感覚ではなく、数年経てば消失するか、興味がなくなる事が多い」と明言している場所もある。
これは厳密には本来の【セリアンスロピー/Therianthropy】の定義とは矛盾するが、【セリアンスロピー/Therianthropy】が極めて主観的な現象である上に、参加者が真に【セリアン/Therian】であるかを判断する科学的な手法が未だ確立されていない。そのため【セリアン/Therian】と【コーピングリンク/Copinglink】を客観的に分別出来ないが故に、コミュニティとしてはやむなくそのような立場を取らざるを得なかったからと考えられる。
今のところ多くの【セリアン/Therian】のコミュニティが、自分が【セリアン/Therian】であるか否かについては自己申告制を採用しており、本人の主張を皆が無条件に受け容れるというスタンスを取っている。これは「来談者中心療法/Client-Centered Therapy」で知られる「カール・ロジャーズ/Carl Ransom Rogers」氏が提唱する「無条件の受け容れ/Unconditional Positive Regard」を提供する尊い試みであるが、同時に「多数決やアンケートを取った際に【セリアン/Therian】と【コーピングリンク/Copinglink】が混在してしまい、どちらが回答したのか分からなくなってしまう」という構造的欠陥を招いている。
また、日本には【セリアンスロピー/Therianthropy】の概念が「テリアン」という語で歪んで伝わってしまっているが、正確には「セリアン」もしくは「シアリアン」である。
主にヨーロッパ圏では「セリアン」に近い発音がされるが、米国では「シアリアン(ˈθɪəriən)」に近い発音がされるため、文献によっては「シアリアン」と表記されている事もある。当Noteでは【セリアン/Therian】に表記を統一している。いずれにせよ「テリアン」という語は元来存在しない誤訳である。
⇒ [ Therian Guide ] を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【セリアン アミノ/Therian Amino】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[Web用語]
URL:https://aminoapps.com/c/officialtherian/home/
海外では比較的利用者の多いSNS「アミノ/Amino」上に作られた【セリアン/Therian】のコミュニティ。コミュニティに入るにはまず「アミノ/Amino」自体のアカウントを取得し、その後「アミノ/Amino」内に存在するコミュニティで参加手続きを取る事になる。他のコミュニティよりはまだ日本人にとって敷居が低いと言える。
【セリアン ウィキ/Therian Wiki】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[Web用語]
URL:https://therian.fandom.com/wiki/
現存する【セリアン/Therian】のインフォメーションソースの中でも比較的信頼性の高いもの。
2009年に「Sherlawk Dragon」氏によって設立され、その後2016年に「Wolf Daughter」氏と「BaxWolf」氏に管理人が交代したとされる。さらに2022年には三代目となる「Kattcrazy」氏と「River」氏に管理人が交代したと記されている。
基本的にリードオンリーのWebサイトであるため、コミュニティとしての機能よりも読み物としての機能が重視されている。FandomというWikiサービスを提供するプラットフォーム上に構築されたWebサイトであり、Fandomのアカウントを持っている者なら内容を書き換える事もできる。そのため近年になって人目を引きそうな画像を用いてトップページが「カジュアルな」外見に加工されたと考えられるが、掲載されている内容そのものはさほど手が加えられていないように感じられる。
【セリアン ガイド/Therian Guide】
[関連性:高]
[セリアン用語]、[Web用語]
URL:https://www.therian-guide.com/index.php/1-home.html
現存する【セリアン/Therian】のコミュニティの中で比較的有名なもの。
2010年に「Euipoi」氏により設立され、2016年に「DustWolf」氏に所有権が移譲されたとのこと。Webサイトは「DustWolf」氏自身が開発した独自のプラットフォームで運用されているらしい。
【セリアンスロピー/Therianthropy】についての概要の説明がトップページに存在し、それとは別の場所にフォーラムの入り口が存在する。
フォーラムのアカウントを取得するためにはプロフィールを入力するだけでなく、フォーラム内のイントロダクションスレッドに自己紹介をポストしなければならない。そのため日本人にとっては敷居が高いと言える。
【セリアン ギア/Therian Gear】
[関連性:中]
[セリアン用語]
近年になって若い世代に流行り出した装飾品。
マスクと尻尾が最も特徴的な【セリアン ギア/Therian Gear】になる。本来は自身の【セリオタイプ/Theriotype】を表現するための一手段に過ぎないという位置付けで、絵画や執筆や作曲や彫刻と同じような感覚で創作活動の一環として捕らえられていた。
しかし、いつしかTikTokで爆発的に流行りだし、今では「【セリアン ギア/Therian Gear】を身に着けているから【セリアン/Therian】である」、「【セリアン ギア/Therian Gear】を身に着けていない者はニセモノの【セリアン/Therian】である」という誤った認識まで広がりつつある。
これはここ2~3年の間に急速に広まりだした誤解であり、本来は【セリアン/Therian】に「なる」ために必要になるアイテムや儀式などは存在しない。少なくとも【セリアン ウィキ/Therian Wiki】や【セリアン ガイド/Therian Guide】には明確にそう記されている。
自身の【種族違和/Species Dysphoria】に対する「対症療法/Coping」として【セリアン ギア/Therian Gear】を身に着けるのは有効な策の一つと考えられるが、注意しなければならないのは現実逃避の「対症療法/Coping」を目的として「本来【セリアン/Therian】でないにもかかわらずセリアンのフリをしている者」はセリアンではなく【コーピングリンク/Copinglink】と呼ばれる事だ。
「【セリアン ギア/Therian Gear】さえ身に付ければ誰でも【セリアン/Therian】になれる」というのは大きな誤解で、【セリアン/Therian】は生得的な特徴であると考えられているため後天的に「なる」事は出来ない。
趣味やファッションの延長線で後天的に「なる」事ができるのは【コーピングリンク/Copinglink】のような「ロールプレイヤー」か【ケモナー/Furry】になる。
海外ではこれらが明確に区別されており、それぞれ「適切な語」があるため、「正しい語」を用いて表現する事が奨励される。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【セリアンスロープ/Therianthrope】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】のフルセンテンス。「セリアン/Therian」とは元来【セリアンスロープ/Therianthrope】の短縮形である。ただし短縮語で呼ばれる事が非常に多いため、【セリアン/Therian】の方が定着し広まっている。
⇒【セリアン/Therian】を参照
【セリアンスロピー/Therianthropy】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】が持つ信条そのもののこと。宗教で例えるならば、【セリアン/Therian】は「信者」に相当し、【セリアンスロピー/Therianthropy】は「宗教そのもの」を指す語になる。「自分自身の事を人間以外の動物と認識する」という信条そのものの事である。大学の心理学者によって【セリアンスロピー/Therianthropy】が調査された事もある。
【セリアンスロピー/Therianthropy】が何故発生するかについてはまだ明確な答えが出ていない。
しかし個々の【セリアン/Therian】は仲間の【セリアン/Therian】と触れ合う事で「心理的居場所/Sense of Belonging」を充足させたり、自分の【セリオタイプ/Theriotype】の 動物行動学(Ethology) 的な情報に触れる事で一定の心理的安定を得られる事が分かっている。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
⇒ [ Therian Guide ] を参照
【セリオタイプ/Theriotype】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】の「自分の種族」のこと。【アザーキン/Otherkin】の場合は【キンタイプ/Kintype】が「自分の種族」を指す語になる。これら二つを含めて【キン/Kin】と呼ぶ。
【セリアン/Therian】として【覚醒/Awakening】する事は自分の【セリオタイプ/Theriotype】を発見し自覚する事と同時になる事が多い。ただし、最初に自覚した【セリオタイプ/Theriotype】が「正確」かどうかは分からない。多くの「初心者セリアン」が狼を自分の【セリオタイプ/Theriotype】と認識するが、自己探求の結果、認識を改める事も少なくない。
自分の【セリオタイプ/Theriotype】の認識が正しいかどうか確認するには、動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) の知識が必要不可欠と言ってよい。ベテランの【セリアン/Therian】から【セリオタイプ/Theriotype】を特定するアドバイスがあると、「正しい」【セリオタイプ/Theriotype】を発見しやすくなる可能性がある。セリオタイプの特定の仕方については別のページにまとめてあるため、そちらを参照していただきたい。
⇒ [【セリオタイプ/Theriotype】の特定の仕方 ] を参照
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
⇒ [ Therian Guide ] を参照
【センサリー シフト/Sensory Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
聴覚や嗅覚などの感覚が自分の【セリオタイプ/Theriotype】の動物に近付くこと。この【シフティング/Shifting】を好意的に受け取る者と、逆にコントロール不能になって不快感を示す者とに二極化される。
コントロール不能な場合は人間の精神疾患の亜種と考えられている「感覚過敏/ hypersensitivity」と極めて近い状態に陥る。狐の【セリアン/Therian】にこの症状を訴える者が多い。日常生活に支障をきたすほど【センサリー シフト/Sensory Shift】を制御出来ない場合、「感覚過敏/ hypersensitivity」の治療を行える医師の相談を受けて何らかの対処法を身に着ける事が奨励される。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【ソーシャル メディア/Social Media】
[関連性:低]
[Web用語]
SNSのこと。海外では「ソーシャル メディア/Social Media」と呼ばれており、「SNS」と言っても外国人には伝わらない懸念がある。
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティは性質上オンラインでのみ成立する事が多い。そのためSNSを拠点に活動するコミュニティも多いため、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】とSNSは切っても切れない関係になりがちである。
しかし、本来は【セリアンスロピー/Therianthropy】も【アザーキニティ/Otherkinity】も「自分が何者であるか」を突き詰めていく実践であるため、SNSがなくても成立するといえば成立する。
だが、特に狼の【セリアン/Therian】が持つ強力な「群心理/Pack Mentality」は自分独りでは埋められない事が多く、狼の【セリアン/Therian】に限ってはどうしてもオンラインで仲間を求めがちになってしまう。この情動が行き過ぎた承認欲求へと繋がらないように自己管理に努める事が望ましい。
《た行》
【対症接続者/Copinglink】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【コーピングリンク/Copinglink】を和訳した語。「対症療法/Coping」のために特定の動物に対して心理的な「接続/Link」を構築するため、このように訳された。
「本来セリアンでもアザーキンでもないが、何らかの理由でセリアンやアザーキンに憧れてセリアンやアザーキンのフリをしているロールプレイヤー」を指す。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】とは全く別の存在だが、【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】が非常に主観的な経験である以上、「本人がセリアンやアザーキンである」と主張すればそれを認めざるを得ない。
そのため【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のコミュニティにはどうしても一定数の【対症接続者/Copinglink】が紛れ込んでしまう。
ここ数年でTikTokを中心に爆発的に【セリアンスロピー/Therianthropy】が広まってしまったため、「自分もセリアンだ」と名乗る【対症接続者/Copinglink】が後を絶たない。しかし一般的には早ければ2~3週間、遅くても1~2年で【セリアンスロピー/Therianthropy】に飽きてコミュニティから去る事が多い。
⇒【コーピングリンク/Copinglink】を参照
【ティーン ウルブス/Teen Wolves】
[関連性:中]
[セリアン用語]
【セリアン/Therian】の中でも十代後半から二十代前半の若者で、なおかつ問題行動を起こす者に与えられる蔑称。
良い意味ではほとんど使われない語。
実年齢よりも精神年齢を重視され、周囲から「若造」と判断されるような軽率な行動を取った者に貼られるレッテルという意味合いが強い。
【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の時代には主に【ティーン ウルブス/Teen Wolves】が起こした問題によりコミュニティが壊滅したとされている。
【メンタル シフト/Mental Shift】や【ファントム シフト/Phantom Shift】を【フィジカル シフト/Physical Shift】と誤認し、「自分は本当にワーウルフになった!」と主張した者たちと、物理的に起こり得ない現象を咎めた者の間でいさかいが起き、それが最終的にコミュニティを分断し滅亡へと追いやったとされている。
その後コミュニティから追放された【ティーン ウルブス/Teen Wolves】は自分たちだけで小規模なコミュニティを形成し、パンクロックやエモ系のファッションに身を包み、迷信めいた儀式でワーウルフに変身したという自己暗示をかけるカルト集団へと変貌していったという。
現在では当時の【ティーン ウルブス/Teen Wolves】のコミュニティはほぼ解散したと目されているが、【クアドロビクス/Quadrobics】や【セリアン ギア/Therian Gear】という新たな「ファッション」が若者世代の【セリアン/Therian】に流行している事から、【ティーン ウルブス/Teen Wolves】の再来ではないかと懸念されている。
TikTokで爆発的に広まったこの文化を輸入してしまったため、日本の「テリアン」は【セリアン/Therian】ではなくむしろ【ティーン ウルブス/Teen Wolves】か【コーピングリンク/Copinglink】を「バイブル」にしてしまっている可能性がある。そのため正しい情報へのアクセスが奨励される。
【テリアン】
[関連性:中]
[セリアン用語]、[非実在語]、[誤読・誤訳]
【セリアン/Therian】の概念が日本に「輸入」される際に、間違った読み方で輸入された結果広まってしまった語。
正しくは「セリアン」もしくは「シアリアン」である。
主にヨーロッパ圏で「セリアン」に近い発音がされ、米国では「シアリアン(ˈθɪəriən)」に近い発音がされる。そのため文献によっては【セリアン/Therian】の事を指して「シアリアン」と表記されている場合もある。当Noteは【セリアン/Therian】の表記に統一してある。
いずれにせよ「テリアン」は誤読であり、本来存在しない語である。
しかし日本に既に「テリアン」として広まってしまっており、「テリアン界隈」まで形成されているという。彼らが正しいインフォメーションソースにアクセス出来る事を願うばかりである。
【闘争・逃避反応/Fight or Flight Response】
[関連性:中]
[動物行動学用語]、[心理学用語]
野生動物の多くは何らかの危機的状況に遭遇した場合、「闘争/Fight」もしくは「逃避/Flight」の行動を取って自己保存に努める事が分かっている。これは長年の進化の結果生物が獲得した能力であると考えられており、本能に強く根差しているとされる。
人間も動物である以上は「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」の本能を持っており、当たり前のように戦争を行っていた時代ではこれが有利に働いたと考えられている。しかし近代に入り、一部の地域を除けば日常的に生命の危機に晒される環境ではなくなったため、この「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」の本能は都市生活では持て余してしまっていると考えられている。そのため【セリアン/Therian】に限らず人間の心理学でも「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」の本能行動に関して研究が進んでおり、「アンガー マネジメント/Anger Management」のような本能を抑制する方法が開発されつつある。
【セリアン/Therian】は性質上「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」の本能行動が出やすいと考えられる。そのためいかにして自分の【メンタル シフト/Mental Shift】や本能行動を公共の場でコントロールし抑え込むかが多くの【セリアン/Therian】にとって重要になる。
また、警察官や自衛官や消防士のような危険と隣り合わせになる特殊な職業に就いて、自分の本能的な直感が直接仕事に活かせるようにするのも一つの解決策と言える。実際に軍務に就いている【セリアン/Therian】は海外には多い。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【動物学/Zoology】
[関連性:中]
[動物学用語]
動物について研究する学問。
特にその動物がどこに生息していて、どの種の近隣種で、大きさがどのぐらいで、見た目がどのような形状をしているかなど、動物の「ハードウェア」を調べる学問と言える。
「動物行動学/Ethology」と並んで【セリアン/Therian】にとって非常に重要な参考文献の一つ。自分の【セリオタイプ/Theriotype】を発見する際には特に重要視すべきリファレンスの一つと言える。
⇒ [ Wikipedia ] を参照。
【動物行動学/Ethology】
[関連性:中]
[動物学用語]、[心理学用語]
人間以外の動物の行動を観察する事により、その動物がどのような性質を持っているかを研究する学問。「動物心理学」と解釈される事もあるが、「人間は人間以外の動物の言葉が分からない以上、行動からしか動物の気持ちを推測出来ない」という理由から「動物行動学」という対訳になったという。動物学が「生き物のハードウェアの研究」とするなら、動物行動学は「ソフトウェアの研究」に相当する。肉体的な特徴ではなく、行動や生態の特徴に重点を置いた研究が為される。
【セリアンスロピー/Therianthropy】との「言葉としての」関連性は便宜的に「中」としてあるが、【セリアンスロピー/Therianthropy】の中核を為す学問の一つと言ってよい。特に個々人の【セリオタイプ/Theriotype】を特定したり、個々人の性質を分析したりするためには欠かせないリファレンスとなる。そのため動物行動学という学問そのものが【セリアンスロピー/Therianthropy】自体や個々の【セリアン/Therian】たちに与える影響は計り知れない。
ちなみに、英語の「エソロジー/Ethology」で検索した方が【セリアン/Therian】に取って有益な情報が得られる可能性が高い。日本の「動物行動学/Ethology」の研究は残念ながら米国ほど進んではおらず、特に日本に生息していない動物種について日本語で書かれた情報は英語の文献に比べて極めて少ない。したがって日本に生息しない動物種が自分の【セリオタイプ/Theriotype】である【セリアン/Therian】にとって、日本語の文献では役者不足になる懸念が大きい。「Ethology」という単語を知っているのといないのとでは、【セリアン/Therian】にとっては非常に大きなメディアリテラシーの差となってしまう可能性がある。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【ドラゴン/Dragon】
[関連性:中]
[ファンタジー用語]
竜。西洋竜と東洋龍で体形が大きく異なる。【アザーキン/Otherkin】の中で恐らく最大の人口を誇ると思われる種族。
とはいえ、一口に「ドラゴン」と言っても内実は千差万別であり、ファイアドラゴン、シーサーペント、ストームドラゴン、アースドラゴンはそれぞれ全て生息環境も異なれば属性も異なる。アストラルドラゴンやセレスティアルドラゴンなど「天空竜」や「星座の化身」のような種もあるため、実に多種多様な種類が十把一絡げに「ドラゴン」という一言にまとめられている。
そのため【キンタイプ/Kintype】を詳細に特定するためには「ホード/Hoard」の種類や生息地、飛翔の方法などから推測する事になる。例えて言うなら漠然とした「犬」という大きなカテゴリから詳細な犬種を探り当てるようなアプローチになるため、それぞれの犬種の特性を知ることから始めるのがいいかもしれない。とはいえ、【アザーキン/Otherkin】の場合は動物学や動物行動学がリファレンスとして機能しない事が多いため、「民俗学/Folklore」を中心に調査を進めるのが良い。
⇒ [ Otherkin Wiki ] を参照
【ドラゴンキン/Dragonkin】
[関連性:高]
[セリアン用語]
ドラゴンの【アザーキン/Otherkin】のこと。
【アザーキン/Otherkin】の中で恐らく最大の人口を誇ると思われる種だが、詳細種によって生態も属性も大きく異なるため、例えるならチワワからマルチーズ、ハスキー、セントバーナードまで全ての犬種をまとめて「犬」とカテゴライズしているようなものなので、人口が多いのはある意味で当然の事と言える。
人口が多いが故か、或いはドラゴンの生態故か、【アザーキン/Otherkin】のコミュニティから独立してドラゴンだけのコミュニティを形成している。
⇒ [ Dragons Wiki ] を参照
【ドラゴンズ ウィキ/Dragons Wiki】
[関連性:高]
[セリアン用語]
URL:https://dragons.fandom.com/wiki/Dragons_Wiki
ドラゴンの【アザーキン/Otherkin】である【ドラゴンキン/Dragonkin】のための情報を集めたドラゴンの辞典のようなWiki。FandomというWikiサービス上に構築されたWebサイトになる。
【ドリーム シフト/Dream Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の種類の一つ。
夢の中で自分の【セリオタイプ/Theriotype】になる体験のこと。多くの【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】からは好意的に受け取られる事が多いが、夢から覚めた時に【種族違和/Species Dysphoria】に苛まれやすいという些細な「副作用」がある。
イメージトレーニングなど訓練次第では夢をコントロールする事も出来るらしいが、多くの場合は不随意なシフトになる。現実に問題を起こす事がかなり稀であるため、ある意味で非常に「無害な」【シフティング/Shifting】であると言える。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
《な行》
【ナムウィキ/Namuwiki】
[関連性:低]
[Web用語]
URL:https://ja.namu.wiki/w/%ED%85%8C%EB%A6%AC%EC%95%88
2015年に創立されたといわれる、パラグアイにサーバーを置く韓国語のWebサイトとのこと。日本の「テリアン」が「バイブル」として挙げる「テリアン」に関するインフォメーションソースを載せたWikiが何故かそこに置かれている。原因や経緯は不明。
基本的に内容は【セリアンスロピー/Therianthropy】についての情報だったが、「テリアンスロフィー」と誤った表記がされていた。記載された情報の一部は正確だが、機械翻訳で無理矢理訳されたとしか考えられない「壊れた」日本語が至る所に見られ、日本語母語話者の手によって編纂されたとは考えづらい。誤情報も至る所に散見された上に、細かい部分に至っては著者の理解が及んでいないのか詳細な情報が完全に欠落していた。
【セリアンスロピー/Therianthropy】に関する日本語の文献の乏しさは前々から問題ではあったが、誰が何の目的でパラグアイの韓国語のWikiページに「テリアン」に関する日本語の情報を掲載したかは謎である。
【ニューロロジカル セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】
[関連性:高]
[セリアン用語]
「神経学的セリアンスロピー」と一般的に訳される。
【セリアンスロピー/Therianthropy】の原因は脳神経の発達や接続の「異常」ではないかと考える流派。【サイコロジカル セリアンスロピー/Psychological Therianthropy】から「一歩踏み込んだ」考え方になる。
心理学は「人の精神をソフトウェア的に研究しよう」とする学問だが、神経学は「人の精神をハードウェア的に研究しよう」と考える学問だと言える。【セリアンスロピー/Therianthropy】が心理学的に解明されつつあるため、その原因はハードウェアにもあるだろうという仮説に基づいている。特に【ファントム シフト/Phantom Shift】や【センサリー シフト/Sensory Shift】に関しては一般人も似たような体験をしている事から、何らかの神経学的な説明が可能ではないかと推察されている。しかし神経学そのものが近年目覚ましい発展を遂げているとはいえまだ成長の途上にあるため、【セリアンスロピー/Therianthropy】の起源も特定するまでには至っていない。
【ノン シフティング セリアン/Non-Shifting Therian】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】を全く経験しないが、何らかの理由で自分自身を【セリアン/Therian】であると定義している者を指す。性質上非常に珍しい存在になる。
【セリアン/Therian】の多くは様々な【シフティング/Shifting】を経験するが、【シフティング/Shifting】を経験する事が【セリアン/Therian】である事を直接的には証明しないとコミュニティでは結論付けられている。
【ファントム シフト/Phantom Shift】は「幻肢痛」という形で普通の人間も経験し、【バイ ロケーション シフト/Bi-Location Shift】も「VR感覚」や「ファントム センス」という形で普通の人間からも報告されている。【センサリー シフト/Sensory Shift】も「感覚過敏」とほぼ同じ現象であると考えられるため、どの【シフティング/Shifting】も【セリアン/Therian】固有の特殊能力ではないと考えられている。
実際【セリアン/Therian】か否かを100%確実に判定する客観的かつ科学的な判定方法はいまだ発見されておらず、何が原因となって【セリアンスロピー/Therianthropy】が発現するかもまだ完全に解明されてはいない。したがって【セリアン/Therian】か否かは自己申告制となっているが、自ら【ノン シフティング セリアン/Non-Shifting Therian】を名乗る者は非常に稀である。「自分はセリアンであると勘違いしている【コーピングリンク/Copinglink】」の方が圧倒的に多い。
《は行》
【パーセプション シフト/Perception Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の種類の一つ。
長らく【メンタル シフト/Mental Shift】の一部と考えられていたが、近年になって明確に切り分けて定義されるようになった。
【シフティング/Shifting】の基本的な原理としては、「何が脅威か」を判定する「ウィルス定義ファイル」のような判断基準が人間のものから「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の定義ファイル」に差し替えられる【シフティング/Shifting】になる。たとえ「人間にとっては」無害なものであっても「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の動物にとっては」無害かどうか別問題である。そのため僅かな音や匂いの異常にも敏感に反応してしまう事もある。或いはペットショップで日常的に行われている生体展示販売を見て不快感を覚えるといった価値観の相違が起こる場合もある。
一般的には長続きしない【シフティング/Shifting】であると言われており、短ければほんの数十秒、長くても数十分で終わるという。恐らく「ウィルス定義ファイル」を自分の【セリオタイプ/Theriotype】のものに差し替えた後でスキャニングを行い、スキャンが完了した時に【シフティング/Shifting】が終了するものと考えられる。
この【シフティング/Shifting】は全ての【セリアン/Therian】が経験するものではないと考えられる。特に犬や猫など日常的に人間と生活空間を共にしている動物が自分の【セリオタイプ/Theriotype】である【セリアン/Therian】の場合、「ウィルス定義ファイル」が人間のものとさして変わらない可能性が高いからである。逆に狼や狐や熊やライオンなど、人間とは基本的に生活空間を共有しない野生動物の方が【パーセプション シフト/Perception Shift】が発生しやすいと考えられる。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【バイ ロケーション シフト/Bi-Location Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の種類の一つ。
【アストラル プロジェクション/Astral Projection】とも呼ばれる。【ファントム シフト/Phantom Shift】で構築した【幻肢/Phantom Limb】を「幽体離脱」させ、自分の身体から離れた場所に現出させる技術になる。ある程度の訓練が必要になる場合もあるが、ゲームやVRなど自分の意識を憑依させる「憑代」があると、より簡単に実現しやすいと考えられている。
「Orion Scribner」氏の描いたこちらのイラストが視覚的に理解しやすい。
近年では「VR感覚」や「ファントムセンス」と呼ばれる「VR体験中に自分のアバターに触れられた場合、あたかも自分自身の肉体が触れられたような感覚に陥る」という体験が報告されている。これはVR空間上の自分のアバターに無意識的にでも【アストラル プロジェクション/Astral Projection】が行われた結果発生する現象だと考えられる。
「VR感覚」や「ファントムセンス」は【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもない一般人からも報告されている事から、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】のみが持つ特殊能力ではないと考えられている。しかし「幽体離脱」した際に出現する【幻肢/Phantom Limb】が自分の【セリオタイプ/Theriotype】になる点は普通の一般人が行う【アストラル プロジェクション/Astral Projection】とは異なる特徴と言える。
「VR感覚」や「ファントムセンス」は心理学や神経学では「共感覚/Synesthesia」や「クロスモーダル現象/Cross-modal phenomenon」と関連深いと言われているらしい。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【ハウル/Howl】
[関連性:中]
[セリアン用語]
単純な英単語としての「Howl」は「遠吠え」を意味する。
しかし、こと【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野に於いては【ハウル/Howl】とは「【セリアン/Therian】のみが参加するオフ会」という意味を持つ。【アザーキン/Otherkin】が参加しても良いかどうかは主催者の意向次第で変わる。また、未成年者が参加して良いかどうかも主催者の意向次第で変わる。
【ハウル/Howl】の歴史は古く、【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の時代から行われていたとのこと。近年であっても地域によっては毎年のように開催されているという。
だが、こと日本に於いては、正直なところ【ハウル/Howl】の開催はあまり奨励されない。イベントの主催者がよほどコミュニティの管理に熟達しており、なおかつ参加者全ての未成年者など立場の弱い者に対する搾取を防止する手立てを用意するのが理想的で、そこまでのコストをマンパワーの低い【セリアン/Therian】のコミュニティが捻出出来るとは考え難い。また、単純に経験豊富な【セリアン/Therian】が日本には圧倒的に少ないため、【セリアンスロピー/Therianthropy】について間違った事を広めてしまう懸念がある。さらには【ハウル/Howl】が直接的な原因となって【ティーン ウルブス/Teen Wolves】のコミュニティがカルト化した例もあるため、【ハウル/Howl】そのものが「迷信めいた儀式」の温床になりかねない。フィルターバブルとエコーチェンバーが【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】の原因にもなりかねないため、仮に【ハウル/Howl】を日本で開催するのであれば、主催者は並ならぬ努力をせねばならない。くれぐれも参加者同士の間で主催者に隠れた搾取が行われないように厳重な警戒態勢を敷く必要がある。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【パック メンタリティ/Pack Mentality】
[関連性:中]
[動物学用語]、[動物行動学用語]
狼や犬など、イヌ科の動物が持つ精神性。群の為に個々のメンバーが進んで自主的に献身するという姿勢のこと。狼や犬の【セリアン/Therian】はこの性質を持っている場合が多い。そのため普通の人間からすると過度に献身的に思われたり、余計なお節介に思われたり、逆にいいように利用されたりといった人間関係のトラブルに巻き込まれやすい性質を狼や犬の【セリアン/Therian】は持っていると言える。
本来は狼の「パック メンタリティ/Pack Mentality」は進化の果てに獲得された生存に対して有利に働く特徴と考えられる。しかしジステンパーなどの病が流行した場合は親密性が仇となって群の生存率を下げてしまいかねないため、野生下であっても特定の状況下ではネガティブに働く場合もある。
イヌ科以外ではメスのライオンやブチハイエナも群を形成する肉食獣として知られている。逆にイヌ科であっても狐は群を形成しないため、「パック メンタリティ/Pack Mentality」を持たない事で知られている。草食獣も群を形成するが、肉食獣の「パック メンタリティ/Pack Mentality」とは異なる特性を持っている可能性が【セリアン/Therian】の証言により示唆されている。そのため「パック メンタリティ/Pack Mentality」の有無が個人の【セリオタイプ/Theriotype】を特定する上でヒントの一つになり得る。
【不安障害/Anxiety Disorder】
[関連性:中]
[心理学用語]
不安な気持ちで思考が占有されてしまい、日常生活に支障をきたしてしまう精神疾患。「普通の人とは異なる」という特性を持った【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は元々迫害を受けやすい性質があると考えられる。その上動物的な本能を強く感じやすい性質を持っている事から、「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」に代表される「防衛機制/Defence Mechanism」が発現しやすい性質も持っていると考えられる。この相乗効果により「不安だから自信がなくなる→自信がなさそうだからイジメられる→イジメられるから不安になりさらに自信がなくなる」という悪循環に陥りがちだと言える。
ある調査では19%以上の【セリアン/Therian】が「不安障害/Anxiety Disorder」であると診断されたとのデータが出ているらしい。本人だけで病気を克服するのは困難を極めるため、医師やカウンセラーや支援団体の助力を受けて悪循環を断ち切っていく事が望ましい。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【ファントム シフト/Phantom Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の種類の一つ。
多くの【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にとって【メンタル シフト/Mental Shift】と並んで最も代表的な【シフティング/Shifting】と位置付けられている。自分の【セリオタイプ/Theriotype】の【幻肢/Phantom Limb】を構築して纏う【シフティング/Shifting】。
【幻肢/Phantom Limb】の構築に用いられるのは「気」や「スピリチュアル エナジー/Spiritual Energy」と呼ばれる現代科学がまだ解明出来ていないエネルギーだと考えられており、そのため長らく【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】の分野であると考えられてきた。
しかし近年の神経学の発達により、「ファントムリム現象/Phantom Limb Phenomenon」や「幻肢痛/Phantom Pain」と同等のメカニズムで【ファントム シフト/Phantom Shift】も解明出来るのではないかという仮説も提唱された。
また、「身体地図/Body Map」と呼ばれる脳内に構築された身体イメージと関連があるのではないかとも考えられている。今後の【ニューロロジカル セリアンスロピー/Neurological Therianthropy】の研究成果が期待される。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【ファントム リム/Phantom Limb】
[関連性:中]
[心理学用語]、[神経学用語]、[セリアン用語]
幻肢のこと。
戦災や事故などで身体の一部を喪失した患者が、喪失したはずの部位の感覚や痛みを訴えた事から存在が知られるようになったという。近年の神経学の研究で、そのメカニズムが明らかにされつつあるらしい。
こと【セリアンスロピー/Therianthropy】の分野では、【幻肢/Phantom Limb】は「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の身体」となる。【ファントム シフト/Phantom Shift】はこの「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の身体」を自らの肉体にオーバーラップさせ、仮想的に自分の【セリオタイプ/Theriotype】に変化したと体感する【シフティング/Shifting】である。長いマズル、尖った耳、尻尾、翼などの身体部位を体感したとの報告がある。この「自分の【セリオタイプ/Theriotype】の身体」を自らの肉体から引き剥がして「幽体離脱」させる技術が【バイ ロケーション シフト/Bi-Location Shift】や【アストラル プロジェクション/Astral Projection】と呼ばれる技術である。「幽体離脱」させた【幻肢/Phantom Limb】をVR上の自分のアバターに「憑依」させると、「VR感覚」や「ファントム センス」と呼ばれる現象を体感できると考えられる。
【フィクションキン/Fictionkin】
[関連性:中]
[セリアン用語]
ゲームやアニメなどに登場するキャラクターに【自己同一感覚/That's me! Feeling】を覚える【アザーキン/Otherkin】。
本質的にはドラゴンやグリフォンやペガサスの【アザーキン/Otherkin】と同じ存在と言えるが、自己を同一視するキャラクターの歴史が浅いため、【フィクションキン/Fictionkin】という概念そのものの妥当性を疑う者も少なくない。コミュニティによっては立場が悪くなってしまっている。
【フィクションキン/Fictionkin】が妥当か否かについてはいまだに議論の決着がついていないが、フィクションのキャラクターが創出された経緯にまで目を向けると、少なくとも個人の信条の問題については解決する可能性がある。
そもそもゲームに登場するキャラクターやモンスターには何らかの「参考元」がある場合が多い。実在する動物からヒントを得て、それをアレンジしてオリジナルのキャラクターを作るという手法はかなり一般的で、数多のクリエーターがこの方法を用いて今まで数え切れないほどのキャラクターを産み出してきた。そのためたとえゲームやアニメに登場する架空のキャラクターであっても、実在の動物のエッセンスを大なり小なり継承していると考えられる。
それが巡り巡って青少年の目に留まる事になり、たとえ 動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) の知識が乏しくともゲームを通じて自分の【セリオタイプ/Theriotype】に近いキャラクターを発見し、親近感を覚えるというのは何ら珍しい現象ではないように思える。
問題は本人がそこからさらに自己理解を進めるか否かにかかっており、自分自身の本当の【セリオタイプ/Theriotype】を特定するために 動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) について調べるか、それともゲームのキャラクターと自分を同一視しただけで認識を止めてしまうかによって【セリアン/Therian】に「なる」か【フィクションキン/Fictionkin】のままで留まるか、或いは【クレードセリアン/Cladotherian】になるかが変わってくる。
また、そもそも【セリアン/Therian】でも【アザーキン/Otherkin】でもない者がゲームのキャラクターにことさら惹かれただけで【自己同一感覚/That's me! Feeling】を覚えてしまった「誤認」という事も大いにあり得る。この場合は本人に自己探求を行う意思があればいずれ自分が【コーピングリンク/Copinglink】か【アザーハーテッド/Otherhearted】である事に気付くだろうが、そうでない場合は少しでも自分が【自己同一感覚/That's me! Feeling】を覚えたキャラクターを次々に自分のアイデンティティシステムに組み込んでしまい、自分の中にいくつも仮想人格が出来てしまうという事態に陥る事もなくはない。これが進行してコントロール不能になると解離性同一症のような症状に発展しかねないため、自分の中で核となる人格や特性とそうでない特性の仕分けや整理が行われる事が望ましい。
【フィジカル シフト/Physical Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の一種であるが、実際には起こり得ない現象。物理的に本人の肉体が変化して自分の【セリオタイプ/Theriotype】に変身する現象を指すが、今の科学技術では実現できない。
とはいえ、大多数の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】が憧れる【シフティング/Shifting】である事は否めない。
【AHWW(Alt.horror.werewolves)】の時代には、「自分は【フィジカル シフト/Physical Shift】に成功した」と訴えるメンバーと、物理的に起こり得ない現象を否定する一派との間で激しい諍いが起き、これが原因となってコミュニティが解散にまで追い込まれたという。
「【フィジカル シフト/Physical Shift】に成功した」と主張した一派は【AHWW(Alt.horror.werewolves)】を離れて独自の小規模なコミュニティを形成し、カルト化してしまったらしい。そのため、現存するいくつかの【セリアン/Therian】のコミュニティでは【フィジカル シフト/Physical Shift】についての議論を「タブー」としている場所もある。
「【フィジカル シフト/Physical Shift】に成功した」という妄想は【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】にまで発展しかねない危険性を潜在的に孕んでいると考えられるため、平和的な形で本人を説得して解消する事が望ましい。
ただ、説得の過程で本人のアイデンティティを傷付けると逆上させてしまう恐れがあるため、【フィジカル シフト/Physical Shift】に対する熱望を「【種族違和/Species Dysphoria】が酷いので何らかの「対症療法/Coping」が必要だ」と読み替えて解釈する事が望ましい対応と言える。本人にはリスクの少ない安全な方法で【種族違和/Species Dysphoria】を紛らわす方法を紹介出来ると良いだろう。
誤解のないように説明しておくと、【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】に至る最も直接的な原因は「【フィジカル シフト/Physical Shift】に成功した」という妄想そのものよりも、むしろ本人の妄想を増長させるフィルターバブルとエコーチェンバー現象にあると考えられる。そのため、頭ごなしに本人の妄想を否定するよりも、むしろカルト化したコミュニティを解体する方が【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】のリスクを下げられる可能性がある。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
【フィルター バブル/Filter Bubble】
[関連性:低]
[Web用語]、[心理学用語]
検索エンジンやSNSの進化に伴い、「個々の利用者が見たい情報」だけがインターネットの検索結果に表示されるようになってきている。そのため「利用者が見たくない情報」は「たとえ気が変わって見たくなっても、見るのが難しい」状況になっていく。自分の好きなものにばかり囲まれて狭い認識の泡の中に閉じ込められてしまう現象を「フィルター バブル/Filter Bubble」と呼んでいる。
この現象の果てにSNS上で似たような意見の持ち主のみが集まって小規模なコミュニティを形成し、互いの意見が互いを増長させる自己尖鋭化と過激化を繰り返す現象を「エコー チェンバー/Echo Chamber」と呼ぶ。「フィルター バブル/Filter Bubble」と「エコー チェンバー/Echo Chamber」はセットで語られる事が多く、一般の人間のコミュニティでも問題視されている。
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の持つ特異性は一般人が理解出来ず拒絶されてしまうリスクを内包しており、結果として【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】は「フィルター バブル/Filter Bubble」で似たような【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】の者同士で集まりやすい。
集まるだけで済めば良いが、集ったメンバーの中に反社会的な意見を持った者がいると、その意見に皆が同調されて思想が先鋭化・過激化しがちであるため注意が必要になる。「エコー チェンバー/Echo Chamber」で反社会的な意見が加速しないように、コミュニティの管理者が監督し方向性を修正する事が望ましい。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【フェラル/Feral】
[関連性:中]
[サブカルチャー用語]
歴史的には【セリアン/Therian】よりもむしろ【ケモナー/Furry】のコミュニティで醸成された語。わんわん物語、バルト、ライオンキングなど、四本足の動物のキャラクターを指して【フェラル/Feral】と呼ばれていた。DeviantArt や FurAffinity では「フェラル/Feral」という語で検索をかけると四足獣のイラストがヒットする。
【セリアン/Therian】のコミュニティでは【アンスロ/Anthro】や【ウェア/Were】と対比されて用いられる事が多い。というのも、たとえ本人の【セリオタイプ/Theriotype】が一定であったとしても、【フェラル/Feral】の肉体と【アンスロ/Anthro】の肉体の二種類の自己認識を持つ場合があるためだ。
【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の一部は「誰と対話するか」によって【アンスロ/Anthro】の肉体になるか【フェラル/Feral】の肉体になるかが半ば無意識的に変化すると証言する者もある。【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】には「濃度」や「深度」とも呼べる特徴があり、個々人によりどの程度「動物寄り」か「人間寄り」かがかなり差がある。「濃い」【セリアン/Therian】同士の対話では、より自分の【セリオタイプ/Theriotype】に基づいた自己表現が許されるという安心感からか、「本来の自分」をより表現出来る姿を無意識的に取る傾向があるものと思われる。逆に【アンスロ/Anthro】の肉体でしか対話できない相手は、本人にとっては「100%気を許す事が出来ない相手」と言えるのかもしれない。
【フォークロア/folklore】
[関連性:低]
[民俗学用語]
民俗学の英名。「folk」は「人々」という意味で、「lore」は「伝承」という語になる。つまり「folklore」とは民間伝承の事だと言える。それが転じて「一般人に知られている・信じられている物事を研究する学問」となっている。
【アザーキン/Otherkin】の場合は 動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) が自分の【キンタイプ/Kintype】を特定するためのリファレンスとして満足に機能しない可能性があるため、その代わりとして【民俗学/Folklore】がよく参照される。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
《ま行》
【民俗学/Folklore】
[関連性:低]
[民俗学用語]
人々の間で語り継がれている伝承・伝統・口伝を研究する学問。英語では「フォークロア/folklore」と呼ばれる。
一般的に史学は「支配者の歴史」、民俗学が「一般人の歴史」と言われる。史学ではその時代の為政者の遺した「公式刊行物」を研究する場合が多く、現代で例えるなら「政府の記者会見」のようなものが後の世の史学で参照される記録になる。
民俗学は逆に「民の間で一般的に知られていた歴史」であり、現代で例えるならSNSで注目された話題などが後の世の民俗学で参照される記録になる。
政府が「知られたらまずい情報」を隠蔽している可能性もあれば、SNSでデマ情報が拡散されてしまう事もあるため、どちらの情報もそのまま鵜呑みには出来ない。そのため史学と民俗学は表裏一体と言われており、両方を学ぶ事により裏付けが取れるとされている。
【セリアンスロピー/Therianthropy】と民俗学は、実のところそこまで深い関わりはない。ネイティブアメリカンのシャーマニズムや、日本の神道が民俗学に含まれるかもしれないという程度だと考えられる。逆に【アザーキニティ/Otherkinity】は民俗学こそが自分の【キンタイプ/Kintype】を探る上で極めて重要なリファレンスになり得る。というのも、【アザーキン/Otherkin】の場合は 動物学(Zoology) や 動物行動学(Ethology) が自分の【キンタイプ/Kintype】を特定するためのリファレンスとして満足に機能しない可能性があるため、その代わりとしと神話、怪異、超常現象なども幅広く蒐集されている【民俗学/Folklore】の方がよく参照される。
現代でも政府刊行物に神話や空想の動物が登場する事はほとんどないが、SNSではゲームやアニメや漫画などフィクションについての話題が事欠かない。よって真偽はともかくとして【アザーキン/Otherkin】の情報源は民俗学になりがちだと覚えておくと良いかもしれない。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【瞑想/Meditation】
[関連性:中]
[スピリチュアル用語]
【メディテーション/Meditation】の和訳語。主にネイティブアメリカンのシャーマニズム的な実践を指すが、禅道にも通ずるところがある。
一般的に【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】を信ずる者の多くはネイティブアメリカンのシャーマニズムを参考にする事が多い。シャーマニズムで信仰されている「トーテム/Totem」の概念が【セリオタイプ/Theriotype】とかなり近しいためである。
「トーテム/Totem」とは「個人や士族を代表する動物」を指し、日本で云うところの「家紋」に近い。その「自分の士族を代表する動物」を【瞑想/Meditation】を通じて「発見する」というシャーマニズムの実践が、一部の【セリアン/Therian】の間では【セリオタイプ/Theriotype】を発見するための手法として用いられる事もある。
また、単に瞑想する事は個々人の「気」や「スピリチュアル エナジー/Spiritual Energy」を高める働きがあるとされ、【ファントム シフト/Phantom Shift】や【アストラル プロジェクション/Astral Projection】を強化する目的で行われるイメージトレーニングと位置付けられる事もある。
いずれにせよ【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】を信ずる者にとって、【瞑想/Meditation】はかなり一般的な実践方法とされている。
⇒【メディテーション/Meditation】を参照
【メディア リテラシー/Media Literacy】
[関連性:低]
[情報学用語]
情報を自力で調べる能力のこと。延いてはそこから真実を導き出す能力とも言える。知的好奇心や探求心と深い関わりがある。
人間の生態を鑑みるのであれば、こと一般人に限って言うならメディアリテラシーをさして鍛えずに生きるのも一つの方法と言える。「普通の人とは違う事」を知っているだけなら問題はないかもしれないが、知識があるが故に「普通の人とは異なる行動」を取ってしまうと攻撃対象にされる懸念がある。他者の言われた通りに行動したり、或いは周囲の人間が取る行動を真似て、目立たないように生きていくことが本人の幸福に繋がる可能性もなくはない。
逆に【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の場合は生まれつき普通の人とは異なる性質を持っているため、メディアリテラシーを出来るだけ高める事が本人の幸福に繋がる可能性が高い。「本物の」【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にとって、【セリアンスロピー/Therianthropy】や【アザーキニティ/Otherkinity】や辞めようと思って辞められるようなものではない。なので知り得る限りの情報を出来る限り知って、今まで先人たちがどのような事を考えてきたのか、今どのようなところまで研究が進んでいるのか、自分の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】の動物はどういう特性があるのか、どのように心がけて生きれば自分が幸福になれる可能性が高まるかなど、調べられる情報を全て自力で調べられるようになると本人の生き方が好転する可能性がある。
⇒ [ Wikipedia ] を参照
【メディテーション/Meditation】
[関連性:中]
[スピリチュアル用語]
主に「瞑想」と和訳される。
ネイティブアメリカンのシャーマニズム的な実践を指すが、禅道にも通ずるところがある。
一般的に【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】を信ずる者の多くはネイティブアメリカンのシャーマニズムを参考にする事が多い。シャーマニズムで信仰されている「トーテム/Totem」の概念が【セリオタイプ/Theriotype】とかなり近しいためである。
「トーテム/Totem」とは「個人や士族を代表する動物」を指し、日本で云うところの「家紋」に近い。その「自分の士族を代表する動物」を【メディテーション/Meditation】を通じて「発見する」というシャーマニズムの実践が、一部の【セリアン/Therian】の間では【セリオタイプ/Theriotype】を発見するための手法として用いられる事もある。
また、単に瞑想する事は個々人の「気」や「スピリチュアル エナジー/Spiritual Energy」を高める働きがあるとされ、【ファントム シフト/Phantom Shift】や【アストラル プロジェクション/Astral Projection】を強化する目的で行われるイメージトレーニングと位置付けられる事もある。
そもそも【メディテーション/Meditation】そのものは【セリアンスロピー/Therianthropy】と直接的な関連があるわけではなく、前述のとおりシャーマニズムや禅道でもごく一般的に行われているスピリチュアルな実践である。「【セリオタイプ/Theriotype】を発見する」、或いは「【ファントム シフト/Phantom Shift】を強化する」という目的のために【メディテーション/Meditation】を行う事が【セリアンスロピー/Therianthropy】の特徴になる。
いずれにせよ【スピリチュアル セリアンスロピー/Spiritual Therianthropy】を信ずる者にとって、【メディテーション/Meditation】はかなり一般的な実践方法とされている。
【メンタル シフト/Mental Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の一つ。
【ファントム シフト/Phantom Shift】と並んで最も代表的な【シフティング/Shifting】であるとされている。精神状態や考え方が自分の【セリオタイプ/Theriotype】の動物に近付く。結果として「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」に代表される「防衛機制/Defence Mechanism」が発現しやすくなったり、【センサリー シフト/Sensory Shift】や感覚過敏を引き起こしてしまったり、或いは【レイジシフト/Rage Shift】を誘発させてしまったりといった問題を生じさせてしまう可能性もある。そのため随意である程度【メンタル シフト/Mental Shift】をコントロール出来るようになる事が望ましい。
とはいえ【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にとって、自分の【キン/Kin】の衝動を完全に封印したままにするのは精神衛生上良くないとされている。そのため何らかの方法で発散出来る事が望ましい。
代表的な方法としては
他の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】と対話する事によって、互いに「本当の自分」で居られるような環境に身を置く。
他の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】に貢献する事により、本人の「群心理(Pack mentality)」を充足させる。(ただし「群居性(Gregarious)」ではない【セリオタイプ/Theriotype】を持つ【セリアン/Therian】にとっては有効に機能しない可能性がある。)
自分の【セリオタイプ/Theriotype】を表す創作活動に従事し、自分の【セリアンスロピー/Therianthropy】を表現する。
SecondLife や VRChat などのメタバースで自分の【セリオタイプ/Theriotype】のアバターを構築し、「本当の自分」で居られる時間を増やす。
【セリアンスロピー/Therianthropy】に関する自分の考えを文章化して日記に記す
【瞑想/Meditation】などを通じて意図的に【ファントムシフト/Phantom Shift】を行い、自分の【セリオタイプ/Theriotype】を強く意識することで自己の充足を図る。
着ぐるみ(Fursuit) を着用して自分の【セリオタイプ/Theriotype】を強く実感する。
犬や猫など、自分の【セリオタイプ/Theriotype】に近い動物と物理的に触れ合う。
人目につかない自然の中で動物的な衝動を発散する。
自分の【セリオタイプ/Theriotype】に関連するコンテンツに触れる。絵画、映画、音楽、文学、等、種類は問わない。
周囲に自然がない場合、自然を想起させる動画や音楽などに触れてリラックスするよう努める。
ゲームで自分の【セリオタイプ/Theriotype】の衝動を発散する。
これらの方法が有効とされている。
近年流行している【クアドロビクス/Quadrobics】や【セリアン ギア/Therian Gear】も、本来は【種族違和/Species Dysphoria】に対する「対症療法/Coping」や、自分の【セリオタイプ/Theriotype】の衝動の発散という側面が強かった。しかしTikTokなどのSNSで間違った広まり方をしてしまったため、誤解している人が多い。【クアドロビクス/Quadrobics】や【セリアン ギア/Therian Gear】に限らず、本来これらの趣味や対症療法はごく個人的に楽しむものであり、他人に見せびらかすようなものではない。
また、誤解のないように述べておくと、【メンタル シフト/Mental Shift】は何も問題行動を起こす原因ばかりを作る「悪い【シフティング/Shifting】」というわけではない。「防衛機制/Defence Mechanism」は本来生物が自身の生存率を高める方法論をまとめた集大成とも言えるもので、人間以外の動物であれば本能に従って行動した方が生存率が高くなる傾向が強い。
また、人間であっても「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」が本能的に備わっており、単に戦争をしなくなった現代の日本ではこの能力を持て余してしまっているだけだと現代心理学では考えられている。実際に日本もほんの80年前までは戦争していたし、現在でも国や地域によっては日常的に命の危険に晒されるような場所もある。そういった場所で暮らす人々にとっては、ほんの些細な音や匂いにも敏感に察知して戦うか逃げるかを即座に選べる能力は生存に対して有利に働くと考えられる。したがって「今この環境に合わない」というだけで頭ごなしに「悪い」と決めつけるのは短絡的であると言える。
重要なのは【シフティング/Shifting】をコントロールする能力を身に着ける事で、やや大仰な言い方をするなら【シフティング/Shifting】に自分自身が振り回されないように自分の「内なる獣」を飼い慣らす力が求められると言えるだろう。そのための方法論として心理学は役立つツールだと言える。
⇒ [ Therian Wiki ] を参照
《や行》
【妖狐】
[関連性:低]
[民俗学用語]
日本では古来から「狐は化けるもの」とごく自然に考えられてきた。しかしこれは日本独自の宗教観に根差したもので、海外では「化ける狐」の事を特別に「Kitsune」と表現し、動物の「Fox」と分離して考えている。【セリアン/Therian】のコミュニティではこの違いは特に重要視され、「化けないFox」は【セリアン/Therian】に分類され、「化けるKitsune」は【アザーキン/Otherkin】に分類される。そのため「Kitsune」の対訳として適切な語は「狐」ではなく「妖狐」であると考えられる。
日本には稲荷信仰があるためか、妖狐の【アザーキン/Otherkin】の人口が多い。狐の【セリアン/Therian】と妖狐の【アザーキン/Otherkin】には多くの類似点が見られるが、一定の差異も見受けられる。
《ら行》
【レイジシフト/Rage Shift】
[関連性:高]
[セリアン用語]
【シフティング/Shifting】の一つ。元来【メンタル シフト/Mental Shift】の一部と考えられてきたが、【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】との関連性が高い【シフティング/Shifting】なので便宜的に【メンタル シフト/Mental Shift】から切り分けて考えられるようになった。
野生動物の中には「闘争・逃避反応/Fight or Flight Response」の「防衛機制/Defence Mechanism」が働いた場合、激しい攻撃性を示す種もある。これは常日頃から生きるか死ぬかという極限状態に置かれている生き物にとって生存に有利に働く機能であるが、こと現代の人間社会でこの反応が出てしまうと「問題行動」と解釈されかねない。
そのため「アンガー マネジメント/Anger Management」などの方法で【レイジシフト/Rage Shift】をコントロール出来るようになる事が望ましい。【レイジシフト/Rage Shift】が完全にコントロール不能になった場合に【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】に至る事があるが、そのような事例は非常に稀である。
また、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の中には軍務に就いて自分の性質を仕事で活かそうと試みる者も多い。警察官、自衛官、消防士などの職業は、仕事柄常日頃から生きるか死ぬかの極限状態に置かれる事が多い。一部の【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】にとってはむしろそのような環境の方が自分の特性を活かしやすいと考える者もある。とはいえ、【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】次第で種族特性は大幅に異なるため、【セリアン/Therian】や【アザーキン/Otherkin】の全てが危険な仕事に向いているとは言えない。
【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】
[関連性:中]
[心理学用語]
「クリニカル ライカンスロピー/Clinical Lycanthropy」の和訳語。「自分自身の事を人狼であると信じ込んでしまう妄想」の事を指す。
この精神疾患は明確に【セリアンスロピー/Therianthropy】とは分けて考えられている。米国では研究が進んでおり、一般的な【セリアンスロピー/Therianthropy】は「病気」ではなく「本人の個性・特徴」であり、直接的に「治療」や「矯正」をする必要はないとされている。
しかし日本にはこの「最先端医療」が輸入されているか定かではないため、「自分は人間ではない動物である」と患者が訴えた場合、投薬などの強引な治療が必要になるほどの「重篤な」症状でないにもかかわらず【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】と「誤診」されてしまうリスクがある。
一般的に【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】は「妄想と現実の区別がつかなくなっている状態」であり、薬物や物理的な損傷などによって脳がダメージを受けた場合や、解離性人格障害、統合性失調症、双極性障害、の「表出」の仕方の一つと考えられている。【セリアン/Therian】の場合はむしろADHD、ASD、PTSD、不安障害、鬱病、自殺念慮などの症状を抱える者が多く、【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】とは明らかな違いがある。
ADHDとASDは種族特性の「表出」の仕方がたまたま人間にとって「疾患」と捉えられたものと考えられる。逆にPTSD、不安障害、鬱病、自殺念慮などは【セリアン/Therian】が「普通の人とは違う」という特性を持っているため迫害を受けた結果として発症したものと考えられる。これらは【臨床的人狼症/Clinical Lycanthropy】とは明らかに異なるものであるため、【セリアンスロピー/Therianthropy】そのものを「治療」したり「矯正」したりする治療方針は本人の心の傷をより深く抉る事になりかねない事に留意すべきである。
【セリアン/Therian】に対する治療の基本方針は「来談者中心療法/Client-Centered Therapy」が好ましい。ADHDやASDのような「社会生活を送る上でリスクになりそうな症状」を抑えつつ、同時に「普通の人とは違う」事によって負った心の傷を癒すという二つのアプローチを進めていく事がある程度有効である事が分かっている。そのため本人の【セリオタイプ/Theriotype】や【キンタイプ/Kintype】を含むアイデンティティの在り方を肯定的に受け止める支持的な治療を第一段階として行う方が良い。本人と十分な信頼関係が結べた場合、段階的に本人の抱える心の問題の根本原因を探り、心の傷を一つ一つ丁寧に治していく事が結果的には最も効果的で効率のいい治療になり得る。
《わ行》
【ワーウルフ/Werewolf】
[関連性:中]
[ファンタジー用語]
人狼のこと。「狼に変身できる人間」を指す。人類史には神話の時代から登場し、現代でも数々のファンタジー作品で取り上げられている。【AHWW(Alt.horror.werewolves)】発足の直接的原因となり、間接的にだが【セリアンスロピー/Therianthropy】の発見と発展の礎となった。
「変身できる【ワーウルフ/Werewolf】」は【セリアン/Therian】ではなく【アザーキン/Otherkin】に属する。「変身できない狼」は【セリアン/Therian】に属する。【ワーウルフ/Werewolf】の【アザーキン/Otherkin】と狼の【セリアン/Therian】には類似点も多いが、差異がある部分もある。特に「人間に擬態出来る度合い」や「力に対する渇望の度合い」や「自分の能力限界を意識するか、率先して限界を越えたがるか」という点で姿勢の違いが見られる。